ミステリー
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ミステリー 2015年11月11日 15時00分
オーソン・ウェルズの宇宙戦争は本当にパニックを引き起こしたのか?(4)
震災時の放射能デマなどは記憶に新しいが、ソーシャルメディアなどを通じて偽の情報が流れ、多くの人々がパニックに陥ることは現代社会における日常の風景となった感すらある。また、デマによるメディアパニックが発生する度に決まって言及されるのは、約80年前に放送されたラジオドラマ「宇宙戦争」が実況中継風の演出で混乱を引き起こしたとされる事件だ。 ニュース番組を模した登場人物の演技や音響効果があまりにも真に迫っていたため、多くの聴取者がパニックにおちいったと、翌日の新聞は様々な騒動をトップに掲載したばかりか、番組の脚本を書いて演出を務めたオーソン・ウェルズも会見を開き、謝罪を余儀なくされたのである。そして、プリンストン大学のキャントリル教授が1940年にメディアパニックを論じた著書『火星からの侵入』において番組聴取者を170万人、そのうち120万人がなんらかの騒動を起こしたと推計したことから、事件は半ば歴史的な事実として定着するに至った。 ところが、近年の研究で新聞に報じられたような騒動の大半は裏付けを欠いていたり、あるいは全くことなる要因で発生したトラブルを番組と結びつけており、本当にパニックが発生したかどうかについては疑問が持たれるようになっていた。そして、決定的となったのはニューヨーク・タイムズ紙が報じた事例のほとんどが確認できないか、あるいは番組との関係があやふやで、たとえばパニック発作を起こした人々が担ぎ込まれたとされる病院の記録によると、事件当夜の急患は「身体的な疾病の数名のみ」とされる。 加えて、当時の電話調査では番組聴取率がわずか2%に過ぎず、しかも「オーソン・ウェルズの番組を聴いていた」との回答が多数を占めていたことなどから、キャントリル教授の聴取者推計も過大と指摘された。 結局、番組が引き起こしたというパニックは存在しておらず、事件は現代の神話か都市伝説に過ぎないというのが、ほぼ定説となりつつある。 では、なぜ根拠の無いパニック伝説が生まれ、そして現在に至るまで語り継がれているのだろうか? 都市伝説の生まれる過程そのものが、新たなミステリーとして立ち上がってきたのである。(続く)
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ミステリー 2015年11月10日 13時30分
ペンタゴンはUFOに狙われていた!? 高速UFOの謎
現在でもたびたび撮影され、メディアで公開されて物議をかもすUFOの動画や写真画像の数々。しかし技術の発達によって、誰でも本物そっくりのリアルなフェイク画像が作成されるようになった。 それでもフェイクの余地がなさそうに見える写真や動画は今でも存在する。不特定多数の人が同時に記録しているケースや、リアルタイム撮影されたような臨場感の高いものなどだ。それが撮影当時の技術では再現不可能なものであれば、尚更だろう。 1942年に撮影された、こんな写真がある。とある町の上空を飛行中の飛行機内より撮影されたものだが、画像の右端、地平線近くをよく見てみてほしい。飛行機の後方に向かって、長くジェット噴射のような軌跡を残しながら通り過ぎていく、謎の物体が写りこんでいるのが解るだろうか。日差しを受けて一部が強く光っている円盤状のものは、そこに『何かしらの高速移動する物体』が存在していたことを示している。 この写真は1942年10月29日、アメリカの首都ワシントンD.C.上空にて偶然撮影されたものだという。この写真ではトリミングされているが、実際はかなり横長であり、眼下にペンタゴンを臨んでいるものだ。本来は上空を飛行する高翼単葉機の様子を撮影していたものだったのだが、そのうちの一枚にこの謎の物体が写り込んでしまったのだという。ペンタゴンはUFOに狙われていたのだろうか…? 飛行機と高速ですれ違っているように見えるこの物体の正体については諸説ある。一説には、飛行機の破片や氷の粒が機体からはがれて落ちていった瞬間を捉えたものではないかという話も出ているが、この高度では写真にあるような写り方はしないと言われている。また、機体からはがれ落ちた物体にしては機体からだいぶ離れたところに存在しているため、やはり飛行機とは関係ない別の物体なのではないかとも見られている。 合成したような証拠も今のところ発見されていないため、この写真の真偽は不明のままなのである。文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2015年11月07日 16時59分
伝説の「ドラゴン」が山口敏太郎の妖怪博物館にやってきた!
