ミステリー
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ミステリー 2020年06月06日 23時00分
あなたが思う「本能寺の変」の理由・説は? 京都福知山市「本能寺の変 原因説総選挙」2日に結果発表
今年の大河ドラマは主人公に明智光秀を据えた「麒麟がくる」。流行中の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、収録を見合わせているため、6月7日を以って、一時的に放送休止になっている。 光秀と言えば、避けて通れないのが「本能寺の変」。天正10年(1582年)6月2日早朝に、京都の本能寺に滞在していた織田信長を、家臣であった光秀が襲撃した歴史的事件である。だが、本能寺の変を起こした理由が不透明であったり、かなり急いで行われたように思えること、謀反を起こした後の光秀がどのように動こうとしていたのかが解らないこと等から、長い戦国時代の中でも有名な事件ながら、非常に謎の多い事件としても知られている。 >>信長の首塚が静岡県・西山本門寺にある?<< 実際、光秀が動機を明らかにしている資料も存在せず、彼の家臣も討たれており、関連する資料もおそらく隠蔽または処分されてしまったと思われているため、現状では動機を探る事が非常に難しい。そのため、「実は本能寺の変には黒幕がいたのではないか」「明智光秀が本能寺の変を起こした理由は別のところにあるのではないか」等の異説が多く上がっているのだ。 本リアルライブでも過去に、「長宗我部黒幕説」等を紹介したが、原因や黒幕を上げる異説は実に数十はあるという。そこで、光秀にゆかりのある京都府福知山市と福知山光秀プロジェクト推進協議会が、本能寺の変が起きた原因として有名な説を50挙げ、「みなさんがこうだと思う『本能寺の変』が起きた理由」を総選挙するという「本能寺の変 原因説総選挙」を5月にネット上で行った。 6月2日に発表された結果は、1位が「暴君討伐説(信長非道説)」、2位に「秀吉黒幕説」、3位が「怨恨説」。「暴君討伐説(信長非道説)」は、光秀が信長の残虐な行為を許せず、正義のために討ったとする説で、投票者からは「私利私欲のためだけで謀反を起こしたのではないのでは」等の意見が寄せられていたという。 今回の投票は、日本全国から海外まで実に3万5000票以上が集まった。投票者の9割は抽選で当たる「本能寺の変お知らせハガキ」にも申し込んでおり、倍率は240倍以上になったとか。この「本能寺の変お知らせハガキ」は、Twitter上で作成されたネタ画像を正式にパロディグッズとして採用したもの。実際の届出ハガキのように圧着ハガキとして作成されており、細部まで拘った仕上がりになっているので一見の価値がある。 投票結果などの詳細情報は、福知山光秀ミュージアム公式サイトの専用ページで確認できるので、興味のある人は見てみてはいかがだろうか。(山口敏太郎)関連URL「本能寺の変 原因説50 総選挙」#HNG50 ~おうちで光秀ミュージアム~【投票は終了しました】https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/site/mitsuhidemuseum/hng50.html
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ミステリー 2020年05月31日 23時00分
新型コロナのパンデミックで、「お化けを見る」人が増えている?
