しかし、亡くなったはずの大統領が突然目の前に現れたとしたら…我々は快く歓迎できるだろうか。
今回は大統領にまつわるミステリー写真をご紹介したい。
この写真は19世紀なかごろに撮影されたという第16代アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンの幽霊を収めたとされる写真である。
彫りの深い顔、特徴的なモッサリとした口髭は確かにリンカーンとよく似ている。
鋭い眼光がキラリと光る只者じゃない人物だとは思うが、何故この人物が「リンカーンの幽霊」だと言い切れるのだろうか。
実は手前にいる女性。彼女こそはリンカーン大統領夫人・メアリー・トッド・リンカーンとされる女性だからなのである。
この写真を撮影したのはアメリカ人彫刻師のマムラー氏。
マムラーは写真技術が広まりだした19世紀中盤から亡くなった人物を写真に写し出すことができた、いわば「心霊写真家」の第一号的存在である。
死者の姿を撮影できるマムラーの噂はたちまちアメリカ全土に広がり写真撮影の依頼が後を絶たなかったという。
噂を聞きつけたリンカーン大統領夫人は匿名の一般女性としてマムラーに写真撮影を依頼。するとこのような不思議な写真が撮影されたという。
ちなみにマムラーが夫人をリンカーン大統領の妻・メアリー夫人だと知ったのは後になってからだったという。
この写真に写っているリンカーンと思われる男性は夫人の肩にやさしく手を添えており、まるで仲睦まじく記念写真を撮っているかのようである。メアリー夫人には「暗殺」という不慮の死を遂げた旦那の姿が死後もずっと見えていたのだろうか。
(山口敏太郎事務所)