ファンタジー世界を舞台にした創作の中で、時に恐ろしく強大な生物として描かれ主人公の前に立ちふさがり、しかしその強さから人々を魅了してやまない生物がいる。巨大な体に武器を弾く硬い鱗、口から炎のブレスを吐くドラゴンだ。 日本でも神話の八岐大蛇はじめ、巨大な龍の伝説が多く残っている。日本の場合は荒れ狂う天候や氾濫した河川の様子など、人には手出しができない自然や災害を象徴する、神に近い存在として龍を想像したとみられている。 西洋のドラゴンの方も、蛇に対する神格化とキリスト教のモチーフが加わり、次第に人に仇なす悪の存在であるとみなされるようになり、人が超えるべき壁や強さの象徴とされるようになったとみられている。 西洋のドラゴンの歴史を紐解いていくと、実在したとしか思えない程しっかりとした記録が残っているものが存在する。例えばイングランド地方サフォークとエセックスの境にあるスタウア川流域に伝わるビュレス・ドラゴンは1405年に僧侶によって退治されたのだが、胴が太く頭に鬣があり、ノコギリのような歯と長い尾を持っていたという。どことなく日本の龍に似た印象も受ける。また1668年に退治されたエセックスのヘンハム・ドラゴンは体長2.4〜2.7m、鱗に覆われたゴツゴツした肌に大きな目に三叉の尾をしていたという。 まるで本当にドラゴンとしか思えない生物が存在し、記録に残したかのようだが、実際にこれらのドラゴンにはモデルがいたのではないか、とする説が存在する。インドネシアのコモドオオトカゲを始めとする、実在する大トカゲ類だ。特にコモドオオトカゲの場合は口内に毒腺があるだけでなく、化膿菌が繁殖しているため、噛まれたりした際の被害は甚大なものとなる。力が強く、人に甚大な危害を加える可能性のある大トカゲ類の目撃証言が伝わったとしたら? また、今は絶滅してしまったけれども、伝説の残る地に本物の大トカゲ類が生息していたのかもしれない。同様の説を著名な生物学者のリチャード・ドーキンス氏も述べている。 現在、山口敏太郎の妖怪博物館では、このドラゴンのモデルになったオオトカゲの剥製を展示している。伝説のモデルに近づいて観察してみるのも面白いのではないだろうか。文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2015年11月04日 15時00分
オーソン・ウェルズの宇宙戦争は本当にパニックを引き起こしたのか?(3)
映画史に名を刻んだ傑作「市民ケーン」の監督兼主演を務めた天才オーソン・ウェルズが、その数年前にハロウィン特番として制作、放送したラジオドラマ「宇宙戦争」は、そのニュースを模した演出が真に迫っていたことなどから社会を混乱させたと非難された。放送から80年近く経った現在でもメディアパニックの事例として取り上げられる、有名な「宇宙戦争ラジオ放送事件」である。 パニックそのものについては放送翌日の新聞報道と、後にプリンストン大学のキャントリル教授が著書『火星からの侵入』で推計した影響などをもとにした記事やコラムが、現在もなお繰り返し様々な媒体に掲載、配信されている。だが、ウェルズが「宇宙戦争」を放送した番組そのものや、その背景について解説した文章は極めて少ないので、事件の背景を理解する助けとしてごく簡単に説明する。 オーソン・ウェルズは1930年代に米政府の演劇振興事業「連邦劇場計画」を通じて大きな成功を収め、また後に映画や演劇プロデューサとして全米に名を轟かせるジョン・ハウスマンと交流を深めた。ウェルズはハウスマンと組んで劇団「マーキュリー劇場」を主宰し、特に当時22歳のウェルズは「ブロードウェイ最年少の青年座長」として注目を集めている。