25日に新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が解除され、休業要請も段階的に緩和される運びとなった。次第に町に人が戻って来ているが、経済的な影響は非常に大きく、今まで通りの生活に戻るまでは、まだまだ課題も大きいと言われている。 新型コロナウイルス感染症の拡大による都市封鎖や外出自粛要請は、世界的に行われていることだが、出勤する代わりにテレワークしたり、休業している人々から、「家にお化けが出る」という報告が相次いでいる、とカナダのメディアであるCBCが報じた。 >>新型コロナウイルス感染症は聖書の黙示録で予言されていた!?<< 例えば、ニューヨーク・タイムズでは、2019年には月に数件あればいい方だった心霊・超常現象に関する読者からの投書が、新型コロナウイルス感染症での都市封鎖が増えてから、実に倍以上になっているとのこと。「家の扉がひとりでに動いた」「物がガタガタと音をたてて動いた」等の異変が家の中で起きているというものが多いという。いったいなぜ、心霊現象の報告が増えたのだろうか。実は、仕事などで家を空けている間に、超常現象が起きていたのだろうか。 しかし、海外の超常現象研究家であり、人気心霊番組のホストであるジョンE.L.テニー氏は、これらの報告のほとんどは心霊現象と関係はないものだろう、と解釈している。例えば、ドアや窓が開閉するのは、単に風や振動の可能性があるし、窓のサッシが太陽の日差しで暖められ、ラップ音のような音をたてる事もある。うめき声のような音は、どこからか吹き込んできたすきま風によるものである可能性も考えられるとして、「新型コロナウイルス感染症の関係で家にいる時間が長くなったこと、また過度な警戒心や不安、緊張状態が続いていることも関係しているのではないか」とテニー氏は語る。 なお、霊体験だけでなく、UFOの目撃例なども増えているそうだ。これは家にいる時間が増え、自由にできる時間が増したことで、「空を見る」時間が相対的に増えたことと関係しているとみられている。 テニー氏は「超常現象の報告が増えた事は過去にもありました。1999年、2000年問題の前年や、9.11テロの発生した2001年などです。いずれも社会的な変化などから、不安を抱いたり過敏になった人は不思議なものを見たり体験してしまう傾向にあるようです。それは、その人がおかしくなったという訳ではなく、不安が投影されたにすぎません。我々は我々にお化けを見せる『不安』をよく知り、付き合っていく必要があるでしょう」と、CBCラジオのインタビューにて答えた。(山口敏太郎)参考記事Haunted house reports on the rise during pandemic, says paranormal researcherhttps://www.cbc.ca/radio/asithappens/as-it-happens-the-friday-edition-1.5571716/haunted-house-reports-on-the-rise-during-pandemic-says-paranormal-researcher-1.5571882
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ミステリー 2020年05月30日 23時00分
古代中国で発明された、地震を感知する不思議な機械「候風地動儀」
現在は比較的収まっているものの、5月半ばまでは震度3、4の地震が日本各地で起きており、どこかで大きな地震が起きるのではないか、新型コロナウイルス感染症が広まっている現在、災害の避難と感染予防は両立できるのかなど、様々な議論が起きていた。そこから地震を予知する方法などが注目を集めたりもした。 先日の記事では江戸時代の人が考案した「地震予知機」と「地震預防説」を紹介した。この「地震予知機」は「地震が起こる直前に磁石が弱くなる」という現象が発生したことから考案されたもの。鉄針が磁石から離れると重りが落下、その動きに連動して上方にある鈴が鳴って地震が起きることを知らせる、という構造だった。 「仕掛けが落ちることで地震を知らせる」機械は古代中国でも発明されていた。 >>地震が起きるのを予知したい!江戸時代の「地震予知機」と「地震預防説」 << 132年、後漢の科学者である張衡は世界初の地震感知器こと「候風地動儀」を発明したという。この地動儀は500キロメートル離れた地点の地震を感知することができたそうで、八匹の龍が八方向を向いた形になっている。