ミステリー
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ミステリー 2018年04月29日 23時30分
【TVでおなじみ山口敏太郎が語る“都市伝説”】〜バラバラキューピー〜
ある夫婦が久しぶりに海外旅行に行くことになった。 2カ月の長期バカンスである。 共働きの夫婦にとって、久しぶりの休暇であった。 「あなた、久しぶりに海外に行きましょうよ」 「そうだな、羽を伸ばしたいもんな」 だが気がかりな事があった。 二人の間には生まれたばかりの赤ちゃんがいたのである。 「この子がいる限り、海外へのバカンスは無理だわ」 「そうだな、仕方ない」 「まあ、私達のかわいいキューピーさんだもん、仕方ないわ」 「そうだな、わが家のキューピー人形だ」 妻は、かわいい赤ちゃんのために休暇をあきらめる事にした。 だがその後、二人に幸運な情報が舞い込んだ。 なんと休暇中、二人の代わりに赤ちゃんの面倒を見てくれる女性がみつかったのである。 しかも保育士の資格を持っているのだ。 「この女性なら赤ちゃんの面倒をお願いできる」 「よし、たまには骨休みといこうか」 「奥さま、旦那さま、私にぜひ赤ちゃんをお任せくささい。しっかり面倒を見させていただきますわ」 この女性の理知的で、好感の持てる対応に夫婦は安心し、彼女とベビーシッターの契約をし、家の鍵を渡した。 そして、海外へ旅立っていったのである。 しかし、事態は急変する。 鍵を持っていた女性が、交通事故に遭い、他界してしまったのだ。 しかも、二人以外の人は、亡くなった女性が赤ちゃんの面倒を見ることになっていたとは聞いていなかった。 赤ちゃんの行方は誰にも知られぬことなく、2カ月が過ぎた。 2カ月後、夫婦が帰宅した。 「ただいま」 「あれ、ベビーシッターさんがいないね」 よく見ると、赤ちゃんのベットで黒いキューピー人形が横たわっている。 「あら、何かしら」 妻はそのキューピーに近づいた時に絶叫した。 ミルクがもらえず、餓死し、黒くミイラ化したわが子の死体であったのだ。(山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2018年04月28日 23時00分
【TVでおなじみ山口敏太郎が語る“都市伝説”】〜ある密室事件〜
目黒区に住むあるライターが行方不明になった。編集者の目の前で、突如消えてしまったのである。その日ライターは編集者と喫茶店で打ち合わせをした後、今日手渡す予定の原稿を取りに自分のマンションまで戻った。そして、マンションのドア前まで同行した編集者にはこう言ったのだ。「散らかっているので、少しここで待ってくれませんか。ほんの1〜2分です」「わかりました」しかし、待てど暮らせど一向にライターは出てこない。「○○さーん どうですか?原稿」ノックしても、大声で呼んでも出てこないのだ。(ひよっとして中で倒れているのではないか) と心配になり、編集者は携帯電話で救急車を呼んだ。また、編集者の大声を聞きつけた隣人が管理人を呼びに行った。そして、救急隊員3名、管理人、編集者、隣人の6名で室内に入っていった。やはり鍵は内側からかかっており管理人の鍵で開けた。 しかし、3DKのマンションには誰もいない。ほとんど家具のないこの室内で隠れるのは不可能である。(ライターはどこに消えたのであろうか?) 天井への入り口もなく、窓はあるもののベランダもない上、8階から飛び降りる事は不可能である。屋上へ逃げる事も同様であり、この状態での失踪は不可能と言えた。ただ、編集者が印象深く覚えているのは、机の上にワープロ原稿が残っており、開いた窓からの風でその原稿がひらひらと揺れていた点である。そして、その原稿にはこう書かれていたのである。「俺は成功した。空を飛ぶ事に成功したのだ」…これは果たして真実なのか、8階から本当に飛び降りたのだろうか?このライターの妄想なのだろうか。とすると編集者も共犯なのか。ライターの行方はいまもって不明であるという。(監修:山口敏太郎)
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ミステリー 2018年04月22日 23時10分
【TVでおなじみ山口敏太郎の実録“怪”事件簿】〜祈り釘の女〜
