ミステリー
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ミステリー 2016年02月19日 14時00分
ワシントンの斧は原型をとどめているのか?(1)
最近、道徳の教科書に江戸しぐさなる「創作実話」が収録されてしまい、大変な物議をかもした。だが、アメリカには教科書どころか百科事典にまで収録され、世界規模に拡散した創作実話がある。かの有名な、ワシントンと桜の木にまつわるエピソードだ。既にご存知とは思うが、内容をかいつまんで説明する。 アメリカの初代大統領にして建国の父と崇められるジョージ・ワシントンの少年時代、新しい手斧で目につく物を手当たり次第に両断しまくっていたところ、彼の父が大切にしていた桜まで切り倒してしまった。無残な木を見た父がワシントン少年を問いただしたところ、素直に悪事を認めて謝罪した。父はワシントン少年の正直さに免じて、切り倒したことを責めなかった。 細部にいくつかのバリエーションがあるものの、大筋は以上である。このエピソードはアメリカ人の琴線に触れたばかりか、正直さの美徳を伝えるものとして世界的にも広く語り継がれ、日本で出版されたワシントンの伝記にも収録されている。また、アメリカでは斧が大統領のイメージと深く結びついており、現オバマ大統領に至るまで斧を持ったイラストが描かれるのは恒例となっている。とはいえ、それは基本的に皮肉な意味であり、風刺を目的としている。 もちろん、風刺のネタになるのはワシントンと桜の木にまつわるエピソードが「創作実話」であり、歴史的な事実にもとづいていないためで、根底には正直の美徳を訴える逸話が「ウソだった」という皮肉がある。ワシントンと桜のエピソードが創作であることは19世紀末に判明しており、アメリカン・ゴシックで有名な画家のグラント・ウッドの絵画でも皮肉たっぷりに描かれている。 とはいえ、ワシントンを英雄視するアメリカ人にとってはあまりいじられたくない話でもあるようで、ウッドはワシントンと桜の絵を描いたことでかなり攻撃されたようだ。また、ワシントンの誕生日にちなむ大統領の日には、さくらんぼのパイを食べるアメリカ人も少なくないように、創作実話であってもアメリカ人の精神に根付いたエピソードといえる。 しかし、いかに建国の英雄にまつわる良い話であっても、創作実話がそれほどまでに広く深く浸透したのは、いかなる要因があったのだろうか? その手がかりは、グラント・ウッドの絵に隠されている。絵のタイトルは「パーソン・ウィームズの寓話」で、桜を切ったワシントン少年を指差している人物こそが、ワシントンのエピソードを創作した本人、パーソン・ウィームズなのである。(続く)
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ミステリー 2016年02月16日 16時00分
空に光る巨大な円盤の正体は!? 1960年ミネアポリス上空に出現したUFO
先日リアルライブにてCIAが公開したUFO資料「プロジェクト・ブルーブック」のレポートについて紹介させていただいた。CIAが公開した資料の中には実在性がかなり高いとされているUFO写真も複数挙げられていた。 そのうちの一枚がこちら。1960年10月20日アメリカのミネソタ州ミネアポリスにて撮影されたもので、白黒であるが空に大きな白い円盤状の物体が浮遊しているのが解る。 この写真は真昼の空でも確認できるほど大きな発光物体を捉えた写真として紹介されることも多いものである。写真をよく見ると物体の前に樹木の枝や建物らしきものが存在していることが解るため、一概にフェイクとは考えづらい。そのため、この写真は長らく本物のUFOを捉えた写真ではないかと見られており、真偽について議論がなされているものでもある。 さて、この写真は実は連続写真のうちの一枚であり、通しで見ると画面の左から右へゆっくりと横切るような動きを見せている。また、この写真が撮られた現場の近くでは、当時火災があったとの記録があるという。 よくUFOに間違われる自然現象で、煙がリング状に停滞するというものがある。爆発や火災などで生じた上昇気流によって形成されるものなのだが、リングを形成できない場合は真ん中が開かない、中途半端な薄い円盤状の形をとる事がある。 このUFOもよく見てみると白い円盤部分にムラがあることが解るため、自然現象によって生じたものを捉えた写真ではないかと考えられるのだ。 未だに諸説あり真相究明の待たれるこのUFO写真。あなたはどう思う?※写真は1960年に撮影されたUFOの写真文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2016年02月13日 16時00分
