新庄監督は開幕前の春季キャンプからここまで、独自の練習法や采配で度々ファンやメディアをにぎわせている。現在もこうした取り組みでチームを改革している真っただ中といえるが、ここまでには反抗的な態度を見せたとしてネット上をざわつかせた選手もいる。
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プロ6年目・23歳の堀瑞輝は、春季キャンプ中に伝えられた新庄監督への言動が話題となっている。キャンプ2日目の2月2日、堀はキャンプで初めてブルペン入りし投球練習に励んでいたが、この様子を視察していた新庄監督は途中で「笑いながら投げてみて」と指示。堀は指示に従いつつ、計57球をブルペンで投げた。
投球終了後、堀は新庄監督の指示について「『笑いながら』はちょっと気持ち悪い感じだった。でも、変に力が入らずリラックスして投げられるメリットはあると思う」とコメント。ネット上には「悪意は全くないんだろうが、『気持ち悪い』は恐れ知らず過ぎる」といった驚きの声が相次いだ。
プロ4年目・22歳の万波中正は、3月6日のオープン戦・巨人戦で新庄監督の指示を見落としていたとして注目を集めた。この日8回にソロ本塁打を放ちチームの勝利に貢献した万波に、新庄監督は試合後「俺のサイン分かった?バックスクリーンにホームラン打てって」と質問。新庄監督は8回に三塁コーチャーを務めていたが、この際に本塁打のサインを出していたことに気付いていたのかと、万波に問いかけた。
ただ、万波は「全然見てなかったです」と笑い交じりに返答し、新庄監督は「俺、本当に打ちやがったと思ってびっくりしたのに…」と苦笑。ファンの間では両者のやりとりを面白がる声の一方で、「一応結果が出たとはいえ、サイン見落としは笑いごとじゃないぞ」といった苦言も多数寄せられた、
開幕後の4月3日・オリックス戦では、プロ15年目・36歳の宮西尚生が新庄監督の采配に激怒したのではと物議を醸している。8回裏1死三塁、宮西は打席のオリックス・紅林弘太郎に対し、4球を投げカウント「3-1」とする。すると、このタイミングで新庄監督は申告敬遠を指示した。
ただ、これを受けた宮西はぶぜんとした表情を浮かべながら首をわずかにかしげた後、三塁側の自軍ベンチ方向を見ながら何かを口走る。この宮西の様子は「新庄の方思いっきり睨みつけてる」などとファンを騒然とさせた。なお、新庄監督は後日この敬遠策の狙いについて、「(次打者の)吉田(正尚)君って申告敬遠されたことがない。その前の前とか遊ゴロとかゴロが多かった。宮西君の球のキレなら遊ゴロか二ゴロになると思った」と説明したことが伝えられている。
選手から反抗的な態度をとられながらも、改革実現へ試行錯誤を続けている新庄監督。今後のシーズンでチームの結束をどれだけ高められるか要注目だ。
文 / 柴田雅人