北海道日本ハムファイターズが埼玉西武ライオンズに連敗した(6月29日)。これで、交流戦明けは1勝9敗。借金も今季ワーストの「19」まで膨らんだ。
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敗因は多々あるが、先発・吉田がいきなり四球と連打で2点を失い、試合序盤から完全に主導権を奪われてしまった。
試合後、BIGBOSS新庄剛志監督も、厳しい口調でこう言い放った。
「このあとの先発は、今は考えていない。中継ぎで行く方が投球のダイナミックさというか、勢いはありますよね。今日はその感じで1回からやってほしかったと」
また、打撃不振に陥っている万波に対しても、「ちょっと1回、BOSS組(二軍)でがんがん、がんがんランニングさせたり、打席に立たせたり、そういうのもありかなって」と登録抹消を匂わせた。この日は3打数ノーヒット、29打席無安打である。
「がんがん、がんがん」と言ったところに敗戦の悔しさが窺えた。
「本来なら、29日の先発は吉田ではなく、加藤貴之でした。26日の練習中に腰を痛めたようです。ぎっくり腰みたい。吉田はその代役として」(球界関係者)
加藤は27日に一軍登録を抹消されている。
しかし、新庄監督は吉田に期待していたそうだ。
「21日の秋田遠征で、吉田は先発しています。負け投手になりましたが、5回途中まで投げ、『及第点まであと一歩』のピッチングをしています」(前出・同)
吉田は「先発」を希望している。郷里・秋田県での試合ということで、21日は立候補して先発登板させてもらった。4回3分の1を投げ、2失点。5回途中での降板となった敗因は“スタミナ切れ”だった。
投手出身のプロ野球解説者が29日の投球内容をこう評していた。
「序盤はスピードも抑え気味で、変化球に頼っていた印象を受けました」
スタミナ切れとなった21日の反省だろう。しかし、力をセーブする選択が間違っていたのである。
万波の打撃不振にしても、背伸びをしているような感もしないではない。相手投手の難しい変化球を無理にバットに当てようとして、持ち味であるスイングスピードが出ていない。成長の過程で失敗もあるが、こんな指摘も聞かれた。
「若手メインのチームだから、勝利に結びつかない試合もあるでしょう。でも、ちょっと負けすぎでは?」(前出・プロ野球解説者)
インタビュー終了後、新庄監督に“異変”が見られた。ベルーナドームは階段を上がって場外に出るのだが、その途中、「ぎっくり腰ってうつるのかな?」と。同日、先発予定だった加藤のことを指して言ったのだろう。球団スタッフやメディアが答えに窮していると、何かをつぶやいた。聞き取れなかったが、疲れているのは間違いない。
明るくなければ、新庄劇場は成立しない。疲労回復には勝利が一番なのだが…。(スポーツライター・飯山満)