龍はそれぞれ口に玉をくわえており、中国のどこかで地震が起きると、その震動を受けて同じ方角を向いている龍が口の玉を落とす仕掛けになっていたという。 ある日、設置場所から見て西北方向の地震を地動儀が感知したが、人々は少しの揺れも感じない時があった。人々は地動儀が誤った結果を出したのではと疑ったが、数日後に甘粛省(中国の西方、新疆ウイグル自治区に隣接する地方)に地震が起きたという急使がきて、地動儀が正確だということが明らかになったという。 これは古代の記録であるため、どこまで正確だったのかは分からない。現代では文献から再現された候風地動儀の模型が中国の博物館に展示されている。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年05月24日 23時00分
地震が起きるのを予知したい!江戸時代の「地震予知機」と「地震預防説」
ここ数日にわたって、震度3〜4の地震が日本各地で起きている。 先日リアルライブでも紹介させていただいた、「5月11日に地震が起きる」という予言にも近かったため、未だに様々な憶測を呼んでいるようだ。 >>絶対にずれない電波時計がずれた!?「5月11日に地震が起きる」予言と電波時計<< さて、先日は「電波時計のズレや故障は地震が起きる予兆」とする説を取り上げた。確かに地震の前には異常な電磁波が伝播する事が発生するため、その影響を受けて誤作動を起こすことは考えられなくはないという。しかし、あくまで可能性の問題であり、今のところ確かな因果関係があると言える結論は出ておらず、今後も調査・研究を重ねる必要があると見られている。 ちなみに地震大国である日本では、昔から様々な地震予知の研究もされてきていた。特に江戸時代には幾度も直下型の地震が起きたため、なんとかして予知できないものかと考えられるようになったのだ。 中でも被害が大きかったものが安政の大地震で、夜間に江戸を襲った直下型地震だったため、地震と同時に起きた火災で多くの被害が出たとされている。 この地震の直前、浅草茅町の「大すみ」という眼鏡屋で、店先に展示してあった磁石に着いていた釘が落下。その二時間後に震災が起きたという報告があり、磁力と地震に何らかの関係があるのではないかと考えられるようになった。 そこで、磁石と目覚まし時計を組み合わせて作成されたものが「地震予知機」だ。仕組みは簡単なもので、地震が起こる直前に磁石が弱くなる現象を利用し、鉄針が磁石から離れると重りが落下。その動きに連動して上方にある鈴が鳴る構造になっている。これを兵学者・佐久間象山が改良したものが長野の象山記念館に現存しており、他にも国内にいくつか存在しているそうだ。骨董品の鑑定で有名な番組の「開運なんでも鑑定団」でも2回ほど登場しており、いずれも非常に貴重なものという鑑定結果が下されている。 また、幕府も蘭学者の宇田川興斎に命じて蘭書を翻訳した『地震預防説』を刊行。これによると「地震は地下に鬱伏せる電気より発するものにして、夫(か)の大気の時令節を失い、雷電空中に起ると一般の理なり」とあるため、地中深く銅製の柱を埋め込み、「越列幾的児(エレキテル)」を空中に放出することで、地震の発生を防ごうとした。これは日本初の地震予防策であるとされている。 目に見えない電気や地磁気と地震の関係性に着目していたのは、江戸時代からだったのだ。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年05月23日 23時00分
米軍が認め公開に踏み切った!?UFO動画とハリー・リード元上院議員
4月27日、米国防総省は海軍機パイロットが撮影した「UFO」を捉えたとされている映像3本の公開に踏み切った。この動画は2017年12月に米国防総省が発表した、秘密裏に行っていたUFOに関する調査「高度航空宇宙脅威識別プログラム(Advanced Aerospace Threat Identification Program、AATIP)」のきっかけとなった、2004年に空母ニミッツのパイロットが撮影したUFO映像を含むもの。この動画は2017年に流出、UFO研究家やメディアが発信したことがきっかけで公になった。米軍も動画とそれに基づくUFO調査を行ったことを認めていたが、流出した動画はあくまでその一部であり、「過去に流出した映像の真偽や、映像に続きがあるのかなどの臆測を取り除くため」に国防総省が保有するオリジナルの公開に至ったと発表している。 >>宇宙人はテレビの中にいた?プレアデス星人と接触していた男、ビリー・マイヤー<< この国を挙げてのUFO研究である「高度航空宇宙脅威識別プログラム」を行うよう推し進めたとされている人物の一人が、ハリー・リード元上院議員だ。