ミステリー
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ミステリー 2017年10月31日 22時04分
怖い話『想い川』
北関東で起こった、今でも心が痛む事件がある。 2000年代初頭、ある親が自分の子供たちを暴走族時代の後輩に預けたところ、その後輩によって子供たちが川に投げ込まれ、幼い兄弟が死亡した事件があった。 この殺人事件に関する不思議な話を知っている方より、筆者宛にメールを頂いた。その人は奇妙な体験をしたのだ。「ある時、幼い兄弟が私の夢の中に立ちました。最初はわからなかったのですが、その兄弟は殺人事件の犠牲者でした。その兄弟が言うには、『僕らが流された川は想い川っていうんだ。その川の意味を調べてよ』と主張してくるのです。昨夜で4回目です。私はこういう事はあまり体験したことがなかったのですが、どうにも不思議に思い、山口さんにメールをしたためた次第です」 このようなメールを、読者の方から頂き、私は犯罪の現場となった「想い川」の由来や伝説を調べた。 すると、「想い川」には、子供の人形やおもちゃなどを流す”形代ながし”の習慣があったのだという事がわかった。 つまり、「想い川」は子供が元気で生きていけるように、子供にまとわりつく不浄なモノを流す行事が行われている川なのだ。あまりにも皮肉である。しかも、それは現在でも行われている。気の毒な事に、彼ら兄弟は子供の不浄を流す川に”人間かたしろ”として流されたというわけだ。「自ら因果のかたしろになったという事である」 馬鹿な親の業を背負い、自分の不幸を背負いながら流されたのだと想うと、私自身も胸がしめつけられた。 こういう不幸な子供を作らない責任が、私たち大人にあるのだと痛感した。 監修:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2017年10月28日 22時00分
怖い話『倉庫の壁が告げるもの』
「やばい倉庫があるんですよ、都内なんですがね」 かつて都内で某企業の倉庫に勤務したことのある女性が、その倉庫に纏わる怪談を筆者に教えてくれたのは三年ほど前だったと記憶している。「どういう風にやばいんですか」「この倉庫の壁の中には霊がいるんですよ、壁をノックすると中から同じ回数が打ち返されるんですよ」「まじですか」 筆者は興奮を抑え切れない。「いや、本当ですよ、噂では倉庫が建つ前に亡くなった霊だと言われてますがね」 私は無言のまま生唾を飲み込んだ。一方、女性はさらに続けた。「あと、壁に耳をあてると、未来のお告げが聞こえるらしいですよ」「お告げですって」 この話を聞いた時、筆者は衝撃を受けた。 実は十年近く前、筆者はこの倉庫を訪問したことがあったのだ。 当時、物流の改善提案をやっていた筆者は、ある企業のトップと保管倉庫の候補としてこの倉庫を訪問した。「なかなかいい倉庫じゃないですか」 その企業のトップは上機嫌であった。 私は、その企業の方とまだ新しかったその倉庫を見学した。 すると、何を思ったのか、その企業のトップは壁をノックし、耳を壁に当てた。「はははっ、こうして安普請かどうか調べてるんだ」 その方は笑いながら耳をあてていたのだが、みるみる表情が変わった。 そして、突然倉庫から飛び出し、駐車場に戻ってしまった。「兎に角、今日は気分が悪い、帰らせて欲しい」 そのトップは突然、そう言い残すと自宅に帰ってしまった。 その後、何故か物流改善の話はなくなってしまった。 翌年、その企業は、顧客を死なすという不祥事を引き起こし、業績を悪化させてしまった。 あの時、企業のトップは何を聞いたのであろうか。(監修:山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2017年10月25日 22時54分
怖い話『タンパク源』
