そこで話題になっているのが、2021年に99歳で亡くなった故フィリップ殿下による70年にわたるイギリスでのUFO目撃に関する研究「ロイヤルXファイル」だ。
2009年まで、英国国防省(MoD)はUFO現象を積極的に調査していたが、フィリップ殿下は1955年に叔父のルイス・マウントバッテン卿の家でレンガ職人のフレッド・ブリッグス氏から宇宙人との接近遭遇を聞いたことがきっかけで宇宙人やUFOに魅了されるようになったとされている。
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マウントバッテン卿は1955年にハンプシャー州ロムジーにある彼の領地で、奇妙な物体が着陸した、という公式報告書を書いている。
報告書によれば、「円盤型の機体が地上のすぐ上でホバリングしており、オーバーオールにヘルメットをかぶった奇妙な男が地上に降りてくるのを目撃した」と記されていた。この光景を間近で目撃していたマウントバッテン卿は「見えない力」によって自転車からたたき落とされ、地面に倒れた状態で動けなくさせられたという。
なお、この報告書が公開されたのは、1979年にマウントバッテン卿が亡くなった後だったが、国民を動揺させる可能性があったため詳細は隠蔽されたままになっているという。
この話をマウントバッテン卿のブロードランズ邸で聞いた後、フィリップ殿下はいたくUFOに興味を抱くようになったという。最新のUFO情報を得るために『Flying Saucer Review』というオカルト雑誌を購読し、UFO現象に関する軍の報告書にも目を通したという。
また、UFOに関する書籍も多く所有していた。例えば1980年に起きたイギリス版ロズウェル事件とも呼ばれる「レンドルシャム森事件」の目撃者の一人、チャールズ・ハルト大佐の目撃談を詳述した『ハルト・パースペクティブ』を得るため、フィリップ殿下の秘書が共著者であるジョン・ハンソン氏に手紙を書いたと言われている。
こうしてフィリップ殿下は長い年月をかけてイギリス国内外で起きたUFO現象に関連する文書、記録、調査資料を集めたアーカイブを築いたと言われているが、その大半は日の目を見ることはなかったとされている。
この事実について、UFO研究家のニック・ポープ氏は「これは非常にデリケートな内容でした。女王陛下の夫がUFOを調査しているのです。もしこのニュースが流れたなら、センセーションを巻き起こしたでしょう」と公開に至らなかった理由について述べている。
しかし、エリザベス女王の死後、このファイルの公開を求める声がイギリス国内で再び高まっているという。この「イギリス王室のXファイル」が公開されるのかどうか、それは今後チャールズ国王が決めることになると考えられている。
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
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Late duke's 'Royal X-Files' could be released to the public(unexplained-mysteries.com)より
https://www.unexplained-mysteries.com/news/366887/late-dukes-royal-x-files-could-be-released-to-the-public