これは大正の頃、茨城で実際にあった話である。 某町2丁目の茶屋の倉橋の常さんが、友人と釣りに出かけた。 「さあて今夜は、どでかい獲物を頂こうかね」 「そうだね。常さん、大物が釣れるといいね」 そんな釣り談義を常さんが、友人と繰り広げていると、前方から女がやってくる。 「おいおい、女が出歩くには随分と遅い時間だね」 「それにしても変だな、妙だよ」 二人してよくよく眺めていると、お雀様というお宮の椎の木に来た時に、ようやく女の出で立ちが判明した。よく観察すると頭に蝋燭、口に剃刀をくわえている。これは祈り釘と言って相手を呪い殺す儀式の扮装である。 「おい、あの女、祈り釘の儀式中らしいぞ」 「見た者は殺されるらしいぜ」 常さんと友人は恐ろしくガタガタと震えだした。当時は、お雀さんの境内で深夜に密かに行われていた。今で言う呪いの藁人形である。しかも、他人に見つかった場合は効果がなくなると言われており、もし、儀式の途中や道の途中で他人に出会った場合は、剃刀で喉を引き裂き殺さないと呪いは効果がなくなると言われた。 「このままじゃいけない。早く逃げないと」 常さんと友人は、急いで椎の木の横にある池に飛び込んだ。夜なので水中は異常に寒く、我慢できるものではない。しかし、他に隠れる場所はないのだ。(頼む、早く行きすぎてくれ) 二人は水中で、ガタガタ震えながら、女があきらめるのを待っていた。 呪い釘の女が近くまでやってきた。女の方でも二人を見とがめたらしく、口に剃刀をくわえたままで、周囲をきょろきょろと探している。(いかん、見つかったら殺される) 二人は生きた心地がしなかったが、しばらくすると、女はお雀さんのお宮の方に歩いていったそうだ。 だが、それを見届けた後になっても二人は恐怖のあまり、明け方になるまで池の外まで出ることができなかったという。(監修:山口敏太郎)
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ミステリー 2018年04月21日 23時10分
【TVでおなじみ山口敏太郎の実録“怪”事件簿】〜生首の群れ〜
渋谷区に、古い西洋屋敷がある。黒と白のコントラストが美しく、まるで映画のセットのような気品ある佇(たたず)まいである。かつては上流階級の外国人一家が住んでいたと言われているが、今は誰も住んでいない。 なぜなら、一部の地元住民から「呪われた屋敷」として知られているからだという。15年ほど前、同所では一家皆殺しの惨劇があったとうわさされている(そのうち何人かは生き残ったとも言われている)。 そのためか、この地の周辺では幽霊や人魂の目撃談が相次ぎ、近所の住民から恐れられているのだ。だが表向きにその話はできないらしい。その理由は、その屋敷の現在のオーナーが超大物であるからだという。 この「ブルジョア層」の間のみでささやかれる心霊スポットに潜入を試みた者がいる。 ある夏のこと、どこからかこの屋敷のうわさを聞きつけた4人組の男女が屋敷の構内に忍び込んだ。 「本当にここで一家皆殺しがあったんだろうな」 「マジだって。俺がおじさんから聞いた話によると、犯人は家族人員の首を刃物で切り落としたらしいよ」 「きゃ〜!やめてよ。そんな話、気持ち悪い」 「ちょっと、みんなあれ、あそこに人が」 1人が指さした先には、なんと老婆が悠然と立っていたのである。ネグリジェ姿にナイトキャップを被った老婆は、眉間にしわを寄せながらつぶやいた。 「こんな夜に、人様の敷地に入り込むなんて…あなた方、なんですの?」 かなり、ご立腹のように見えた。誰もいない空き家と思っていたが、管理人がいたのだ。4人組は自分たちの軽率な行動を少し後悔した。 リーダー格のKがとりあえず、場をつくろうことになった。 「すいません。冗談半分で、こんなことをしちゃいまして…僕たち、決して悪気があってこんなことをしたわけじゃ…」 Kが下げた頭を上げると、老婆の姿が目の前から消えていた。まるで、かき消すかのようにふっ、といなくなっていたのである。 「ああっ、あのばあさん、どこに行ったんだ」「怒って出ていったのか?」 4人は口々に騒いだ。 「まさか、あの婆さん、死人じゃないだろうな」 Kが唇を真っ青にしてつぶやいた。一同に冷たい沈黙が流れた。 そのうち一番怯えていたH子が、庭に積もった落ち葉の間から一枚の古い写真を拾った。 「なんだろう。