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三田はNMB48卒業後、現役時代から定評のあったMCやトーク回しの才能を生かし、ラジオパーソナリティやタレントとして活動してきた。また、ライトノベルを出版したり、イラストなどの個展を開くなどクリエイターとしての才能も開花させ、今後の活躍が期待されている。
女優として挑む今回の舞台は、小劇場での舞台や2.5次元舞台の制作などを積極的に行うLUCKUPのプロデュース作品で、昨年好評を得た「INDESINENCE」の続編となる。市川知宏が主演を務める「Case:Dry Crimson Thistle」と、前日譚「Beautiful Vermilion Ways」の2作品が連続上演され、三田は「Case:Beautiful Vermilion Ways」で南上宮陽子というキャラクターを演じる。三田に同作の見どころなどを聞いてきた。
ーー今回の舞台について教えてください。
三田:1970年代が舞台のお芝居です。私が演じるヒロインの南上宮陽子(ナガミヤ・ヨウコ)が、過去、詐欺師によって家庭を無茶苦茶にされ、その復讐をするために詐欺師を追うという物語になっています。アクションありのサスペンス作品です。人間のドロドロした部分や社会への提示があるような結構、重厚感のある作品になっています。
ーーアクションは得意なんですか?
三田:全然(笑)。やったこともないし、動いたらすぐに捻挫をするような女なんです。運動神経は良くないです。でも、今回の舞台では殺陣師の方や共演者の方に協力してもらって必死に食いついてやっています。
ーーNMB時代はダンスをやっていたので、動くのは得意なのでは?
三田:動きを覚えるのは得意です(笑)。でもそれがアクションに生きるかは別です。
ーー現場はどんな雰囲気ですか。
三田:共演者の方も監督も初めましてで、しかも主演舞台なのでめちゃくちゃ緊張していたんですけど、みなさん優しくて。すごく楽しい現場です。舞台ならではの結束感もあってすごくいいなと思います。
ーー舞台での仕事が多いようですが、こだわりなどありますか?
三田:アイドルを卒業して4年になるんですけど、舞台でやっていこうと思ったことがないくらい、アイドル時代は舞台に触れてこなかったんです。声優として頑張るという意気込みで卒業したので、声の仕事はやっていたんですけど、自分の体一つで目の前のお客さんを楽しませるというのはやったことがなかったんです。アイドル時代のライブに演技が加わる感じなので。最初はてんやわんやでやり始めて、1年に2、3回のスパンで参加するようになって、去年くらいからその面白さにハマるようになりました。ありがたいことに仕事の依頼もあったので、こうして舞台の仕事を続けているという感じです。舞台は映像と違って、生ものだからこそ、日によって違いも出てきたりして、そこが楽しいです。
ーー演技面では、得意なジャンルなどありますか?
三田:わちゃわちゃなコメディものが本当は得意です。はっちゃけるのが大好きだし、コメディであればあるほどアドリブも使えるし、性に合っていると思います。感情の機微が激しいタイプなので、静の芝居が逆に難しく感じます。でも度胸はあります。緊張よりも楽しいが勝つタイプです。大きい舞台になればなるほど燃えます。
ーーアイドル時代と比べ、現在のように一人で仕事をしていく難しさは感じますか?
三田:たくさんのメンバーがいる環境と、一人単体で挑むのは違っていて難しさがあります。自分一人に注目が集まる環境に慣れていなかったので。でも、自由に活動できるという意味では楽しいです。
ーー今後、こんなふうに活動していきたいというビジョンは今はありますか?
三田:今もビジョンはないんです。私ができることをやっていこうで4年が過ぎたという感じです。枠にとらわれずに、私ができることがあるならどんどん挑戦していって、やりたいことが見つかればそこに収まればいいって考えています。
ーー卒業後から4年が過ぎましたが、メンバーと今でも連絡を取り合ったりしていますか?
三田:はい。でも、メンバーそれぞれ、進んでいる道が全然違うんです。一人は女優で、一人は音楽で、私はマルチという感じ。自分の活動に対して元メンバーが「これ、良かったよ」って声をかけてくれる時が一番うれしいです。ファンの方からいただく「良かった」と戦友にもらう「良かった」はまた少し違うんです。グループを卒業して4年。今でもずっと気にかけてくれるメンバーがいるのはありがたいです。
ーー最後にファンにメッセージをお願いします。
三田:私のファンは私が好きなことをしているのが好きだと言ってくれます。優しいファンが多いんです。これからも私の好きを増やしていって、見てくださる人の幅を広げていきたいです。みなさんにも私を通じていろんな景色を見てほしいです。ぜひ期待していてください。
(取材・文:名鹿祥史)