女性の読者ならば振袖などで和服を着たことがあって分かる人もいるだろうが、和服姿でのトイレというのは非常に困難なものがある。
しかし、江戸時代の大奥にいた姫君たちは毎日、花嫁衣裳のような豪華な着物を着て生活をしていた。同じ和服でも着脱が比較的楽な日常着ならまだしも、よくあんなモノを着てトイレをしていられたな…と感心してしまう。
しかし、実際には大奥の姫君にとっては何の問題もなかったようである。というのも、彼女たちがトイレを使うときには必ずお付きの女中が同行し、排便の面倒を見ていたのだそうだ。
もちろん用を足した後に、紙で拭くことすらもお付きの女中が代わりにやっていたというから驚きだ。お姫様というと女性は一度は憧れるだろうが、その環境は現代人からすればとても耐えられないものだったと言わざるを得ない。