「ヤクルトは選手層がさほど厚くありません。館山の長期離脱も痛いが、相川の怪我はもっと心配です。2番手捕手の川本は出場経験が少なく、3番手の中村悠平は『勉強』で一軍登録されたようなものですから…」(プロ野球解説者)
昨季首位打者・青木宣親(29)の不振も痛い。川端慎吾(23)の成長はプラスだが、打線に決定打がない…。
ペナントレースの行方もそうだが、ヤクルトはクライマックスシリーズ(以下CS)に一抹の不安がある。5位・広島までCS進出の可能性があるが、ヤクルトがもっとも戦いたくないのは、阪神だろう。巨人、中日との対戦は勝率が良いが、阪神には3勝10敗と大きく負け越している(同時点)。しかも、ロードゲームは「18勝24敗6分け」と分が悪い。ヤクルトと阪神がCS・第2ステージを戦うとしたら、かなり不利である。
「館山は今季絶望の可能性もあります。27日は20球程度の投げ込みで練習を切り上げており、痛み止めを服用しての練習だとも聞いています。無理をさせるべきではないでしょう」(球界関係者)
気になったのは、30日の試合後。4連敗で苛つく一部ファンがクラブハウスに向かうヤクルト選手を罵倒。一部選手が怒鳴り返し、緊張感が走った。他選手が間に入り、それ以上には発展しなかったが、チームの雰囲気は最悪と言っていいだろう。
「不振の青木は試合前だけではなく、球場の使用が許されている23時ギリギリまで練習をしています。このままで終わる選手ではありません」(前出・同)
チーム再浮上を予想する声も聞かれた。
前半戦を折り返したころ、ヤクルト球団はクラブハウス内のロッカーや整理棚を増設するなどしていた。他球団は緊急補強に奔走していたときである。クラブハウスの設備を充実させるのは悪いことではない。しかし、余裕綽々の行為と誤解されたのか、他球団は「今に見ていろよ…」と、『打倒ヤクルト』の決意を強めていたという。
ヤクルトは今が踏ん張りどころ。誤解で敵を作ったとすれば、泣くに泣けない心境だろう。