民話の収集に励むある人物が、北海道の某所で聞いた奇談である。 その町には現在でも火葬場がない。勿論、死者は出るわけで、そういう場合は隣町の火葬場に行って、焼くのだという。人口もそこそこあるのに、今時、火葬場が無いとは不思議だなと思っていると、一人の古老が口を割ってくれた。 「実は、終戦後しばらくは、火葬場はあったんじゃ」 老人の話によると、太平洋戦争直後まで火葬場は存在したのだが、ある事件がきっかけで廃止された。その事件とは、そこに勤める職員の不祥事である。その職員は、戦後の食糧難でも顔色が良く、生き生きとしていた。その事を不思議がる人々がいたのだが、ある時、衝撃的な真相が明らかにされた。 なんと、遺体の脳味噌を焼いて食していたのだという。つまり、タンパク質の補給を脳味噌で行っていたのだ。そして、火葬場は廃止されたのだという。 戦後すぐの混乱期に、自分の子供を殺害し、ヤギの肉だと誤魔化して家族で食べてしまっていた事件が実際に発生していた(こちらの事件も判決が出ている)。記録に埋もれてしまっているが、戦後の食糧難の時代には、あちこちで起きていた事件なのかもしれない。監修:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2017年10月21日 22時05分
【都市伝説】北京の霊界バス
都市伝説は洋の東西を問わずどこの地域でも存在する。 毎年、お盆の頃になると北京では「霊界バス」という都市伝説が囁かれるという。 お盆になると北京からは、早朝から各地方への始発バスが出る。 大都会・北京から大勢の帰省者を送り出すバスというわけだ。近年のニュースでも話題になるが、この帰省は中国全土でかなりのラッシュになるため、バスの本数も格段に増えるという。 だが、その沢山のバスに混じって「霊界バス」というお化けバスがあるらしい。 そのバスは一見普通のバスだが、実は死人の乗るバスで、乗っているとあの世まで連れて行かれ死んでしまう。 つまり、終点はあの世というわけだ。 あるカップルが、お盆に田舎に帰省しようと始発バスに乗っていた。 ラブラブな二人は車内でイチャイチャしていたのだが、横に座ってきたおじいさんが 彼女のお尻を触り大騒ぎになった。 「このおじいちゃんが、私のお尻を触った!」 「ほほほっ、触るぐらいかまわんじゃろう」 「なんだと、爺さん、バスを降りろ。話がある」 とぼける老人に対し頭にきた彼氏は、彼女を連れておじいさんと3人で次のバス停で降り、抗議し始めた。 「なんでオレの彼女に触るんだ!!」 彼氏はもの凄い剣幕である。 「おまえさん達、よかったのぅ。この騒ぎのおかげでうまくこのバスを降りることができた。わしに感謝せんとな」 おじいさんは飄々としている。 「なんだって」 「ふっ… あのバスは霊界バスじゃ」 おじいさんが指差すや否やバスは消えていった。 間違えて「霊界バス」に乗ったカップルをおじいさんが助けたのだ。監修:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2017年10月17日 22時03分
実話怪談『幽霊のいる旅館』
E子さんが九州の山奥の秘湯に行ったときに体験した出来事である。 友人と二人で潰れかかった温泉宿に宿泊することになった。 粗末な家屋はいつ傾いてもおかしくない状態で、窓からは山々が望める。 これらの自然は、秘湯という演出にはもってこいの舞台装置にもなっていた。 「こういう部屋の趣がいいのよね」 「そうよね。まさに隠れ家って感じかな」 友人と一緒に部屋でくつろいでいると、部屋を間違えて老婆が入ってきた。 最近では珍しい、えらく腰の曲がった老婆である。足取りも弱々しい。 部屋の半ばまでくると、老婆は二人の顔を不思議そうに見つめた。 「おばあちゃん 部屋間違えているよ」 二人は吹き出しながらも、老婆にやさしく言った。 「ああ、そうかね。ごめんなさいね」 老婆はにこにこ笑いながら廊下に出ていった。 「かわいいおばあちゃんね」 「そうだね、なんかちっちゃくてかわいいね」 E子と友人は微笑ましく思った。 自分たちの祖母と、老婆の姿がだぶったからである。 