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楽天・則本、右ひじ手術からの完全復活へ “生涯楽天”を表明の右腕、話題の新球も手応え十分か

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則本昂大

 「新球」が早くも話題を呼んでいる。

 東北楽天の則本昂大が2月16日の阪神との練習試合において、習得中であるナックルカーブを投じ、打者3人を抑えている。「実戦でなければ分からないこともあるので、確認できてよかった」とコメント、開幕へ向け、手ごたえをつかんでいる。

 昨年は右ひじ手術の影響から、登板数はわずかに12、プロ初年度より6年間続いていた二桁勝利数も途絶えた。チームもAクラスに留まれたものの、本人のみならず不本意な1年となったことは明らかだ。

 その結果も踏まえ、今季は楽天投手陣にとっても大きな転機を迎える年でもある。指揮官が代わり新たな体制となる中で、自身の復活はもちろん、多くの意味で重要な一年となりそうだ。

 FAにより長く先発として活躍した美馬学が移籍、チームにはベテラン涌井秀章が加入した。また、メジャー経験者である牧田和久も加わり、さらに今季より松井裕樹が先発へと転向する。陣容も大きく変わる中、先発陣の先頭に立つべき則本の役割は大きい。同じく昨年不調に終わった岸孝之と共に、両投手の成績がそのまま楽天の2020シーズンの浮沈を決定付けることは間違いないだろう。

 2013年のリーグ制覇、そして日本一を知る数少ない存在としても、チームの中心としての活躍は多くのファンが望んでいることも確かだ。そして昨年の契約更改で明らかとなった、大型契約(2018年から7年)は、チーム内での則本の立ち位置を示す意味でも興味深いものがある。FA等により各球団の主力の移籍が当たり前となった昨今、「生涯楽天」という意思の表れに他ならない。

 そのためには、何よりも今シーズンの復活が必要だ。チームを優勝に導くカギは、則本の右腕が握っている。磨きをかけている「新たな刀」であるナックルカーブを武器に、再起を期す。

 あの力強いマウンド姿が戻ってくるならばチームの躍進は成され、そしてその先にこそ、則本昂大が「ミスター楽天イーグルス」と呼ばれるにふさわしい存在となる日が訪れる。(佐藤文孝)

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