そもそも今年、タキツバ2人の活動は『FNSうたの夏まつり』(フジテレビ系)だけ。滝沢は映画『こどもつかい』で初の主演を務め、今井は音楽劇『マリウス』と連ドラ『屋根裏の恋人』(フジ系)に出演。ソロ活動が主だった。しかしこの2人、運命の赤い糸で結ばれていたかのような足跡で、驚かされる。
偶然にも、同じ13歳で95年に入所。オーディション日、会場まで同じだった。のちに、俳優・川野直輝を加えた3人で「怪談トリオ」を結成して、フジ系の“怪談”シリーズでドラマデビュー。90年代前半に、ジャニーズJr.黄金期を築いた。川野が退所したあとは、それぞれが座長としてカンパニーを率いている。
先に就いたのは、滝沢。06年に、“滝沢”シリーズの初演となった『滝沢演舞城』がスタートしている。ここでは、結成前の関ジャニ∞やKis-My-Ft2、A.B.C-Z、Hey!Say!JUMP、ジャニーズWESTなどが、ミュージカルの基礎を積んだ。10年に、現在の『滝沢歌舞伎』に改題。圧巻の火、大量の水、フライングなどで、日本の様式美をド派手に、華麗に伝えている。
そんな滝沢から遅れることおよそ4年、10年に今井がロングヒットミュージカル『PLAYZONE』の座長に就任した。同舞台は、少年隊の主演で86年にスタート。以降毎年開催されており、ファンのあいだでは「プレゾン」の呼称で親しまれていた。今井にバトンが手渡されたことによって、マイケル・ジャクソン(故人)が絶大な信頼を寄せていたショーダンサーで、有名振付師でもあるトラビス・ペインとステイシー・ウォーカーを招へい。世界的ダンサーとスケールアップしたショーを経験したことによって、今井は役者として、ひと皮もふた皮もむけた。
“プレゾン”座長の就任よりおよそ3年前、今井はフラメンコに興味を持っており、単身でマドリードやアンダルシアへ渡って、スペイン語を学んでいる。そして12年、世界初のスペイン文化特使に任命。同国の文化を普及してきた功績者として認められたのは、ジャニーズ初の偉業だった。
そして今年8月、今井のあとを追うようにして、滝沢が“日UAE(アラブ首長国連邦)親善大使”に任命された。河野太郎外相からの委嘱状が交付されている。滝沢がUAEを訪問した際、好感を持ったことがきっかけとなったようだ。任期は1年間だ。
タキツバ結成10周年の際は、東京ドーム2DAYSライブ(9月8&9両日)で盛大に祝われただけに、今年、2人が下した決断はファンにとって衝撃的。しかし、同期で、座長経験があり、大使に就任というトリプルの奇跡は、きっと必然。充電後のタキツバに、多大なる期待をかけたい。