そこに初老の旅館の番頭さんらしき人物が挨拶にきた。 小綺麗な和服の出で立ちは老舗旅館に相応しい。 お湯の効能や、周辺の史跡などの話を番頭がしてくれた。 二人が思わずさっきの愉快なエピソードを披露すると、番頭の顔色がみるみる青く変化した。 「はあ…また出ましたか」 番頭は、ぽつりとつぶやいた。 話を聞くと、この旅館で療養中に亡くなった老婆の幽霊が、度々出ては宿泊客を脅かしているのだという。 「ええっ、まさか」 騒然となるE子と友人。 しかし、もう既に夕方も近く、周辺には代わりの宿もないようだ。 とりあえず温泉に入って、眠ろうという事になった。 すると風呂の入口で、またあの老婆とすれ違ったのである。 「あのおばあさん、さっきのおばあさんだよね」 「そうよ、番頭さんが話していたあの幽霊よ」 二人は怖くてお風呂も入らず、ぶるぶるふるえながら、二人身を寄せあって朝を迎えた。睡眠不足で頭が痛い。 早々にチェックアウトしようとフロントに向かった二人の前に、昨夜の老婆が現れた。 「お二人さん、昨日はごめんなさいね」 老婆の笑顔がまぶしい。どうみても、生きている。 しかも、二人と同じようにチェックアウトの準備をしているのだ。 「幽霊がチェックアウトするわけないし、これってどういう事?」 素っ頓狂な声をあげた二人のもとに、宿のおかみさんが近づいた。 「いやですよ。お客様、こちらのおばあちゃまも同じお客様ですよ」 「ええ!!」 「勿論、幽霊なんかじゃありませんよ」 二人は仰天した。 「だって昨日、番頭のおじさんが幽霊と説明したでしょう」 二人がそう言うとおかみさんの顔色がすっと変わった。 「また出ましたか。あの番頭は幽霊好きでね。よく生前はそうやって若い女性のお客さんをからかってたんですよ」監修:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2017年10月15日 23時15分
御嶽山の死者が歩く道
これは筆者の高校時代の同級生Tくんが体験した奇妙な話である。 Tくんが中学生の頃、通っていた塾で自然の家的な施設に宿泊勉強会に行った。夜になり肝だめしをしようということになり、何チームかに分かれた。 Tくんも数名の仲間と一緒にチームを作り、山道の肝だめしコースを回ってみたが肝だめしの途中で無気味なものを目撃した。「おい、あれはなんだ!」 空中に透明な道があるかのごとく、一人の老婆がよろよろとーーー虚空を歩いているのだ。 老婆はひどく腰が曲がっているが、どこにでもいそうな外見である。「おい、あのおばあさんが見えるか」 横にいた友人たちに確認したが誰の目にも見えるという。(あれはいったいなんだったんだろうか) 不思議に思いながら、肝だめしコースを廻り終わり、宿舎に帰ってくると引率の塾の先生が肝だめしを一緒に回った友人に向かってこう言った。「君のおばあさんが亡くなった。早く家に帰ろう」 Tくんは先程目撃した老婆は、亡くなったおばあさんの霊だったのではないかと思った。
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ミステリー 2017年10月04日 22時05分
怖い話『防空壕の向こうに』
複数の雑誌に漫画の連載や執筆を行うSさんは、子供時代から不思議な体験を度々している。 映画監督になった兄と共に小人を空き地で目撃したこともあるし、まったく違う異次元のような世界にも行ったことがあるという。 子供時代、中野に住んでいた彼女は近所の防空壕が気になっていた。 「あの中に入ってみたい」 薄暗い穴の奥をのぞき見るたびにそんな気持ちを抑えきれなかった。ある時、意を決した彼女は単独で防空壕に潜入した。そして、薄暗い穴倉を通り抜けると見知らぬ街に出た。 (おかしい、自分の住んでいる中野とは違う) 本能的に恐怖感を感じた。誰もいない街角、穴をくぐっただけでたどり着いてしまった奇妙な街。 (いけない、この街にいてはいけない) 漠然とそう思った彼女は防空壕を引き返し、元の町に戻った。 「多分、あのままあの街にいたら、もとの町には帰れなかったような気がするんですよ」 彼女が防空壕という境界を越えて迷い込んだあの不思議な街は、パラレルワールドなのか、それともタイムスリップしてしまった違う時間の街なのであろうか。 時に防空壕は、異界へのトンネルとなる事があるのだ。監修:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2017年09月30日 19時00分