そして「マーキュリー劇場」は原作を斬新に解釈した脚本や実験的な演出などで高く評価された他、興行的にもおおきな成功を収めた。 やがて「マーキュリー劇場」はラジオドラマ化され、ウェルズは「マーキュリー劇場放送」として劇場と同様に実験的な演出や音響効果、斬新な脚本で番組制作に臨んだ。ところが、番組は批評家などから高く評価されたものの、大衆からの反響は薄く、聴取率も低いとみなされた。当時の「マーキュリー劇場」はスポンサーの付かない局制作番組だったので、ウェルズはかなり自由にやらせてもらえたらしく、特に音響効果や演出については最先端のアイディアが盛り込まれていたという。 そのような背景のもと、問題の「宇宙戦争」が放送されて大きな騒動へ発展する。新聞報道などにより、いわゆる「炎上」してしまったことから、ウェルズは謝罪会見を余儀なくされるわけだが、番組自体は全米の注目を集め、多くの熱心な聴取者を獲得するきっかけとなった。さらに、缶スープで知られるキャンベルがスポンサーとして名乗りを上げ、事件から数週間で「キャンベル・プレイハウス」と名を変えている。 また、ウェルズ自身も「宇宙戦争」で高く評価され、事件をきっかけに映画製作へ進出して名作「市民ケーン」を手掛け、そして今度は本当に干されることとなるのだが、それはまた別の物語であろう。(続く)
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ミステリー 2015年11月03日 16時55分
波の向こうに人間の顔二つ…? ウォータータウン号の怪異
事故や災害で犠牲者が出た場所には、浮かばれない人々の怨念や恨みの念が残るという。成仏しきれない人の魂が現世にとどまり、地縛霊として生きている人に訴えかけ、時には害をなす事もあるという。 こちらの写真を見ていただきたい。1924年にある船から撮影されたものである。船の甲板の向こう側、波の間にうっすらと二人の人間の顔が浮かんでいることがわかる。二人はこの写真が撮影された船にて、不慮の事故で命を落とした乗組員の顔に酷似しているというのだ。 この写真が撮影された船、ウォータータウン号はカリフォルニアからニューオリンズに向けて航行していた。その最中、ジェームズ・コートニーとマイケル・ミーハンという二人の乗組員が、タンク清掃中の事故でガス中毒となり、死亡してしまった。しかし、この不幸の事故から数日後、船内で亡くなった二人の姿を目撃した船員が続出。 複数の乗組員の前に数十秒間、虚空に二人の顔が浮かんだ状態で目撃されたこともあった。そのため、船内は二人の霊におびえる乗組員が続出したという。 ウォータータウン号は順調に航行し、ニューオリンズに到着。船長のキース・トレイシーがこの件を所有する会社などに報告した所、非常に興味をもたれたため、船内のあちこちをカメラで撮影してみた。すると、この写真をはじめとした複数の心霊写真が撮れてしまったのだという。この写真を見た乗組員たちは、口をそろえて亡くなった二人に似ていると証言したそうだ。 さて、この写真は古くからアメリカで本物の心霊写真と見なされてきたが、同時に懐疑的な見方をする人々も少なからずいた。この写真を研究していた作家のブレイク・スミスは「オリジナルの写真を見て、当時の現場の状況と照らし併せてみないと解らないが、係留された船の後ろに港の施設があり、たまたま近くを通りかかった人の顔が写り込んだのではないか」と推測している。 さて、この写真は本物の心霊写真なのか、それとも偶然の産物だったのか。真実は未だに解っていない。文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2015年10月31日 16時40分