「獣人」は本当にいるのか? スペインの未確認生物「バサジュアン」
先日、スペインで撮影されたある動画が世界中で話題を呼んだ。 スペイン国内のスキー場で撮影された動画なのだが、雪の斜面で木々の間から白い毛に覆われた大きな生物が姿を現すシーンが一瞬だけ映り込んでいるというものだ。映像を拡大してみると生物は二足歩行していることがわかるため、これはビッグフットに近い獣人が写り込んだものではないか? として話題になったのである。 アメリカのビッグフットやヒマラヤの雪男など、世界各地に獣人型UMAの目撃証言は存在する。欧州でも伝説上の存在として毛むくじゃらの獣人の話が伝わっているが、やはり前述の有名所と比較すると実在性が低いと見られているものが多い。しかし、スペインにはかつて獣人型UMAの目撃証言が存在していたのだ! その名はバサジュアン。初めて目撃されたのは1968年で、スペインのバルセロナ郊外にて高速道路を横断しているところを目撃されている。1993年にはピレネー山脈に存在する教会の廃墟周辺で目撃が相次ぎ、2011年にはピレネー山脈を撮影した写真にバサジュアンらしき人型生物の姿が映り込んだとして注目を集めた。 バサジュアンの存在は15世紀には知られていたようで、伝説では人間と獣の中間のような存在で、洞窟の中に住んでいるという。目撃例によれば身長は1.5〜2メートル程度、全身が毛に覆われ長い鬣を持っている。怒った猫のような声を上げて俊敏な動きで逃げていったという話もある。 果たして、今回の動画に映ってしまったのは伝説のバサジュアンなのだろうか? 問題の動画が撮影されたスキーリゾートの経営陣は、客の不安を解消するためリゾート近郊の一体を捜索したが、動画のような生物は見当たらなかったため、心配する必要はないとしている。※写真はオーストラリアに住むとされる獣人「ヨーウィー」のイラスト文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2016年02月10日 17時00分
創作実話を紡ぐ人々(6)
創作実話とは、読んで字のごとく「実話を装って創作された物語」で、ネットで言葉が定着するよりずっと以前から好まれてきた手法である。創作実話の起源は古く、古代の神話や伝承のたぐいもそのひとつと言えなくもないのだが、作者が「自覚的に実話を装って創作した作品」と定義しても、軽く19世紀まで遡ることができる。印刷技術が進歩した19世紀には大衆向けの読み物が数多く出版され、創作実話が人気を集めていたのである。 映画やミュージカルでお馴染みの「スウィーニー・トッド」もそのひとつだ。 物語では、まことしやかに主人公が処刑された日付や場所も示されているが、当時の記録や新聞などには物語のような事件が見当たらず、かなり古くから創作とされている。これは筆者の推測だが、処刑を掲載時の44年前に設定したのは、ある種のネタバレ要素だったのではないか? 現在よりもはるかに平均寿命が短い19世紀ロンドンにおいても、半世紀前の出来事を記憶している古老は一定数存在していた。具体的には人口の10%程度が60歳以上であり、そのことを考えると設定年代が近すぎるのだ。創作実話には「わざと間違った情報を混入させ」て、読者にそれとなくサインを送ることもあったため、その可能性も少なく無いと考える。 ところが、定説に反して「スウィーニー・トッド」実際におきた事件をもとにしていると、ピーター・へイニングというイギリスの作家が1979年に出版された本で主張したのである。さらに、本が出版された直後には、ブロードウェイでもスウィーニー・トッドを題材としたミュージカルが公開され、大変な好評を博した。おりからのブームに乗る形で、スウィーニー・トッド実在説も脚光を浴びたのである。 しかし、へイニングが根拠とした資料はさほど決定的でも強力でもなく、検証によって主張は覆ってしまう。その後、ヘイニングは再び著書でスウィーニー・トッドの実在を主張するが、特に新たな根拠を示したものではなく、研究者の支持を得ることはなかった。結局、ヘイニングはスウィーニー・トッドが実話であることを立証できないまま亡くなったが、彼の実在説を支持するファンもおり、ネットではその主張をそのまま根拠として掲げるマニアも少なくない。 スウィーニー・トッド実在説は、創作実話を実話と主張する新たな創作実話という、ややこしい入れ子構造となって、現在でもなおネットの世界を漂っている。(了)
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ミステリー 2016年02月09日 15時00分
UFOの謎を解く鍵? コンゴでUFOの設計図が作られた?