彼は1982年に民主党の連邦下院議員となり、その後上院議員に転じ、2017年に任期を満了し引退している。今でも政治活動に参加することもあり、在任時から引退した現在でもなお、彼が懸念事項として政府に対策を講じるよう熱心に主張していた案件の一つが、UFO関連の問題だ。事実、前述のAATIPは2007年に発足し、数年にわたって国家の機密プロジェクトとして調査が行われるようになる。 リード氏自身は、宇宙人の存在については「よくわからない」としているが、UFOの存在に関しては強い関心を持っていた。彼は今回の動画の公開について、「国防総省がこの映像をようやく一般公開したことはうれしいが、それは表面的なものの一部にすぎない。米国はこの未確認飛行物体と我が国の潜在的な国家安全保障への影響について、真剣に科学的な見方をする必要があるものだ」と述べており、過去には「米国政府が持っているUFO情報から、我々はより多くのUFOに関する研究を行う必要があると考えている」とも語っている。 先日、米国防総省はこの動画だけでなく、UFOを目撃した米軍パイロットらの詳細な証言も情報公開した。彼らの証言では「大きさは小さくドローンかミサイル程度」「飛ぶ原理や目的が不明」という点が上がっており、むしろ米軍は「軍が確認していない謎の新兵器である可能性」を重きにおいて研究していたらしい背景が窺えるものとなっている。 リード氏がUFOを「国家の重要な案件」であるとして調査研究を行うべきと見たのも、国防面からの懸念から来る指摘だったのかもしれない。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年05月17日 23時00分
絶対にずれない電波時計がずれた!?「5月11日に地震が起きる」予言と電波時計
先日、「5月11日に日本を大きな地震が襲う」という予言がネット上を騒がせた。 この予言は、通称「エコノミスト誌の予言」と言われるもので、世界有数の政治経済誌であるエコノミスト誌の年末恒例特集号「世界はこうなる(The World in ○◯(来年の年号)」の表紙には、何らかのメッセージが含まれているという都市伝説を下敷きにしている。「5月11日に日本で地震が起きる」という噂は、2014年末に発売された「2015年世界はこうなる」の表紙に「11.5」「11.3」と数字が書かれた矢が2本描かれていた事から来ている。欧米では日にちを「日、月」の順で表記するため、「11.3」と書かれた矢は3月11日に発生した東日本大震災を指し、そこから「11.5」は「5月11日に同じくらいの規模の地震が起きる」ことを意味しているのではないかと言われたのだ。 この予言は2015年以降、毎年5月11日が近づく頃になると、ネットを騒がせるものなのだが、今年は実際に11日朝に茨城県沖を震源とする地震が発生、北関東に緊急地震速報が出る事態となり、すわ予言が当たったのか、もっと大きな本震が襲ってくるのではと話題になった。 また、11日に本当に地震が起きるかもしれない、と多くの人に思わせた現象として、「前日の5月10日、多数の家庭で電波時計が狂ったという報告が上がった」という点も外せないだろう。 毎日基準になる電波を受信し、時刻を自動修正することで、ずれない時計のはずなのだが、正確な日時を表示しなかったり、急に時計の針がぐるぐる回り出した、止まってしまったなどの情報が相次いだのだ。 地震予知の中で、大きな地震が起きる時には電波時計が止まる、という予兆現象が確かに報告されている。また、そこから電波時計を用いて地震予知を行えないか研究している人もいるようだ。 しかし、今のところ明確な因果関係は確認できておらず、また今年の2020年はうるう年のため、2月29日以降日付が1日ずれるエラーが起きる機種が出てくると、標準電波を送っている情報通信研究機構も説明している。このことから、5月11日の地震騒動は「もともとずれる可能性が多い年だった」ことと、「日時のずれが発生したのがたまたま地震が来ると噂になっていた日時に近かった」ことの二点が合わさって、騒動になってしまったのではないかと考えられる。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年05月16日 23時00分
「5月11日に地震が起きる」予言の背景にある「エコノミスト誌の予言」