戦時中に起きた実話怪談『背中の声』
とあるご老人(仮に沢山さんとしておく)から話を聞いた。 沢山さんは、満州事変の頃から終戦まで闘い続けた歴戦の職業軍人で、終戦の頃は南方で戦っていた。 「わしの部隊はな、上陸してきた敵に果敢に突撃していったんだが、敵の集中砲火の前に全滅してしまった。仲間の肉片が飛び散る中でな、わしは気を失ってしまった」 沢山さんが意識を取り戻した頃には、夜になっており、周りは味方の死体でうめつくされていた。助かった、今なら逃げられる。ジャングルを越えてとなりの入江に行こう。あそこにはまだ味方がいるはずだ。沢山さんは闇に紛れ、ジャングルに逃げ込んだ。 「おーい、貴様は、日本人だろう」 蚊の鳴くような小さな声が聞こえた。一瞬身構えたが、周りには誰もいない。 「ここにいるよ。どうやら足をやられた。動けないんだ」 目を凝らしてみると、闇の中で日本兵が横たわっている。それは、戦友の高橋であった。 「おい、沢山! 自分はもう歩けない。せめて遺品だけ国の家族に持っていってくれんか」 高橋は遺品を沢山さんに預けようとした。 「何を言うんだ。貴様を背負って友軍に合流してみせる」 しかし、磁石すら持っていない彼は、ジャングルの中を何度も迷い続けた。 「おい沢山よ、さっきと同じ場所を通っているぞ、俺は背負われながら通る道筋の枝を折ってきたんだが、どうも同じ道を何度も歩いている」 背負われた高橋が指摘した。 「そうか、ありがとう。どうも自分は方向音痴でいかん、誘導してくれんか」 それから高橋が誘導を始めた。そして、ようやく5日目の朝に友軍の陣地にたどり着いたのだ。目の前の陣地には、日の丸や日本人の姿が見えた。 「やっと着いたぜ 高橋、おまえのおかげだ」 そう言うと、沢山さんは疲労の為、倒れ込み気を失ってしまった。彼が意識を取り戻したのは、それから数日後の事であった。あれっ、俺は失神していたのか、高橋はどうなったんだ。傍らにいる軍医に、訊ねた。 「軍医殿、自分が背負ってきた高橋は元気でしょうか」 軍医はその問いに一瞬答えを詰まらせた。しばし、沈黙の時間が流れた。軍医は大きく溜息をつくと、言い聞かせるように話を始めた。 「いいかい、沢山くん。落ち着いて聞き給え、高橋くんは死んだ」 軍医の言葉の意味が理解できなかった。高橋は俺が背負ってきたではないか。 「ええっ死んだって、そんな馬鹿な話がありますか」 沢山さんの動揺は続いた。足を負傷しているとはいえ、あれ程元気だった高橋が死亡したなんて、到底信じられない。陣地に着いた朝までは、確実に生きていたはずだ。なんせ彼が誘導したからこそ、ここまで到着できたのだ。 「正確に言おう。この陣地に着くはるか前に彼は死んでいた。とっくに死亡していたんだ。どう見ても、あの遺体は死後1週間は経っている。君が背負った頃には既に腐っていたはずだ」 沢山さんは、衝撃を受けた。では自分に道案内したのは死体だったというのか。 「そっ、そんな馬鹿な」 「つまり、君は遺体を背負って5日間ジャングルを徘徊していたんだ」 戦友の高橋は、死体になっていたにも関わらず彷徨う沢山さんを助けてくれたのだ。監修:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2017年09月26日 12時20分
怖い話『寮の窓』
