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2018年に結成したシシガシラ。いわゆる「ハゲネタ」を軸にした漫才を武器に『M-1グランプリ』に挑戦中で、2021年まで4年連続で準々決勝まで進出している。YouTubeにアップされる彼らの『M-1』予選動画は、毎年業界内で話題に。人気芸人たちが、ネクストブレイクとして期待を寄せている実力派だ。
今回、トークライブ開催を記念してインタビューを実施。漫才師・シシガシラの魅力に迫るべく話をうかがった。
――今回、初のトークライブが開催されます。トーク力を磨きたいなど、何かきっかけがあったんですか?
浜中:昨年12月にヨシモト∞ホールのピラミッド(所属芸人による劇場のランキングシステム)で一番上のレギュラー組に入れたとき、スタッフさんから「何かライブをやりませんか?」と声をかけていただけたので、ずっとやりたかったトークライブをやりたいです、とお願いしました。
――ゲストのカナメストーン(マセキ芸能社)さんは、もともとNSC(吉本興業の養成所)の後輩。もともと仲良かったんですか?
脇田:仲良くなったのは3年前くらいなんですよ。僕が後輩付き合いをしていないと知った浜中から「誰か、かわいがれよ!」って指示があって(笑)。ちょうど、カナメストーンのPodcastラジオ『カナメストーンのカナメちゃん村』が“めちゃくちゃ面白いな”って思っていたので、後輩づたいに声をかけさせてもらいました。食事の席を設けて「これからかわいがりたいと思っているんだけど……どうかな?」って聞いたら「もちろんいいですよ!」って。
浜中:そんなストレートに聞いたの(笑)? トークライブでは、僕からカナメストーンに聞きたいこともあるので楽しみですね。
――もともとは先輩(脇田)・後輩(浜中)で、お互い6、7年ほど別コンビで活動していました。コンビ結成の経緯を教えてください。
脇田:同じタイミングで前のコンビを解散した後、浜中はピンで活動していたんですけど、僕はライブにすら出ていない状態だったんですよ。そのとき、心配してくださった先輩芸人・シマッシュレコードの嶋田(修平)さんから「理想の相手はいるんか?」って聞かれたので「僕がかわいそうに見えず、相手も悪く見えない“イジワルが似合う人”がいい」と答えたら「浜中だろ」って。そのあと、中野のおいしいステーキ屋さんに(浜中を)呼び出して「俺とどう?」って聞いたら(コンビ結成を打診したら)……断られちゃいました。おごったのに!
浜中:(笑)。
脇田:(浜中は)ポップな芸人と組みたかったらしく、僕がそれに該当しなくて(笑)。でも、1週間後、浜中から「お試しコンビという形でやってみますか」という話があったので、5カ月間、新ネタライブに出させてもらいました。そのときに、いいネタができたので、浜中から「脇田さん。お待たせしました。コンビを組みましょうか」って。僕も「いいの~? おじさんだよ~?」って返しましたね(笑)。
――断ったのはポップでいきたかったから?
浜中:そうですねー。当時は一発で世に出るのがベストだと思っていたので、そういった気持ちも残しつつ、仮でコンビを組ませていただきました。
脇田:EXITみたいになりたかったらしいんですよ。
――そもそもネタはどうやって作っていらっしゃるんですか?
脇田:2人で雑談をしながら作っています。僕がハゲているからこその違和感を話してみたり、浜中が「ハゲている人にこういう偏見あるんですけど、どうですか?」って聞いてきたり、お互いの視点の話をしてみて、面白い題材だと思ったら作ります。
――ネタを拝見したことがあるのですが、ただの容姿イジリ漫才じゃなく、かなり緻密に作られていると感じました。ネタへのこだわりはありますか?
脇田:ほかの人がやるようなネタはやらないようにしようとは言っています。
――いわゆるハゲネタに限定している状態で、生みの苦しみはあるんですか?
浜中:めちゃくちゃあります。だんだん、しんどくなってきたので、今年からハゲネタも考えつつ、それ以外の漫才も考えようか、という話をしました。
――ハゲネタ以外の手ごたえはいかがでしたか?
浜中:最初、マジで脳が動かなくて、何を考えても全部ハゲにつながるんですよ(笑)。(ハゲネタで苦しんでいたはずが)こっちはこっちでまたネタを生みにくくなっていました。
脇田:プレッシャーもありましたね。どんなハゲネタをやるのか待っている人の前で違う題材のネタをやるので、めちゃくちゃウケないと成立しないというか……。「なんでハゲネタやらないの?」って言われないようにいいネタを作らないとなって。
――浜中さんは、脇田さんに対して、敬語で話をされています。これは、先輩・後輩の間柄が抜けないのか、それともあえてですか?
浜中:“ハゲに敬語”が一番面白いのかなって思って(笑)。
脇田:敬語を使っているヤツが、イジリにくるんで、それが笑いのプラスアルファになるんですかね。
――確かに、ため口でイジるのと敬語でイジるのとは見え方がまったく違いますね。
浜中:究極のイジリは敬語だなって(笑)。要は、めちゃくちゃナメているってことですよ。敬語なんで、“倍”ナメています。
脇田:敬語だから“イジられている”って気づくのがワンテンポ遅れるんですよ。
――(笑)。では、芸人としてのお互いの魅力を教えてください。
浜中:やっぱりハゲ……。
脇田:そんなのはもちろんの上でよ?
浜中:間が独特なんで、そこはすごいなって思います。オレは“早くツッコんで!”って思うんですけど、(脇田のように)待ってツッコんだ方がウケるんで、“この人の間ってすごいんだ”って思いますね。
脇田:ネタを生んで、それを育てるんですけど、この育ての部分がめちゃくちゃウマいです。案を出すのが早いし、ウマい。
――コンビとしてのターニングポイントはありましたか?
脇田:名前を出してくださるのは大きいですかね。『ゴッドタン』(テレビ東京系)で、東京03の飯塚(悟志)さんが、注目の若手芸人として僕らの名前を出してくださったり、さらば青春の光の森田(哲矢)さんが『The NIGHT』(ABEMA)で『漫才で一番面白い芸人』の1位にしてくださったり……。お二人とも面識がなかったので、“知ってくださっているんだ”って驚きました。
浜中:ほかにも、しずるの村上(純)さんは一番最初に目をつけてくださいましたし、とろサーモンの村田(秀亮)さんは「オレ、シシガシラのファンやねん。『M-1』の予選動画最高やったな」って声をかけてくださったのがきっかけで仲良くさせていただいていますし。そうやって大好きな方々が名前を出してくださるおかげで、“また1年頑張れる”っていう力になりますね。
――最後にライブのPRメッセージをお願いします。
浜中:トークメインではあるのですが、1組ずつネタもやります。(ライブを通して)シシガシラの漫才はもちろん、僕らの“人”の部分や、カナメストーンとの関係性を知っていただけるのではないかと思います。
脇田:カナメストーンは平場最強なので、絶対面白くなるライブです。ぜひ来ていただきたいです。
(取材・文:浜瀬将樹)
シシガシラトークライブ『トルコキキョウ』
ゲスト:カナメストーン(マセキ芸能社)
日時:2022年2月21日(月) 20時10分開場 20時30分開演
場所:ヨシモト∞ホール(配信あり)
料金:前売1,800円 当日2,300円 配信1,200円
チケット:FANY公式HP(https://fany.lol/)