よしもとの代表的なコント師たちと90年代のドラマブームの立役者となった石田と有森が共演。ドラマでもコントでもない新感覚のライブが誕生する……タイトルからすでに“面白そう”なこのイベントについて、脚本を担当する、しずる・村上純に話を聞いた。
ーー今までありそうでなかった形のライブです。どういう経緯で企画が始動したのでしょうか?
元マネージャーの社員がいて、ルミネ担当だったタイミングが今年の春くらいで、その時に仮の企画書をもらったのが最初です。「脚本お願いできませんか?」って言われて、そうなったら初めてやるライブだし、カロリーも高いので、より新しくて面白そうなものにするんだったら、「誰が聞いても“この人”っていう男女の俳優さん1人ずつツモれたら(キャスティングできたら)面白そうだね」って。偉そうですけど、第一希望で石田さんと有森さんの名前を出させていただきました。
ーーこの話を聞いた時、率直にどう思いましたか?
いくつかある新しいライブの一つで、脚本をやらせてもらえるのは“ありがたいな”って思うくらいだったんですけど、お2人が決まった瞬間に輪郭が浮き彫りになりました。まだ終わっていないけど、後に続けて行きたいし「いい意味で変なライブになるかも」と思いましたね。
ーー少しずつ形になっていったんですね。
すべてはキャスティングなのかなって。最初役者さん1人が出演されて相手がなっちゃん(横澤夏子)とかケイちゃん(相席スタート・山崎)で……っていう話もあったんですけど、それだと今までルミネでやってきたような範疇だなと。石田さんがいらしてくれるのも相当スゴいですけど、有森さんと石田さんという、並列関係の2人が決まった瞬間に生まれた“1から2”が相当デカかった気がします。
ーー石田さんにはどんな印象をお持ちですか?
トレンディドラマと言えば、一番最初に連想される役者さんですよね。でも、むちゃくちゃ役者とかめちゃくちゃタレントというわけでもなく、すごく柔軟でいい意味で芸能界が詰まっている方だなと。今回の話も、やるにしてもやらないにしても“一回は話を聞いてくださる方なのかな”とは思っていました。
ーーでは、有森さんはいかがですか?
本来ならば声をかける発想がなかったところに、石田さんもいらっしゃってくださることが決まったので、担当の社員に「無理でいいから」ってお願いしたくらいで。この方々がキャスティングできたら万々歳中の万々歳という立ち位置でした。僕が“月9”というものを最初に意識した『東京ラブストーリー』(フジテレビ)に出演されていた方ですからね。自分の芸人活動において、有森さんが重なるとも思っていませんでした。
ーー脇を固める芸人さんも演技力に定評のある面々です。
普段からすごく面白いと思っていて、本人たちがどう思ってるか知らないですけど、コントにおけるドラマ的要素や会話劇だったりとか得意としている人たちを、男女のバランス含めて選びました。あと親和性が高いのかなと。彼ら彼女らのファンの方々が、このライブを観に来てくれた時に“面白いと思ってくれるだろうな”っていう考えはありました。
ーーフジテレビの『爆笑レッドカーペット』『ENGEIグランドスラム』を手がけている藪木健太郎さんが演出を手がけています。
恩人ですね。僕らが初めてコント番組のレギュラーをいただいた『THE THREE THEATER』や『爆笑レッドシアター』に起用してくれたのが藪木さんなので、頭が上がらないんですよ。
ーー舞台監督などではなく、なぜテレビマンの藪木さんに依頼したのでしょうか?
僕がやりたいことをすごくポップに抽出してくれますし、いち早く感じてくれるので、そこに寄りかかりたかったんですよね。じつは最初は照明部でフジテレビに入って、そこから“やっぱりバラエティーの演出やりたい”って制作部に入った方(現在は共同テレビに出向中)なので、ドラマの現場も見ているし、バラエティーも知っている“藪木さんじゃなきゃダメだ”ってなって。僕の脚本以外は完璧なんですよ。あとは完成させられればいいだけなんで。
ーー今回、脚本を手がけたことで、ドラマや映画にも進出したい気持ちはありますか?
“『世にも奇妙な物語』(フジテレビ)の脚本を書きたい”ってTwitterでつぶやいていて、『世にも〜』のアカウントさんから「是非」って、ネット上で社交辞令されています(笑)。
ーーネタと並行してやっていきたい気持ちがあるんですね。
(相方の)池田(一真)がネタを書けるので、その役割分担ができるというか。池田に許可を取っているわけではないですけど(笑)、別の活動が出来るフォーメーションではあるので、しずるとしてのやるべきことが損なわなければやりたいです。テレビドラマの脚本をやったことで、誰かが助かることがあれば、わずかながら幼い頃から観ていたテレビに恩返しができるかなとも思います。
ーー世代を選ばず楽しめそうな舞台になりそうです。
ルミネに有森さんと石田さんが並んで役を演じた瞬間に、100%誰も見たことのない景色になると思うんですよ。誰も感じたことのない面白さ、楽しさ、怪しさ、すべてが観られるのは、ライブならではの魅力だし、ルミネの歴史とお二人の歴史が交差するところでもあるので、その瞬間を観にくださるだけでもかまいません。何としても次に繋げるので、ぜひ来ていただきたいですね。
(インタビュー終わり)
ドラマあるある、コント、ラブストーリーなど、様々な要素が絡み合った物語に、レジェンド俳優2人とお笑い芸人の化学反応が楽しみな2DAYS。「次に繋げる」という村上の言葉にもあるように、好評を得そうな今回のライブ……まずはこの歴史ある一歩を目撃しに行ってみてはいかがだろうか?
【開催概要】
石田純一と有森也実としずる村上のほぼトレンディドラマのようなコントライブ
〈日時〉
2018年12月13日(木)
開場19:00/開演19:30/終演21:00
12月14日(金)
開場19:30/開演20:00/終演21:30
〈料金〉
前売¥4,800/当日¥5,000
〈出演者〉
石田純一/有森也実/GAG/相席スタート/横澤夏子/やさしいズ タイ(13日のみ)/LOVE たつろう(14日のみ)/しずる・村上純
演出:藪木健太郎(共同テレビ)
(取材・文 浜瀬将樹)