先日、「5月11日に日本を大きな地震が襲う」という予言がネット上を騒がせた。実際に、11日朝には茨城県沖を震源とする地震が発生、北関東に緊急地震速報が出る事態ともなり、すわ予言が当たったのかと話題になった。 そんな「5月11日に地震が起きる」という予言は、果たしてどこから来たものなのか。それにはある経済誌が関係している。 俗に「エコノミスト誌の予言」と言われるもので、イギリスの週刊新聞紙「エコノミスト」誌は世界有数の政治経済誌の一つ。年末には、翌年の世界情勢について論じる「世界はこうなる(The World in ○◯(来年の年号)」という特集誌が発行されるのだが、その表紙が毎回かなり凝ったデザインであり、必ず何らかのメッセージを含んでいると言われているのだ。現在は「2019年世界はこうなる」の表紙が、新型コロナウイルス感染症の蔓延を予言していたのではないか、などと注目されている。 今回の地震の予言で注目されているのは、数年前「2015年世界はこうなる」の表紙のもの。写真や絵のコラージュで、世界中の政治家が青空の下に集っているのだが、背景にはキノコ雲が上がっていたりなど、不穏なモチーフも含まれている。 そんな表紙の右隅には、政治家たちを見上げる「不思議の国のアリス」のアリスの姿が描かれている(テニエルによる挿絵の、樹上のチェシャ猫を見上げるアリスの絵を左右反転したもの)。このアリスの足元に「11.5」「11.3」と数字が書かれた矢が2本刺さっている。欧米では日にちを「日、月」の順で表記するため、「11.3」と書かれた矢は3月11日に発生した東日本大震災を指し、そこから「11.5」は「5月11日に同じくらいの規模の地震が起きる」ことを意味しているのではないかと言われているのだ。この表紙の左下には歪んだ地球儀があり、そこに描かれた日本は東海地方から関西にかけて欠落しているものであったため、東海地震や南海トラフ地震を予言しているのだ……というものだった。 しかし、前述の通り、この予言は「2015年世界はこうなる」の表紙だ。つまり、この表紙のエコノミスト誌が発売されてから、毎年のように「5月11日に地震が起きる」と言われ続けている予言なのだ。 そもそも日本は地震が多い国であり、震度3以上の地震も数日に一度は日本のどこかで起きているものだ。日々の地震や災害に対する備えを怠らないようにするのは当然としても、不確かな予言に惑わされないよう心構えをしておきたいものである。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年05月09日 23時00分
良い香りで邪気を祓う 端午の節句の「菖蒲」
5月5日は端午の節句。日本ではこどもの日とされ、祝日の一つとなっている。 元々は中国で病気や災厄除けを祈願する行事だったものが日本に伝わり、厄除けの菖蒲を飾ったり、ヨモギなどの薬草を摘み、病気や禍をもたらす悪鬼を退治する行事となって定着していった。その後、武家が力を持つようになると、菖蒲が「武を尊ぶ」という意味の「尚武(しょうぶ)」という言葉と結び付けられ、江戸時代に男の子の成長を願う行事へと姿を変えていくことになる。 そもそも旧暦の5月は梅雨の時期であり、カビが生えやすく体調も崩しやすい時期であった。当時の人々は、病気や災害などはそれをもたらす悪鬼によるものと考えていたため、それを祓う別の行事も存在していた。いわゆる「さつき忌み」と言うもので、田植え前に身を清めた女性が菖蒲やヨモギで屋根をふいた小屋にこもり、中で神を迎えるというものだった。宮中行事である端午の節会でも、香りの強い菖蒲を身に付けたり、菖蒲を丸く固めたものを飾っていた。 さて、菖蒲やヨモギが用いられた理由の一つに、その強い香りがある。西洋のニンニクしかり、昔から強い香りを放つものは邪気を祓ったり清めたりすると考えられていた。特に清涼感のある良い香りを放ち、また武家の台頭する時代には真っ直ぐ伸びる葉が刀と似ているとされたことから、邪気祓いに用いられるようになった。菖蒲の根を細かく刻んで入れる菖蒲酒を飲んだり、室町時代には風呂に入れて楽しむ菖蒲湯の習慣も生まれるようになった。 ちなみに、菖蒲と言うと、美しい紫色の花を咲かせるハナショウブと混同しがちだが、邪気払いに用いられる菖蒲はまた別物である。葉の形状は似ているが、一番の特徴は花の形だ。菖蒲の花は緑色で円柱状の肉穂花序(にくすいかじょ)となっており、葉の途中から5センチ程度の穂が生えたような形になっている。 目立つ花が咲くわけではないので、アヤメやハナショウブと違って自然界で見つけるのは大変かもしれないが、探してみてはいかがだろうか。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年05月03日 23時00分
こどもの日に登場 病気を除けてくれる存在「鍾馗さま」
