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K-1MAX 城戸康裕が今年の台風の目か

 日本人3選手が開幕戦で世界の強豪を打ちのめし、ベスト8進出そろい踏みを果たした。
 3選手の中でMVPに相応しい活躍をみせたのは、日本人で実力が頭一つ抜け出している魔裟斗や佐藤嘉洋ではなく、2月の日本トーナメントを勝ち抜き、この日は圧巻の瞬殺劇を披露した城戸康裕だった。

 日本王者が世界デビュー戦で圧巻の40秒殺をやってのけた。イム・チビンとの日韓王者対決に臨んだ日本GP覇者の城戸は開始から間もなく、懐に入ってきたチビンの顔面にジャンピングニー。戦前から「顔面ヒザ狙いで練習していた」という毒針をブチ込んでKO勝ちを収めた。
 悲願のベスト8入りとともにプロ24戦で初めてとなる秒殺決着に、試合後はうれしさの余り言葉にならず「やった、やったぁー」とまるで子供のように大はしゃぎ。さらには「親も来てたし、地元の金がない大学生の友達が、わざわざ青春18きっぷではるばる応援しに来てくれたんで、ホント勝てて良かったッス」と胸をなでおろした。
 日本王者の秒殺勝利には谷川貞治イベントプロデューサーも「彼は化けた。きょう一番の試合だったんじゃない。次は魔裟斗選手の横に行けば面白くなるよね」とニンマリだ。一方、快勝した日本人2人とは対照的に、ムラット・ディレッキーと対戦した日本人ナンバー2の“スナイパー”佐藤嘉洋は納得のいかない判定決着。有効打もない内容に、試合後は「KOを狙っていたのに…」と歯切れが悪かった。
 また、きょう10日に行われる抽選会についても「僕はMAXの選手なので盛り上がるところを選びたい」とポツリ語るので精いっぱい。スナイパーらしからぬ悔いの残る開幕戦となり、これまで繰り返していた魔裟斗への挑発も鳴りをひそめてしまった。

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