この地帯に車を停めると、車のリモートコントロールキーがきかなくなるのである。この現象は昼夜にも車種にも関係なく、1日に数回は起こるという。近くで酒類販売店を経営しているアンソニー・ディーンさんは、この現象に遭遇する多くのドライバーを助けている。「ある日、私が車のキーが故障した女性ドライバーを助けていると、信号が変わった時に、突然車のドアが開いて、まるで幽霊が開けたようだった」とディーンさんは話している。また現地住民のジュディス・エインスウォースさんは「自分の車をロックしようとしたら、代わりに4か所の窓が突然下りてきてしまった」と話す。その他にも、近くの住民からは、車の時計が急に動かなくなったのでバッテリーを交換したいという要求が、自動車部品店に多数寄せられている。いったい、この地帯では何が起こっているのだろうか。
地元のパン屋では、かつてパン屋の隣の葬儀屋で棺桶を作っていたアルバートという人物の幽霊のしわざであるという話も出ているそうだ。そのせいか、このあたりでは、不思議な足音がしたり、原因不明の灯りが見えることがあるらしい。
しかし、前述のディーンさんによると、リモコンキーがきかなくなったとき、交差点の信号のボタンを押してみると、信号の色が切り替わるときに車のロックは正常に作動するという。ということは、信号からでている電磁波か何かが原因なのか? ところが、当局が調べたところ、信号とキーに使用されている技術は全く異なり、信号の点灯変化は、キーの作動に影響するものではないと断言する。
結局、原因については、いまだわからないままだ。いまのところ有力なのは、どこかのアマチュア無線家が発生させている電磁波が原因ではないかという説だ。
人々は、魔の海域バミューダ・トライアングルにちなんで、この地帯を「ウィンダミア・トライアングル」と呼んでいる。
七海かりん(山口敏太郎事務所)
山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
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