先週、山口敏太郎事務所はリアルライブにてCIAが公開したUFO資料について紹介させていただいた。 読者の中にも公開PDF資料に目を通してみた人もいるのではないだろうか。 その公開資料の中に、奇妙な図が添えられた資料が存在する。 これは1952年にベルギー領コンゴのウラン鉱山近くを飛行していたUFOの設計図だというのだ。 1952年の7月中旬から8月にかけて、現地の複数の人々が激しく発光し、猛スピードで空を水平に飛んで行くディスク状の物体を目撃している。このコンゴでの目撃例の興味深い所は、いずれの事例でも目撃者が複数おり、それぞれの証言に矛盾が見られないこと。また、目撃した物体が似通っていることなどがあげられる。 8月2日に5人の人間が目撃した事例によれば、ディスクないしはボール状をしており、エッジや中央付近に赤い光が見えたという。その物体は20秒ほど空に停滞していたが、やがて南東から北西の空へ猛スピードで飛んでいってしまったという。 現地の小さな飛行場の司令官は、正体不明の戦闘機かもしれないと考え、飛行物体の調査を行ったという。目撃者らの証言を総合すると、円盤投げのディスクに似た形状で直径12〜15メートル。内部に燃える火のようなコアが確認でき、中央や周辺に開口部があり、アルミニウムに似た金属でできているように見えたという。これらの特徴と普通の飛行機とは全く違う飛行形態などから、司令官はこの物体は有人ではなく無人機ではないかと考えたようだ。 彼の調査などを元に考えられたUFOの設計図が、この調査資料の図なのである。 1952年は他にも多くのUFO目撃事件が多発した年でもあった。もしかすると、数多くの目撃証言の中に「本物」も紛れていたのかもしれない。文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2016年02月06日 16時00分
危ない! 蒸気機関車の前に人間が!? 正体は事故の被害者か?
怪談や怖い噂、都市伝説として聞かれる話に「自殺者を呼ぶ踏切」というものがある。 ある踏切や駅のホーム、ある路線は人身事故が非常に多く、まるで死神でもいるようだと思われるほどなので、このような噂がたったというものだ。場所は明記しないが、具体的な駅名や路線名を聞いた事のある人もいるだろう。あくまで噂でしかないものであるが、この駅や路線、踏切で写真を撮ると高確率で心霊写真が撮れてしまう、という噂もある。 今回紹介する写真は、まさにその噂が現実となったかのような写真である。 海外のかなり古い写真の中央には蒸気機関車が写っている。しかし、その車両の前に立ちふさがるようにして、一人の人間の姿が写っているのだ。 線路をまたぐような姿で機関車の前に立つ男は半透明で、所々姿も不明瞭であるが、チェックのシャツを着たまだ若い白人男性である事が見て取れる。果たして彼の正体は何なのだろうか? この写真が撮影された時、この男性の姿はこの場に無かったとされている。また、この近くでかつて列車による人身事故があったそうで、腐乱死体が線路の近くから発見されたとも言われている。すると、この写真の主はこの機関車との接触事故で亡くなった被害者のものだったのだろうか? 一方で、あまりにもはっきりと姿が写りすぎているため、この心霊写真はフェイクではないかとする説もある。二重露光やカメラの前を男性が一瞬立ち止まって横切るなど、簡単な方法で再現可能だといわれてもいるのだ。 果たしてこの写真の真偽はどこにあるのだろうか。文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2016年02月03日 17時00分
創作実話を紡ぐ人々(5)
いわゆる「創作実話」とは、フィクションでありながらも実話か、それをもとにしたエピソードであるかのように装った物語で、ネットの流行語となるはるか以前より存在していた、古くて新しい手法である。たとえば「ペニーブックス」と呼ばれるイギリスの低価格読み物は大衆向け娯楽出版の先駆け的な存在だが、犯罪やエログロゴシップの実録をうたいつつも根拠の無い噂や伝承にもとづいた、あるいは完全なる創作記事が数多く掲載されていた。その中には、現在でもなお人気を博している作品があり、特に創作恐怖読み物の「スウィーニー・トッド」は繰り返し映画化や舞台化され、世界的に知られた題材となっている。 