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甲子園で東海大四高の西嶋投手が投げた超スローボールで論争 どう思う?

 今夏の「第96回全国高校野球選手権大会」において、南北海道代表で出場した東海大四の西嶋亮太投手(3年)が超スローボールを投げたことで、外野では大論争が巻き起こった。

 東海大四は8月14日の1回戦で、九州の強豪校・九州国際大付属(福岡)と対戦。西嶋投手は推定50キロ台といわれる超スローボールを織り交ぜ、強打の同校から12三振を奪い、5安打1失点に封じて完投勝ち(6-1)。

 この投球を見た元フジテレビ、WOWOWのスポーツ実況アナウンサーの岩佐徹氏が同日、自身のツイッターで、「東海大四のピッチャーのスローカーブ…。ダメとは言わないが、少なくとも、投球術とは呼びたくない。意地でも。こういうことやってると、世の中をなめた少年になって行きそうな気がするが。ハハハ」とつぶやいた。

 これを受けて、岩佐氏のツイッターは大炎上。翌15日、岩佐氏はたまらず、「言葉が足りない部分と、逆に余計な部分がありました。西嶋投手とその関係者の目には触れていないと思いますが、不快な思いをさせたことお詫びします。ごめんなさい」として、当該ツイートを削除するに至った。

 球界でも、「スローボール論争」が起こることとなり、メジャーリーガーのダルビッシュ有投手(レンジャーズ)は「スローボールかスローカーブかが、投球術ではないという話があると聞きました。自分としては一番難しい球だと思ってます。言ってる人はピッチャーやったことないんだろうなと思います」「大体賛否あることがおかしい。ボールを切って投げてるわけじゃあるまいし。どんなボールを投げたっていいでしょう」などと持論を展開。

 スローボールの使い手である“ハマの番長”三浦大輔投手(横浜DeNA)は、「西嶋君のボールは何もルール違反しているボールじゃない。(スローボールは)技術のいるボールなんです。ストライクじゃなければ打者が見逃せばいい話で、そこはバッターの自由なのでね。ああいうボールも、ひとつの野球の魅力、高校野球の魅力じゃないですか」とコメントしている。

 当事者の西嶋投手は「自分の投球スタイルで、勝つためにやっている。(論争は)気にしていない」と話した。

 西嶋投手は身長168センチ、体重59キロと、投手としては小柄で、直球の最速は140キロにも届かない。それを補うために編み出したのが、超スローボールだ。

 残念ながら、東海大四は19日の2回戦で、山形中央(山形)に延長10回、0-2で敗れた。しかし、西嶋投手はスローボールを駆使し、10回を完投して、8三振を奪い、6安打2失点に抑える好投を見せた。

 そこで、「Yahoo!ニュース」では、「甲子園で投じられた超スローボール、どう思う?」との意識調査を、8月16日〜26日に実施。実に25万7836票(男性=82.1%、女性=17.9%)に及ぶ回答があった。

 その結果は、「肯定派」が21万4929票(83.4%)と圧倒的で、「否定派」は2万8080票(10.9%)にすぎず、「分からない/どちらでもない」は1万4827票(5.7%)だった。

 寄せられた意見の多くは、「ルールに抵触しているわけではなく、何の問題があるのか分からない」といった趣旨のもの。野球経験者からは「スローボールを投げるのは、野球を本格的にやったことのある人なら、とても難しいことが分かります」との意見もあった。

 高校野球のみならず、プロ野球でも、すべての投手が150キロ前後の直球を投げられるわけではない。球が遅い投手は変化球を習得したり、コントロールを磨いたり、緩急をつけたりしてカバーしている。超スローカーブも、多くの人が“投球術”と理解しており、この論争は岩佐氏に分が悪いようだ。

 当の西嶋投手は卒業後、社会人野球入りを希望し、プロも目指していくという。超スローカーブが話題になったが、鋭いスライダー、コントロールの良さも大きな魅力。次の舞台でも、大いに飛躍してほしいものだ。
(リアルライブ編集部)

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