この写真、何十年も前みたい。白黒写真だわ」 5人の姿の写った古ぼけた家族写真であった。時間の止まった家族の団らん。 「おい、よく見ろよ、写真にあの婆さんが写ってるじゃないか」 「本当だ。何十年も前の写真に写っている老婆が、今も老婆のまま生きているなんてことはないよな」 なんとその写真には、あの老婆がにこやかに写っていたのである。 「あのおばあちゃんって、死人なんだ」 H子がつぶやくと、全員の顔色が変わった。もはやパニック状態に陥った4人は狂ったように出口に殺到した。でもなぜか、開かないのである。最初、簡単に入れた入り口のドアが開かない。 「どうして開かないんだ」 「誰か早く開けてよ」 4人の恐怖はピークに達した。その時、背後から人の声が聞えた。4人が怖々と振りえると、そこには先ほど見た家族写真の5人がいた。 ただ、ひとつだけ写真と違ったのは、全員が生首だけで宙に浮いていたことだった。(監修:山口敏太郎)
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ミステリー 2018年04月15日 23時10分
【TVでおなじみ山口敏太郎が語る“都市伝説”】箱の中の怪異「トミはいらんかね」
青梅では 近年まで”トミ”を売るものがいたと伝えられている。 どうやら“トミ”とは、富のようであるが、どうようにして富を売るのか不明である。兎に角、トミを買った者は、瞬く間に富豪になったとされている。ちなみに、人々はトミを売る者の名を「大崎(おおさき)」と呼んだ。これは名字でも、名前でもない。只単に「大崎」と呼ぶのだ。この「大崎」が、財産を何倍にも殖やしてくれるそうだ。 当時、青梅の某家はトミという女中を使っていた。その家の主人がある時、用事があり、沢を越えた機屋に出かけた。そして偶然、その場所で噂の「大崎」にあったという。「大崎」は小さな箱を背負った爺であった。爺は、主人に向かい、しわくちゃの顔を笑顔で崩しながらこう言った。「あんた、トミはいらんかね」「トミだって…」「ああ、トミさ、金持ちになれるぞ」主人は、これは怪しいと思い、女中のトミにひっかけ話をはぐらかした。「うちでは、トミは間に合っている(笑)」大崎は表情一つ変えずに、背負っていた箱を差し出すとこう続けた。「そうかね。このトミを買うと、今よりずっと財産がふえるんですよ」主人は強く言った。「とにかく、トミなどいらない」その後、この「大崎」は別の人にトミを売ったらしい。というのは、トミを買った人の家には深夜、怪しい火がともるのでわかるのである。山の麓から、トミを買った家まで怪しい火が点々とつながるのだ。その火は美しく、狐の嫁入りとも言われた。「今度はあの家がトミを買ったのか」連綿とつながる怪火を見ながら、人々はそう噂した。ある人が主人にこう言った。「あんたは、トミを買わなかったらしいね。賢明でしたな」「それはまた、どうしてですか」「トミを買ったある機屋は、最初は儲かったが、次第にトミが繁殖し、行き場のないトミが女中などに憑依して困ったそうだよ」その機屋は金持ちになったが、身内や使用人に突如錯乱する者や、憑き物がつく者などが頻発したと言われる。果たして、トミとは何だったのだろうか。(監修:山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2018年04月14日 23時10分
【山口敏太郎の“UMA”ファイル】今も目撃例が存在する?「黒妖犬(ブラック・ドッグ)」
黒妖犬はイギリス南部から東部の各州を中心に、イギリス全土で目撃された獣型の怪物である。 画像のように、赤く輝く目を持つ。毛に覆われ、牛ほどの大きさを誇る犬の姿をした怪物だと言われている。イギリスでは黒妖犬が最初に目撃されてから約500年間にわたり、実に数百件以上の目撃情報が存在。それは現代も続いているという。 人間の死と関連する場所に現れることが多いようだ。17世紀のデボン州で、悪名高い地主が死んだ際に埋葬した墓の周囲で目撃されたり、多くの犯罪者が処刑されたニューゲイト監獄では、400年間にわたって目撃談がささやかれ続けた。 同監獄はイギリス史上最も劣悪な監獄だったと言われる。収容された囚人に満足に食事も与えられないこともあった。飢えに苦しんだ囚人が他の囚人を殺して食べてしまうこともあったようで、その際には必ずと言っていいほど黒妖犬が現れたという。 