物語のあらましは以下のとおり。 主人公はロンドンの理髪師スウィーニー・トッドと共犯となるパイ屋(惣菜屋)の女将で、トッドがヒゲを剃ると見せかけて客の喉を切って殺害、女将は死体の肉からパイをこしらえていた。だが悪事は露見し、トッドはオールドベイリー(中央刑事裁判所)で裁かれ、有名な刑場のタイバーンで1802年に公開処刑された。 スウィーニー・トッドの物語が初めて登場したのは「ペニーブックス」のひとつであるThe People's Periodical and Family Libraryで、連載読み物として1846年から翌47年にかけて掲載された。連載中から人気を集めたようで、完結後すぐに舞台化されている。その後も繰り返し舞台で上演され、また映画化もされた。しかし、少なくとも19世紀の後半には中央刑事裁判所にそのような事件の記録が存在しないことや、また1802年にタイバーンで公開処刑が行われていないこと、さらに同時代の司法記録や新聞記事にもそのような事件は記されていないことが指摘され、創作実話であるとの認識が広まっていた。 ただ、実話派も少なからず存在しており、タイバーンとは処刑場を意味する比喩で、同名のそれを意味しないとか、なんらかの要因で処刑を逃れてスコットランドへ脱出したなどの異説を唱えていた。そして1979年に出版された本で、やはり実際におきた事件をもとにしていると、ピーター・へイニングというイギリスの作家が主張し、おりからのブームに乗ったこともあり、議論が再燃したのである。(続く)
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ミステリー 2016年02月02日 17時27分
UFO調査の新たな新事実が!? 「プロジェクト・ブルーブック」
オカルト系の話題で必ず出てくる展開のひとつに「UFOや未確認生物が目撃され、警察や軍隊が調査に来て、資料を持ち去った。それから何年も経ったが、調査結果は明らかになっていない」というものだ。都合の悪い証拠を軍が掌握しており、証拠は隠されてしまったのだとか、軍と宇宙人は裏で繋がっていて…等々、 陰謀論が出てくることもある。 ところが、つい先日アメリカのCIAがUFOに関する調査資料の一部を公開するというニュースが報じられた。公開された資料は1947年から行われた大規模なUFO調査「プロジェクト・ブルーブック」の記録の一部で、1940年台から50年台にかけてのUFO事件に関する調査資料がpdfファイルで閲覧できるというもの。詳細な証言や現場写真の画像なども添えられており、UFOの正体について本気で調査していた当時の様子がかいま見られるものとなっている。 公開された資料は、UFO事件としては有名なものも含まれている。過去にリアルライブでも紹介したソコロ事件などの資料には、当時の現場写真が多数掲載されている。 公開された資料の中には、信憑性が高いと判断された事件のものもある。こちら、白黒ながら5機のUFOが空を編隊飛行している様子を捉えた写真は、1962年にイギリスのヨークシャー州シェフィールドにて撮影されたものだ。 この写真を撮影したのは当時14歳だった少年アレックス・バーチ。彼は二人の友人とともに目撃したUFOを、たまたま持っていたカメラで撮影することに成功したとして公表。地元の新聞にも掲載されて世間の注目を集めた。教師を中心とした彼らの周辺の大人や新聞記者、警察や軍が彼らに質問し、証言を検証してみたが、三人共に証言内容に矛盾が見られなかったため、信憑性が高い目撃事件だと考えられていた。 しかし、10年後に撮影したアレックス・バーチ氏本人がメディアにてあれはフェイク写真であったと公表。窓ガラスに調節絵を描いて、上手くピント調節して撮影したイタズラ写真だったのである。彼らはほんの悪戯心でUFO写真を作成して撮影してみたのだが、思いのほか話が大事になり、また誰もいたずらだと見抜けなかったため、自らトリックであることを告白したのである。 この告白がされたのは1972年、「プロジェクト・ブルーブック」が終了した3年後。そのため、信憑性が高い事件資料として扱われる事になったのだ。文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2016年01月30日 16時13分
狐の神社に謎のウロコ模様! 妖怪の姿をついに捉えた!?
