>>全ての画像を見る<<
難病に指定されている重症筋無力症(Myasthenia Gravis: MG)は、神経と筋肉の繋ぎ目に障害が起こることで生じる自己免疫疾患。国際医療福祉大学の村井弘之教授の講演を聞いた渡辺は「MGは増加傾向にあるということで、気付いていない方もたくさんいらっしゃると思います。社会で理解を深めて行かなければ」と課題を挙げた。
声優として活動する野下は、2018年3月にMGと診断。「オーディションを受ける際に鼻声を指摘されて、最初は耳鼻科でアレルギーの治療をするうちに手足や全身の力が入りにくいことに気付いて、脳神経内科でMGと診断されました。4か月ほどの入院で胸腺腫の手術やステロイド、免疫グロブリン治療で改善し、今は治療しながら仕事に復帰しています」と経過を報告した。
MGは症状に変動があるため理解されにくく、社会的不利益を受けることも多い。野下も「数字を20まで数えることができず、二度と声優の仕事に戻れないだろうなと思ってショックでした。思うように仕事ができないのが辛いです」と悩みを打ち明けた。「理解してもらうことを諦めていた部分もあったんですけど、たくさんの人とMGに向き合えて、私自身も発見がありました」と前向きに語った。
特別企画として、渡辺と野下がマンガ動画の声優に挑戦。アテレコの経験は「ありますけど、機関車とか恐竜だったので人間は初めてかも」という渡辺は、「セリフがたくさんあってびっくり。野下さんのお母さんくらいの私が、野下さん役をやっていいのかな」と戸惑いつつ、本番で見事に成功させた。野下も「渡辺さんの素敵な人柄が溢れていました。寄り添ってもらっているみたいでうれしいす」と共演を喜んだ。
終了後、やってみたい声優の仕事を聞かれた渡辺は「ジブリですかね」と笑顔で回答。MGの周知について、「若い人たちはSNSを駆使しているので、そこでアピールするのが一番かな」と次世代への発信を提案した。10代の我が子には、「難しい年ごろですけど、なるべく食卓を囲んだり、話す時間を持つようにしています」と意思疎通を図っている。夫の名倉潤(ネプチューン)は多忙ですれ違いが心配だが、「そうでもないですよ。すぐ帰って来てご飯食べるんで」と家族の時間を過ごしていると明かした。
(取材・文:石河コウヘイ)