その他にも、人気のない道や橋などの交通路での目撃情報も多い。 黒妖犬に遭遇した場合は、絶対に攻撃したり捉えたりしてはいけないという。もしこれらの行動に出ると、食い殺されたりひどい傷を負わされるのだという。 だが、危害を加えなくても、目撃しただけでその人物は近いうちに死んでしまうとも言われている。「死の予兆をもたらす怪物」だとも解釈されている。 こうした恐ろしい一面を持つ一方で、旅の途中で道に迷った少女を目的地まで送り届けたという逸話もある。時に人間の味方になってくれることもあるようだ。 アーサー・コナン・ドイルは、シャーロック・ホームズ・シリーズの長編第四作「バスカヴィル家の犬」で黒妖犬に似たモチーフを登場させているが、これは友人から黒妖犬の話を聞いたことから着想を得たものであった。 ちなみに、この黒妖犬との類似が指摘される謎の大型哺乳類は今でも目撃例がある。2016年8月にはイギリスのデボン州で黒豹にも似た巨大な生物が森の中に入っていく様子が確認されている。(監修:山口敏太郎)
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ミステリー 2018年04月08日 23時10分
【TVでおなじみ山口敏太郎の“UMA”ファイル】南極観測船「宗谷」が遭遇したUMA・南極ゴジラ
北極・南極には何か怪物がいるのではないか。この都市伝説には現実に起こったある事件が影響している。 時代は昭和33年2月13日にさかのぼる。 越冬隊11人が乗った日本の南極観測船「宗谷丸」が米国のバートン・アイランド号に曳航されながら南極海を脱出し、外洋に向かっているときのことだった。 その時、「宗谷」のブリッジでは、松本船長、航海長、機関長、航海士、操舵員たちがくつろいでおり、和やかなムードにつつまれていた。 時間にして、ちょうど午後7時頃。宗谷丸とバートアイランド号の間の水面上に、何か黒い物体が浮かび上がったのだ。 その物体と宗谷丸の距離は約300メートル。どうも動物のようである。 アザラシか?だがすこし大きすぎる。 「あそこに、何かいるぞ〜」と、松本船長は興奮しながら、指さした。皆の視線がその物体に集中した。そのうち一人が冷めたように言った。 「あれは〜先行するバートン・アイランド号が捨てたドラム缶じゃないですか」 しかし、松本船長は冷静沈着であった。 「考えてみろ!この風速7、8メートルの中で、空の缶が海面でまっすぐ立つはずがないではないか。みんな、よく見るんだ!」 ところが次の瞬間、衝撃的なことが起こる。 奴が動いたのである。 (ぐるり) その怪物がいきなり宗谷丸の方に顔を向けたのだ。 「それ見ろ、みんな!!あの巨大な顔や、大きな目玉が分からないのか!もの凄く大きい動物の顔じゃないか」 この瞬間、宗谷丸は大騒ぎとなった。全員で必死で怪物の動きを追った。当直航海士はすぐ手元の双眼鏡で、詳細に確認した。常にブリッジには双眼鏡が備えられているのだ。 一方、機関長は大急ぎで、自分の部屋へカメラを取りに行った。 だが、大急ぎで戻ったときは、もう、怪物は船の死角に入り、撮影できなかった。 怪物の特徴は、頭の長さが70〜80センチ。前から見ると牛のようにも見える。また頭の天頂部分が丸く、顔も見ようによっては猿のような感じもした。全身を覆った体毛は黒褐色で、10センチの長さ。大きな目、とがった耳。肩あたりから上を海上に出していた。 当時船首部でもうひとり、電気係の機関士も見ていた。彼の話は貴重である。 怪物の背中には、のこぎり型のひれが縦に並んでいたと証言しているのだ。 南極周辺の動物を頻繁に目にしている宗谷丸の船員が、鯨やアザラシと見間違えるとは思えない。どちらかと言うと、陸棲動物のようだったらしい。 同船に乗船していた観測隊員の生物担当・吉井博士氏が目撃談を総合し、正体が何か結論づけようとしたが、とうとう怪物の正体が何だったのかは謎に包まれたままだった。その後、怪物は”南極ゴジラ”と命名され、本家東宝のゴジラスタッフにも大いに影響を与えたと言われている。 ちなみに筆者の友人T氏が、松本船長の遺族に南極ゴジラの話を聞いたところ…松本船長は目撃事件の後の航海が大変で、この目撃事件を忘れていたという。 だが日本では宗谷丸からの外電により、”宗谷丸、怪物に遭遇す”は大きな話題となっていた。そして、松本船長は、帰国時の記者会見で怪物遭遇事件について質問され、やっと南極ゴジラのことを思い出したという。(監修:山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2018年04月07日 23時00分
