>>覆面パトカーが待機する事態に…いしだ壱成、うつ病を告白「ほんまにトンっといってしまう」名倉潤も理解<<
いしだのように、うつ病が原因で働くことができず、生活に困ってしまうというパターンはそう珍しいことではない。経済的な問題が重なって症状が悪化したり、最悪の事態を招いてしまう前に、生活保護制度を利用して一時的にでも経済的な問題を緩和させることは賢明な手段の1つと言える。
うつ病の原因は様々で、誰もがかかる可能性のある精神疾患として知られている。うつ病の重症化を予防するためには、「セルフチェックをする」「ストレスの軽減を図る」「周りに相談する」「メンタルヘルスに関する知識を学ぶ」といった心がけが役に立つ。
うつ病のサインに気付くためのセルフチェックのポイントには、大きく分けて身体症状と精神症状がある。身体症状の代表的なものには、なかなか寝付けない、または寝ても寝ても眠いといった睡眠障害の兆候がある。また食欲が湧かない、異常な過食など食欲や体重の急激な変化、慢性的な疲労感や、断続的な頭痛・腹痛など原因がはっきりとしないものもある。
精神症状は、気分が落ち込み、何事にも悲観的になるような憂鬱感が代表的だ。何事にも興味が持てず、何をするにもおっくうに思えるような感覚や、常にイライラするような焦燥感、何をしても消えない不安感などがあり、このような症状が2週間以上続く場合は注意が必要だ。
また、周囲がその変化に気付くためのポイントもある。例えば、最近怒りっぽくなった、会話の中で相手を否定することが多くなったなど攻撃的な変化がある場合は要注意だ。また「自分なんか」など悲観的な言葉が目立ち、表情が暗く元気がないことが多い場合も気を付けたい。急に口数が減ったり、前述のいしだのように、人との接触を避けるようになるような変化もポイントとなる。また、遅刻や欠勤が急に増え、出社を拒否するようになったり、仕事上のミスが増えるような変化や、慢性的な頭痛や倦怠感など身体症状が見られる場合もある。
もしも周囲がこうした変化に気付き、本人から話を聞く際に避けるべきなのは、「あなたなら絶対に乗り越えられるから頑張れ」とむやみに励ますような行為だ。また、「気合が足りない」「責任感がない」などといった非難や、「みんな大変だけど頑張ってるよ」などと人と比較するような声かけも望ましくない。
相手から話を聞く際には、まず心配していることを伝え、過剰に共感しようとするのではなく、現在の本人の主観を理解し、傾聴する姿勢を持つのが重要だ。そして、聞く側も自分1人で解決するのではなく、本人に専門機関の受診を促すよう対応するのが望ましい。
うつ病の治療は、早ければ早いほど早期回復が期待できると言われている。コロナ禍ということもあり、心理的な負担がかかりやすい状況にある。自身のセルフチェックや身近な人の変化に注意したい。
文:心理カウンセラー 吉田明日香