作家でありオカルト研究家でもある山口敏太郎のもとには、時折読者やテレビの視聴者から鑑定を求めて心霊写真や不思議なものが映ってしまった写真、動画が送られてくる事がある。 今回紹介するものは、山口敏太郎の著作の愛読者が撮影した不思議写真である。 撮影場所はパワースポットとしても有名な豊川稲荷。参拝した記念に各所の写真を撮影していたのだが、二体のお稲荷さんに挟まれるようにして存在していた祠をカメラに収めた所、ウロコのようなものが映り込んだのだという。 全体的にフィルターが掛かってボケたようになっているが、スマートフォンで撮影したもので解像度はそこそこ高かったため、急にこのような状態の画像となって驚いたのだという。よく見ると画面左側も黒ずんでおり、まるで一昔前に撮影された古いカラー写真のような印象を受ける。果たして、この写真は何なのか? この写真を風水師であり霊能者でもあるあーりん女史に鑑定してもらったところ、正体は「蛟(ミズチ)」ではないかという。 蛟は蛇の姿をした水や川の精であり、一説によれば霊位が高まった蛟はやがて龍になるとも言われている。 ウロコがあるが龍神ほど強い気を感じず、しかし悪い気を漂わせているため、今回の画像に写り込んだものも近くの河川を中心にした一帯に存在している蛟だったのではないか、その蛟が移動中だったところを写真に収めてしまったのではないか、ということだ。 なお豊川稲荷では過去にも本写真と同じ場所で「狐の霊」なる謎の影が写りこんだ写真が撮影されており不思議なエネルギーはいまだ健在ということか。 ちなみにこの写真は心霊写真ではないため、持っていても影響はないとのことだ。 あなたの手元にも「普通とは違う」撮れ方をしてしまった写真はないだろうか? 鑑定してみると、実は不思議なものが写っていた…という結論が出てくるかもしれない。文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2016年01月27日 17時00分
創作実話を紡ぐ人々(4)
最近、ネットでは「創作実話」という言葉を毎日のように目にするし、またそれとは知らず、あるいは知ったうえで「創作実話」を読むことも少なくない。創作実話とは、読んで字のごとく、あたかもの実話のように創作されたエピソードで、代表的なものとしては「艦これにハマった元軍人」や「マックの女子高生」などがある。また、広義の創作実話として「実話をもとにしたと称するも、内容はほぼ無関係」とか、あるいは「もとにしたとされる実話が存在しない」創作物などがある。 たとえば、映画「マニトウ」は北米先住民の悪霊が白人女性の腫瘍に宿って現代へ復活し、電子医療機器の精霊と戦う物語だが、最後に「東京で少年の腫瘍を検査したところ、明らかに胎児であった」という実話をもとにした作品であることが明かされる。医学的には、双子胎児の片方が母親の胎内で成長しなくなり、もう片方へ吸収されてしまう「バニシング・ツイン」という現象もあるのだが、東京でそのような症例が報告され、海外まで伝えられたかどうかとなると、いささかもって怪しいと言わざるをえない。 いずれにせよ創作実話の起源は古く、たどれば英雄叙事詩や聖人受難譚に至るともされるが、それらは作者や伝承者が「創作であり、実話ではないこと」を意識していたかどうか微妙であり、読者にも特に疑問を持たれていないことを考えると、創作実話の範疇には入れにくいであろう。そのため、創作実話の起源としては19世紀初頭にイギリスで流行した「ペニーブックス」などの大衆向け娯楽雑誌へ掲載された実話、実録読み物がひとつの起点と考えられる。 ペニーブックスとは、チャップ・ブックとも呼ばれる大衆向けの低価格読み物で、読者が喜ぶなら硬めの信仰奇跡譚からエログロまで、ありとあらゆるテーマを扱ったが、その中でも犯罪実録や拷問、処刑に関する読み物は人気があった。実録と言っても、大半は締め切りに追われつつ書き飛ばしたような記事だが、当時は事実関係を取材するといった概念すらしっかりと整っていなかったので、現代的な実録と同様には評価できない。 ともあれ、読者の気を惹くキャッチコピーとして実録をうたいつつ、内実は創作もしくは根拠の無い噂という記事が数多く登場すると同時に、反対の創作ではあるものの事実を元にしている読み物も登場したのである。 そして、その頃に書かれた創作恐怖読み物の「スウィーニー・トッド」もまた、フィクションの体裁を取りつつも実際におきた事件をもとにしていると、ピーター・へイニングというイギリスの作家が主張したのである。(続く)
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