「小人のミイラ」は実在した? 正体は宇宙人説もアリ
2014年4月に南米のアルゼンチンで撮影されたある動画が世界中で話題になっている。ある母親が台所で遊ぶ我が子の様子を撮影していた所、物陰から小さな「何か」が現れ、部屋の奥へと駆け抜けていった。 思わず鼠か何かかと思った母親は、カメラを回したまま駆け抜けていった何かを追っていったが、その時にはすでに影も形も無くなっていた。しかし、何かが消えたと思われるところには悪臭が立ち込めていたという。改めて母親がその生物の正体を確かめるべく、動画を再生してみたところ、なんとも見事なフォームで走り去る「小さな人間」にしか見えない生き物が写っていた…。 ちなみに、この動画に出てくる小人があまりにも綺麗なフォームで全力疾走しているため、CGや合成を疑う声もあったが、母親にはそういった動画を作成する技術がないこと、また 走り抜ける小人は戸口からの光に照らされ影がタイルに映っているのだが、この影や光の当たり方が自然なため、本当に動いている物体を捉えたとしか考えられない、という見方もある。 世界中を驚かせたこの動画だが、実はアルゼンチンをはじめ南米には昔から小人の伝説が数多く残っており、現代でも動画や写真、更には小人が実在したとしか思えないような「物証」まで発見されているのだ。 有名なものがアタカマ・ヒューマノイドだ。2003年にチリのアタカマ砂漠にて発見された体長15センチほどのミイラは、人間そっくりながらも異様に縦に長く伸びた頭に異様に細い体は、まるで宇宙人のミイラではないかと言われるほどだった。現在では研究の結果、胎児とほぼ同じサイズで生まれ、そのまま大きさが成長することなく数年生きたれっきとした人間であったことが判明している。これは突然変異の一種ではないかと見られている。 このアタカマ・ヒューマノイドに酷似した「小人のミイラ」は南米では時折出土することがあるようで、世界中の風習や奇習を調査、コレクションしていたアメリカの漫画家ロバート・リプリー氏もアタカマ砂漠近郊で同様の小人のミイラを発見、「アッタ・ボーイ」と名付け所有していたという(画像参照)。 このように、南米では昔から小人の伝説や物証ともいうべき物が多数存在している。 もしかすると、我々の前に本物の小人が姿を表す日もそう遠くはないのかも知れない。文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2015年10月28日 15時00分
オーソン・ウェルズの宇宙戦争は本当にパニックを引き起こしたのか?(2)
若き日のオーソン・ウェルズが司会進行から脚本、演出などを務めるラジオドラマのハロウィン特番として1938年10月30日に放送された「宇宙戦争」は、あまりにも真に迫っていたため多くの聴取者がパニックにおちいり、社会に大きな混乱を招いたとされる。翌日のニューヨーク・タイムズ紙によると、以下の様な騒動が発生していた。1:ニューヨークとニュージャージー州において大規模な混乱が発生し、数千の市民が家を捨てて公園などへ避難した。2:ニューヨークとニュージャージー州の警察は、無線で「宇宙戦争は娯楽のお芝居であり、現実の出来事ではない」と各方面へ注意喚起した。3:ニュージャージー州ニューアークでは警察に数千の市民が詰めかけ、重い精神的なショックとヒステリーを起こした15人の男女が収容されたほか、州兵の動員に関する問い合わせも多数寄せられた。4:教会には興奮した信徒が詰めかけたため、牧師が彼らの平穏を祈って沈静化させた。 