あれはまだ、Nさんが小学校5年生の頃である。 当時、彼女は神奈川県箱根の小涌谷にある某学校に通っていた。残念ながら、今は廃校なのだが、教育に関して独特の概念のある学校で、彼女は親元を離れ、寮生活をしていたのだ。 ちなみに寮の構造は3階建てで、各階にお手洗いが設置されており、女子は3階、男子は2階に、そして各部屋20名ぐらいのグループに別れて生活していた。各部屋には植物名がついていて女子のいた3階の部屋にも「つつじ」「もみじ」という名前がつけられていたのを記憶しているという。 当時は女子の人数が少なかったため「つつじ」の部屋のみを使用し、「もみじ」の部屋は使われない無人の状態であった。しかも、「もみじ」の部屋には、一度捨てたのだが、なぜか舞い戻って来て仕方なく飾ってある""奇妙な日本人形""が置いてあり、女子の中でも、その人形は恐怖の的であった。 深夜、トイレに行ったとき、「もみじ」の部屋の右奥に人型の発光体が立っているのを何度か目撃した。小さな人型がまばゆいばかりに光っているのだ。多分あれは、かの人形であったと思っている。 だが、最も怖かったのは、あの老婆との遭遇であった。その日も深夜トイレに行きたくなった私は、トイレをすませた後、手を洗おうとした。手洗い場は窓側に設置されており、目の前には窓ガラスが見える。 その日は風もなく非常に静かな夜であった。 「…ん!!?」 ふと窓を見ると老婆が張り付いている。髪は長くボサボサ。手足は骨と皮しかないのかと思うほど細い。青白い顔をしたお婆さんが、窓にぴったりと張り付いているのだ。 「わわわっっっ…」 パニックに陥りながらも、その老婆から視線をそらさず、後ろ走りで逃げ出した。そして、一度転倒した後、そのまま全速力で走り部屋に戻った。それ以来、老婆が姿を現す事はなかったのだが、「もし…あの時視線をはずしていたら…」と思うことがあるという。監修:山口敏太郎事務所
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ミステリー 2017年09月23日 17時10分
実話怪談『赤子淵』
これはかつてRくんから聞いた彼の体験談の独白である。 うちの叔母の家の近くには、川の流れが大きく歪み地面が削れたところがある。昼でも暗く、流れのない澱んだ淵になっていて「緑が淵」と呼ばれている。水の色が緑だからその名があるのだろう。 水死体も多く流れ着く場所で、地元でも忌み嫌われていた。俗に言う魔所だ。しかし、実はこの場所にはもう一つの呼び名があり「赤子淵」という呼ばれ方を以前はしていた。 かつて飢饉の頃、間引いた赤子をこの淵から流す習慣があり、その過去の事実からの呼称らしい。そこには今も赤子たちの亡霊が出るとの事で、叔母は絶対に近寄ってはいけないと念を押していた。 ある年の夏、私と従兄弟でその赤子淵で深夜の肝試し水泳をやる事にした。その日は妙に明るい月の夜だったと記憶している。私と従兄弟は赤子淵に思いっきり飛び込んだ。 「ほうら、なんともない、亡霊なんて嘘っぱちだい」 「そうだよな!夜中の水泳って気持ちいい〜」 冷たい水は気持ちが良かった。昼間、山を駆けて火照った肌が冷たくなっていくのを実感した。 蒸し暑い夜だった事もあり、爽快な気分になった二人は、もう魔所を征服した英雄気分であった。泳ぎ疲れた私と従兄弟は岸辺にあがる事にした。 「あっ痛い」 私は右足に痛みを感じた。ちょうど小指のつけね辺りである。更に足の親指がねじ切れるような痛みが継続的に走っている。 私はゆっくりと右足を水中から引き抜くと、月明かりに右足をさらした。なんと赤ん坊が私の足の親指にかぶりついていたのだ。歯の無い口で、まるで乳首に吸い付くように赤子が足の親指に吸い付いている。 「うわーっ、なんだこいつ」 月の光りで全身がヌメヌメと光る赤子が、魚類のような目玉で私の顔を見つめた。 「赤ん坊だ、はっ早く捨てろ〜」 私と従兄弟は、赤子の口から私の足の指を引き抜くと、狂ったように逃げ出した。 それ以来、私の足の指は奇妙に変形してしまった。まさか赤子の亡者に吸われたと言っても誰も信じないだろうが。
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