5月5日は端午の節句。日本ではこどもの日とされ、祝日の一つとなっている。 元々は中国で病気や災厄除けを祈願する行事だったものが、日本に伝わり、厄除けの菖蒲を飾ったり、よもぎなどの薬草を摘み、病気や災いをもたらす悪鬼を退治する行事となって定着していった。その後、武家が力を持つようになると、菖蒲が「武を尊ぶ」という意味の「尚武(しょうぶ)」という言葉と結び付けられ、江戸時代に男の子の成長を願う行事へと姿を変えていくことになる。 そんなこどもの日には様々なものが飾られる。鎧兜の五月人形、空を泳ぐ鯉のぼり、そして「鍾馗さま」だ。鍾馗さまを端午の節句の飾りとして飾る習慣は、関東地方が中心である。鍾馗は長く、大きく広がる黒いひげを蓄え、大きく目をむいて刀を携えた姿をしている。格好は日本の着物ではなく、中国の官人の服を着ている。中国の神仙の一人とされる人物なのだ。 鍾馗の伝説については諸説あるが、彼はもともと中国の唐の時代に実在した人物だったという。昔、唐の玄宗皇帝がマラリアで高熱を出して臥せってしまった。熱にうなされる皇帝は夢の中で、宮廷内で悪さをする子鬼たちが一人の大男に退治されていく様子を見る。皇帝が大男に正体を尋ねたところ、自分は終南県出身の鍾馗という人物であり、科挙に落第した事を恥じて自殺したが、高祖皇帝が自分の境遇を哀れんで手厚く葬ってくれたので、恩に報いるためにやって来たと答えたのである。そして、夢から覚めた皇帝は病気が治っている事に気づき、鍾馗の姿を邪気や病気の悪鬼除けとして飾るようになったという。 その後、鍾馗の伝説は日本へ伝わった。平安時代の絵巻に登場していることから、当時から既に病気除けとして信仰されていた様子が窺える。そして、江戸時代末期には関東を中心に五月人形の一つとして飾るようになったり、近畿地方では魔除けのために鍾馗像を屋根に置くようになったという。 現在、日本でも新型コロナウイルス感染症の流行が猛威を振るっており、こどもの日も緊急事態宣言の期間の中にある。だが、こんな時期だからこそ端午の節句に鍾馗さまを飾り、疫病退散を願ってみてはいかがだろうか。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年05月02日 23時00分
まるで怪獣!?病気や災いを食らう巨大な虫「辟邪絵」の「神虫」
世界中で新型コロナウイルス肺炎が猛威を振るっている現在、感染防止対策として都市封鎖や外出自粛の要請が相次いでいる。しかし同時に、経済活動の停滞から社会不安も増大している。 コロナ禍のさなかに日本のTwitterを中心に広まった「アマビエ」ブームも、そんな不安を解消するためのものだったのだろう。「アマビエ」は江戸時代に肥後の国の海に出現し、6年間豊作が続いた後に疫病が蔓延することを予言。「似姿を描いた絵を飾るように」と告げて去ったという妖怪で、終わりの見えない新型コロナウイルス感染症が広がるにつれて、改めて注目されるようになった。 病気は病原菌やウイルスが原因と判明している現代でも、特効薬の存在しない病気は恐ろしいものである。ましてや、病原菌やウイルスの存在を知らなかった昔の人の抱いていた恐怖感は相当なものがあっただろう。そこで、洋の東西を問わず病気は、悪魔や悪神などが人々に悪さをすることによって起きるものだと考えられていた。よって、病気を司る悪魔や悪神らは病気を恐れる人々の心理を投影したかのように、恐ろしげな姿で描かれる事が多い。 だが、そんな病気の悪魔や悪神を退治してくれる存在は、並みの悪魔や鬼よりもずっと恐ろしげな姿で描かれる事がままある。以前紹介した「天刑星」もそうだが、今回紹介する「神虫」もそうだ。人間よりはるかに大きく、色の黒いカミキリ虫のように見える虫が、8本ある足で病気の鬼たちを捕まえ、大あごで貪り食う様子が描かれている。その迫力は現代の怪獣のようだ。 実に恐ろしい姿をしているが、この虫も「災厄や疫病を退散させる」聖なる存在であり、須彌山(しゅみせん)の南方の海にある大陸の瞻部州(仏教の世界観で人間が住むとされる大陸)の南の山中に生息していて、朝に三千、夕には三百の悪鬼を貪り食うという。 この絵は「天刑星」と同じく、奈良国立博物館所蔵の国宝となっている「地獄草紙益田家乙本」の中に存在する「辟邪絵」の一つ。「神虫」は中国で蚕の美称だそうだが、神虫が恐ろしい姿で描かれているのは、人々を不安に陥れる病気や災いを何としても食い止めて欲しい、という当時の人々の思いが込められたものだったからなのかもしれない。(山口敏太郎)
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