その他、取材に応じた多くの人々が「放送は真に迫っていた、現実の出来事と思った」と答えている。 この騒動は「宇宙戦争ラジオ放送事件」と呼ばれるようになり、放送から80年近く経った現在でもなお、メディアパニックの事例としてたびたび取り上げられている。そして、プリンストン大学のキャントリル教授は1940年の著書『火星からの侵入』において170万人が番組を聴き、その内120万人がパニックを起こしたと推計した。 ところが、最近の調査によるとニューヨーク・タイムズ紙が報じた事例のほとんどが確認できないか、あるいは番組との関係が不確かな出来事なのだ。たとえばニューアークの病院には事件当夜の入院記録がほとんどなく、病気で担ぎ込まれた患者が数名いるのみとされる。また、キャントリル教授の聴取者推計も過大とされ、実際よりも数倍かそれ以上に膨らんでいると指摘された。 そのため、実際に大規模なパニックが発生したかどうかは疑問なのだ。 確実なのは、放送中から番組内で言及されたニュージャージー州の警察や放送局への問い合わせ電話が相次ぎ、回線がパンクして繋がりにくい状態となった。そして放送開始から30分ほどで局の幹部がスタジオへ連絡し、番組は「架空の出来事であることを言明し、放送を中止するよう指示した」こと、また警察が無線で各方面へ注意喚起したことぐらいである。 では、なぜパニックが発生したと報じられたのだろうか? その前に、オーソン・ウェルズが宇宙戦争を放送した番組と、彼が当時座長を務めていた劇団との関係をはじめとする、事件の背景について考察したい。(続く)
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ミステリー 2015年10月27日 16時00分
これが世界最古のUFO写真? 19世紀後期に撮影された葉巻型UFO
山口敏太郎事務所はこれまでにも、世界初のUFOもとい「空飛ぶ円盤」目撃事件である、1947年のケネス・アーノルド事件よりも古い時代に撮影されたUFOらしき謎の物体が写り込んでいる画像を紹介してきた。 これらの数多くの写真からは写っているものの真贋はさておいても、相当の昔からUFOらしき奇妙な物体が目撃され、撮影されてきたことが判る。 では、記録に残っている現時点で一番古い「UFOを記録した写真」は何なのだろうか? その疑問の答えとなる写真が、今回ご紹介している写真だ。湧き上がる大きな積乱雲を背景に、黒く長細い物体が空中に浮かんでいる。よくUFOの母船ではないかとも言われている、葉巻型のUFOに酷似した外見である事が判る。 撮影されたのは1870年から1871年にかけて。日本はまだ明治時代の頃の話である。撮影地はニューハンプシャー州のワシントン山付近だとされている。 なお、この写真はもう一枚存在しており、ステレオ写真であることが判明している。 この写真は2002年に匿名の人物がインターネットのオークションサイトeBayに出品し、国際写真センターのシャミュエル・M・シャーマン氏が高額で落札した。氏はまずはこの写真を科学者に提出し、詳細な分析結果が出るのを待って結果とともに公表したい、と述べているという。 現在ネットでも見ることのできるこの画像は、オークションに出品された際に出回ったものだという。 果たして、この最古のUFO写真の鑑定結果が出る日は来るのだろうか?文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2015年10月24日 16時20分
「カナダで生きている恐竜が目撃された!?」謎の巨大生物の正体は?