【TVでおなじみ山口敏太郎の実録“怪”事件簿】〜俺がもう一人いる〜
今年50代に突入するSさんは、運転手になって30年が経つ。筋肉隆々のたくましい腕、日焼けした顔は、まさしくベテランドライバーの風貌だ。「まあ、そうさな〜。車の運転なら、誰にも負けねえよ」とうそぶくSさんは、若い運転手に交じり、東京〜大阪間を3日に1回往復する生活を続ける。運転席はゴージャスな飾りや、各地で買った土産物で埋め尽くされている。「まあ、俺はまだまだ現役だし、プロだもんな〜。最近車、転がし始めた若いもんにはまだ負けるわけにはいかねえな〜」自分の腕だけで生きてきた職人の自信は、Sさんを現実主義者にしていた。当然、幽霊は一切信じない。怪談話を口にする人間のことは馬鹿にしていた。同時に、自動車という「科学の結晶」に勝るものなどこの世の中にはないと思っていたのだ。「ばかばかしいと思ってさ。そりゃそうさ、俺は幽霊なんかいないと思ってたんだし…あんなものを見るまではさ」Sさんは、はにかむように鼻の頭を掻くと、奇妙な話を語り始めた。まだ、世の中が「昭和」と言われていた頃の出来事である。その日、Sさんは東京の某倉庫を、真夜中に出発した。「ちくしょー、俺だけ何でこんなに積み込みに時間がかかるんだい。これじゃ間に合わねえよ。どうしてくれるんだ」バックミラーで、シャッターを卸すフォークマンを見ながら、Sさんは荒々しくハンドルをさばいた。その日は運の悪いことに、Sさんが積み込む荷物の出荷に時間がかかり、いつもと比べて1時間遅い出発となっていたのだ。(このままじゃ、明日の朝に間に合わない。不眠不休で走るか)Sさんはかなり焦っていた。大阪に着くべき時間は朝5時である。このままでは間に合わない。Sさんの車が到着しないと建築現場の工事が進まないのだ。まして職人たちは、遅れがちな工事の進行を取り戻すために、早出して現場に詰める予定だと聞いた。(何とか間に合わせないと)職人気質のSさんは、缶コーヒーをがぶ飲みしながら、車を走らせた。真夜中の高速道路を、車を斜めにしながらハイスピードで駆け抜けていく当然、車のスピードはぐんぐん上がり、大型トラックとは思えない素早さで走り抜けた。先行車をどんどん追い抜いていくうちに、Sさんの心に慢心が芽生えた。(ふふっ、やっぱりな。おれはまだまだ誰にも負けない)負けず嫌いのSさんは、いつしか得意になってハンドルをさばき始めていた。そのとき、Sさんはある車に気付いた。(あの車は、さっきから何度抜いても抜き返してくるようだ。全く生意気な奴だ。ちょっといたぶってやろうか!)Sさんがよく観察すると、自分と同じ車種であった。しかも、塗装に社名、そしてボデイにいたずらで貼ったステッカーも一緒という始末。(誰なんだ、誰が運転してるんだ。おっ、おかしいぞ。あんな車、見たことないぞ。うちの会社にもう一台あったのか)不思議に思いながらSさんは、その車を追い越した。しかし、また5分もたたないうちに追い越されてしまう。そんな応酬を何度か繰り返した。(この野郎、あくまで俺と競争するつもりだな)再び熱くなったSさんは、追い抜きざまに相手のナンバーを確認した。(なんだって。ありゃ、俺のナンバーと一緒じゃねえか、そっ、、そんな、ばっ、ばかな。偽造ナンバーか?)Sさんは、混乱し、いつしかハンドルを持つ手は汗ばんでいた。(運転手の顔を見てやれ。ええっ、誰なんだ)相手の車がSさんの隣に並んだすきに、Sさんは相手のドライバーの顔を確認した。(……俺だ、俺がもうひとりいる)何とその顔はSさんの顔だったのである。しかも、頭部がざっくりと割れ、血と脳みそがあふれ出している。唖然とするSさんを後目に、そのもう一台のトラックとSさんの「分身」はゆっくりと半透明になり、夜の闇に消えていった。(あれは、事故で死ぬ自分への警告だったのだろうか)Sさんはそう反省した。その日以来Sさんは、安全運転を第一に心がけるドライバーに変わった。(監修:山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2018年04月01日 23時00分
