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「松坂を放出しろ」日本人選手がトレード市場を賑わす?

 日本人メジャーリーガー同士の交換トレードも成立するかもしれない。

 9月20日(現地時間)、レッドソックス・松坂大輔投手(30)がオリオールズ打線に掴まり、今季6敗目を喫した。6回3分の1を投げ、失点4。試合後、松坂自身も言っていたが、回を追うごとに調子を取り戻しつつあった。しかし、地元ボストンのファンはそうは見ていない。
 「確かに、松坂本来のピッチングではありませんでした。味方野手のミスで失点した場面もあり、調子が悪いなりによくまとめたとは思いますが…」(現地特派員の1人)
 一部報道によれば、同日の球速は90マイル(約145キロ)。球宴前後にも「投球フォームを見直すべき」とも指摘されており、この1、2年は精彩を欠いたピッチングが続いている。そんな松坂に地元ファンはブーイングを浴びせているのである。
 「トレード放出してしまえという記事も、地元新聞にありましたよ」(前出・同)
 松坂が制裁で放出される…。
 大都市を本拠地とするチームは、こうした地元ファンの声を看過できないケースも多い。
 もちろん、レッドソックスは松坂の復活をまだ信じているが、他球団は「松坂がトレード市場に出る可能性は高い」と判断しているようだ。こんな情報も交錯している。

 話は、米球宴前後に逆上る。カブスはレッドソックスに交換トレードを打診した。カブス側が提示した『交換要員』とは、ズバリ、福留孝介(33)だった。若手野手の成長でベンチスタートとなる試合も多く、カブスは1300万ドル(約11億7000万円)の福留の年俸を指し、「その半分をウチが払ってもいい」とまで言ったそうだ。しかし、レッドソックス側の回答は「ノー」。見くびられた福留も悔しかっただろうが、カブスが求めた交換要員とは、一体誰だったのか…。
 「今オフは日本人メジャーリーガーの帰還がいくつかある」とし、その動向を追っている日本の某球団関係者はこう推理していた。
 「岡島(秀樹)が欲しかったのでは…。カブスはクローザーのマーモンが安定していません。セットアッパーとして安定した成績を残している岡島を獲るとなれば、それ相応の交換要員を出さなければならないだろうし、かといって、先発投手を出すわけにはいきません。福留を出そうとしたのは間違いありません。岡島を獲ろうとしたのではないか?」
 日本人メジャーリーガー同士の交換トレードが成立する可能性もあったわけだ。
 日本人メジャーリーガーはトレード拒否権を契約書に書き込ませることも多いが、その大半は「当人の了承を得て」、「地方球団には放出しない」といった“条件付き”のもので、トレードを完全に拒否するという内容ではない。

 「エンゼルスが優勝圏内から脱落したころ、松井を放出し、若手を使うべきと地元メディアが報じていました。松井は9月になって調子を取り戻しつつあるが、地元ファンは『帳尻合わせ』としか見ていません。1年契約の松井がエンゼルスに残留できる可能性は極めて低い」(前出・日本球界関係者)
 だが、左の指名打者を欲するア・リーグ球団は少なくない。松井稼頭央、岩村明憲もシーズン途中での移籍を余儀なくされた。松坂も本来の調子を取り戻せなければ、放出の憂き目に遭うのは必至。ゴジラ松井もエンゼルス地区4連覇を逃した『戦犯』のように扱われている。今オフ、日本人メジャーリーガーがトレード、FA市場を賑わせそうである。

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