私が高校2年の頃でしょうか。友達と遊びに行く約束をしていて、自転車を飛ばしていたんです。そしたら、後ろから来たトラックが自転車の荷台に軽く接触してしまったんです。
「わわわわつつつ」
すぐには倒れなかったんですがフラフラしてしまってそのまま電信柱に激突して思いっきり倒れたんです。
この時、トラックとこすった記憶はあるんですがその後の記憶は飛んでしまい、気がついたら救急車の中でした。
「あれ、私どうしたんだろう…」
すると、意識を取り戻した私に向かって、救急隊のおじさまが一言
「君、耳から血が出てるよ」
(耳から血が?? 私の脳はもう駄目かも〜〜〜!!)
と本気で思いました。
(死にたくない死にたくない…)
と強く思っていると、また気が遠くなってしまったのです。結果的に大事にはいたりませんでした。耳から出ていた血は単純に外傷で、したたか打った右の頭も頭蓋骨にヒビは入ってましたが、脳内出血することもなかったのです。
(救急隊のおじさま…脅かさないでくださいよ…)
この時はそう思いました。ですが、この時、奇妙な事がありました。
事故に遭ったとき、私の両親も買い物にでも、出かけようと駅まで行っていたらしいのですが、なんとなく気が変わって自宅に帰ってみたら電話がじゃんじゃん鳴っていて私が事故に遭ったという知らせを受けたそうです。これが、虫の知らせ…なんでしょうかね?
実は当時、かなり恐い体験をしていたのです。年齢的に多感な時期でもあったんでしょうが、ずーっと黒い影に追い回されているような気がしていたのです。
霊感の強いお友達の家に泊まりに行った時、金縛りにあったことがあります。この時の様子を友達が見ていて、骸骨が私の肩を押さえつけて、じーっと顔を覗きこんでいたというのです。でも、少し前に亡くなったうちの飼い犬が私の足元にずっといてくれてそれで大丈夫だったみたい、とも言っていました。
事故の後、この犬が友達のところに現れて
「お前がSに言ってしまったから、自分はもうSのそばにいられない」
と言って消えたそうです。
亡くなった愛犬がどうやらずっと私を守っていてくれていたようです。頭蓋骨の怪我もお医者様に言わせれば、内出血しなかったのが不思議なくらいだったそうで…。
ひょっとすると、これも犬のおかげなのかもしれません。天国とか…あるのかどうか分かりませんが…。私を守ってくれた犬に、今も感謝しています。
※実体験を元に作成しています
(監修:山口敏太郎事務所)