【TVでおなじみ山口敏太郎の実録“怪”事件簿】心理テスト〜こんな噂を聞いた
−猟奇事件の犯人を取り調べる場合、警察は必ず犯人の精神分析を行う。その分析には、ある形式の心理テストが使用されるらしい。つまり、このテストを通して、犯人の”深層心理”に迫るというわけだ。あの有名な宮崎勤も、、、、酒鬼薔薇も、、、、、このテストを受けたと言われている。…と言っても、ありきたりなテストである。いくつかの問いに、順番に答えていくものである。たいがいの人間は、同じような回答をするという。だが…ある問題に対して、宮崎勤と酒鬼薔薇の回答が一致した。日本国民の大部分が、一致した回答を出す問題であったのに…。この2人だけ同じ回答をしたと言われている。その問題とは…。ある町にたいそう仲の良い親子が住んでいた。夫婦2人に子供が2人いる家庭であり、いつも幸せそうに暮らしていたという。しかし、突然不幸は襲ってくる。夫が、他界してしまったのだ。絶望の中、妻は涙を流しながらも、葬儀を執り行った。だが、その葬儀中に妻は、参列していた見知らぬ男に一目惚れしてしまった。寝ても覚めても、その男の顔が浮かんできてしまう。妻は見知らぬ男に恋をしてしまったのだ。「お父さんが死んだばかりだというのに、不謹慎だ」子供達は母親を批判した。その後、妻は…子供たちを殺してしまった。では問題です。なぜ妻は子供たちを殺してしまったのでしょうか?この問題に、普通の国民は「子供が邪魔になったから」「子供のせいで再婚できなくなるから」と答えるだろう。だが、宮崎勤と酒鬼薔薇は違ったという。彼らの答えは葬式になれば、またあの男に逢えるから…
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ミステリー 2018年03月31日 23時30分
【TVでおなじみ山口敏太郎が語る“都市伝説”】〜ボール男〜
この話はアンダーグラウンド系のライターCさんに聞いた。 薄暗い飲み屋でCさんは、得意げにこの話を切り出した。 「中国には”ボール男”という、ボールの中に入る男がいるらしいよ。そうそう、ボール。こいつはさ、サッカーボールやバスケットボールの中に身を隠せるらしい」 「何のために、身を隠すのですか?」 「そりゃ殺しですよ」 「殺しですか、ボール男が殺し屋なんですか」 私は思わず、すっとんきょうな声を上げた。「ボール男」という愛すべきキャラクターと「殺し屋」のイメージがかけ離れていたからである。 「だから、ボール中に潜み、ターゲットの室内に潜入し、ターゲットを暗殺するわけだ。つまり、ボール男は世界で一番小さな暗殺者ってわけ」 「なるほど」 「トランク男、箱男とも言うね。ボール以外にも入れるからさ」 私は想像した。あるターゲットに、ボールが贈られてくる。あるいは、ターゲットの部屋にトランクが届けられる。 「おや、バスケットボールか!だれかのプレゼントか」 「何だって。明日の打ち合わせまで、このトランクを預かってくれだって!!」 そう思うのが普通である。誰がその中に、暗殺者が潜んでいると思うであろうか。 たいがいのターゲットが油断して、室内に入れてしまう。それが死への序曲なのだ。そして、ターゲットが寝静まると… ボール男はゆっくりとボールの中から出てくるのだ。 ボール男がターゲットを始末すると、再びトランクやボールの中に潜む。 翌日、内部の協力者により、死体発見のどさくさに運び出されるという。 これにより完璧な密室殺人が完成する。 「このボール男って何者なんです?」 「噂じゃ、このボール男は、専門業者が育成しているらしいよ。いや、製造されているといった方が正確かも」 Uさんの話のよると「製造」の方法はこうだ。まず、比較的小柄な子供をさらってくる。 1〜3才の子供がいいと言われている。その子供を陶器に入れて育てる。 手足を出し、体は丁度陶器に収まる感じである。 このまま子供は育成され、暗殺者のボール男として、殺人技を教え込まれるという。 そして、2、3回陶器を取り替えれば、ボール男の誕生なのである。(監修:山口敏太郎事務所)
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