20世紀初頭、カナダのパートリッジ・クリークにて奇妙な生物が2度にわたって目撃された。最初の目撃例は1903年、ハンティングに来ていた人物が巨大な怪物と遭遇、怪物は峡谷の間に尾を引きずったような深い轍を残して去ったという。 1908年に目撃された時は、この怪物は獲物としてカリブー(トナカイの一種)を仕留めたようで、獲物を大きな口にくわえたまま凍った川の上を渡っていく姿が目撃されている。 この生物の大きさは約50フィート(約15メートル)あり、体色は黒一色。イノシシのような剛毛の鬣など、随所に毛が生えていたようだ。歩行は後足での二足歩行、鋭い牙と鼻先に角が生えていたとされている。 このニュースは「カナダで生きている恐竜が目撃された!?」としてイギリスの大衆紙ストランド・マガジンほか、様々な文献で取り上げられた。実際、当時の文献では脚部など随所に長い毛を生やしたケラトサウルスによく似た姿の怪物の絵が描かれている。これはおそらく「鼻の上に一本角がある」二足歩行の巨大生物、という点から想像されたものなのだろう。現代では恐竜についても研究が進み、恒温動物説や羽毛があったという説が出てきているが、それでも厳冬のカナダで生息し続けるには無理があるだろう。 さて、1918年に広文社より発行された『世界の奇聞全集』にはよく似た生物の目撃情報が「北極圏の恐角獣」として紹介されている。ちなみにこの『恐角獣』はある古生物の名前を和訳したものであった。その名はウィンタテリウム、新生代に北アメリカやアジアと広範囲にわたって生息していた草食獣だ。頭頂部から鼻にかけて6本の角があり、大きなサーベル状の犬歯を持っている。見た目はサイに似ているがあくまで別の種類の生物である。確かにウィンタテリウムであれば寒い土地でも活動できるかもしれないが、ウィンタテリウムは先述の通り草食獣である。また四足歩行の生物であり、大きさも3メートルほどしかない。そのため、目撃証言にあるようにトナカイを獲物にしたり、口にくわえたまま二足歩行することなど不可能なのだ。 パートリッジ・クリークで目撃された怪物は何だったのだろうか? もしかしたら、我々の知らない未知の巨大生物が凍土の向こうに今でも生息しているのかもしれない。写真:当時の新聞に掲載された挿絵文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2015年10月21日 15時00分
オーソン・ウェルズの宇宙戦争は本当にパニックを引き起こしたのか?(1)
ハロウィン前日の1938年10月30日、日曜(当時)夜のくつろいだひとときを楽しんでいたアメリカの人々は、陽気な腹話術コメディが終わって番組が休憩を告げると、日頃は聴かない「マーキュリー劇場」という一風変わったタイトルの番組へチャンネルを変えた。そこで飛び込んできたのは、ニュージャージー州に「火星から飛来した隕石が落下した」という、なんとも物騒な臨時ニュースだった。やがて、ラジオは驚くような知らせを告げる。 隕石から怪しげな戦闘機械があらわれ、毒ガスを撒き散らしながら怪光線を放ち、集まった人々を殺戮し始めた。 火星人の地球侵略が始まったのだ! この衝撃的な放送は、若き日のオーソン・ウェルズが司会進行から脚本、演出などを務めるラジオドラマの演出だったが、あまりにも真に迫っていたため多くの聴取者がパニックにおちいり、社会に大きな混乱を招いたとされる。これこそ、放送から80年近く経った現在でもメディアパニックの事例として取り上げられる、有名な「宇宙戦争ラジオ放送事件」の始まりであった。 まず、放送中から番組内で言及されたニュージャージーの警察や放送局への問い合わせ電話が相次ぎ、回線がパンクして繋がりにくい状態となった。それがまたパニックに拍車をかけたとともに、新聞社をはじめとする他のメディアも「事件」として注目し始めた。騒動の急速な広がりは放送開始から30分ほどで局の幹部がスタジオへ連絡し、番組は「架空の出来事であることを言明し、放送を中止するよう指示した」ほどとされる。 しかし、制作スタッフは介入をうまくかわして放送を続け、結局は最後まで番組を流してしまった。その間、局が放送に怒った暴徒に襲撃されることを恐れた何者かが警察へ連絡したため、局舎は詰めかけた警察と新聞記者、カメラマンなどによってすっかり取り囲まれてしまったという。ただ、中心人物のオーソン・ウェルズはこうした成り行きに落胆し、自身が座長を務める劇団の稽古に立ち会うべく(初演間近とあって、徹夜で稽古を続けていた)、警官や記者たちをかわして裏口から劇場へ移動してしまった。 結局、ウェルズは劇場で新聞記者らにつかまってしまい、取材に応じざるを得なくなった挙句、フランケンシュタインの怪物めいた写真が翌朝の新聞を飾ることとなった。そればかりか、放送から一夜明けた31日には謝罪会見を余儀なくされ、若き人気作家のキャリアは終止符を打ったかのように思われたのである。 では、放送中が引き起こした集団パニックとは、いったいいかなるものであったのだろうか?(続く)
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