この保管容器は小型だが、地球外生命体の最初の証拠が含まれている可能性も期待されている。パーシヴィアランスがサンプル採取を行っている場所が、数十億年前に川が湖に流れ込み、扇形のデルタを形成したジェゼロ・クレーターとその周辺だからだ。
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川のデルタは、古代の微生物が生息していた痕跡を発見しやすい場所のひとつと考えられている。もし今回の火星の土壌サンプルに生物がいなかったとしても、少なくとも遠い昔に火星に存在したであろう生命の痕跡の化石を見つけられる可能性が高い、と期待する専門家は多い。
なお、このサンプル保管容器がまるで小さなライトセーバーのようだったため、写真が公開されるとそちらの点でも話題になったようだ。
このライトセーバー型保管容器の回収は5年後に打ち上げられる予定のNASAの宇宙船に搭載された2機の小型ヘリコプター。10個のサンプルがすべて回収されると、火星から飛び立つ最初のロケットとなる火星上昇機に積み込まれ、ESAの地球帰還船とランデブーする予定だ。
そして2033年、火星最初の土壌サンプルは「地球突入システム」と呼ばれる円盤状の宇宙船で地球に帰還し、ヒューストンのNASAジョンソン宇宙センターに開設される予定の「火星サンプル受領プロジェクト事務所(Mars Sample Receiving Project)」に輸送される計画になっている。
テキサス州議会議員ブライアン・バビン氏は、「火星で採取されるサンプルは、我々の宇宙をよりよく理解するための探求に不可欠である」と述べている。
また、同僚のシーラ・ジャクソン・リー氏は、「火星サンプルリターン計画は、今後の有人火星探査に不可欠です。このサンプル受領プロジェクト事務所を設立することは、我々が火星に対する知識を深め、火星への取り組みを前進させるための大きな一歩です」と語っている。
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
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