WWEでは“レディ・ゴジラ”のニックネームがついた松本浩代は、前ワールド・オブ・スターダム王者の強豪トニー・ストームと対戦。松本はスターダムにも参戦しており、お互いのことは把握している。実力者同士の対戦は、ジャパニーズスタイルのプロレスを世界に広めるにはベストのマッチメイクだ。これに燃えた松本はど迫力のミサイルキックからスープレックスでトニーを投げ飛ばせば、トニーもフィッシャーマン・スープレックスでフォールを狙うなど互角の攻防を展開。続けて松本はロープに逃げたトニーにダブルニーを炸裂させる。場内からは大きなどよめきが起こった。
さらにクローズラインの連打でトニーをグロッキーに追い込んだが、最後のクローズラインをかわされると丸め込まれてカウント3を決められた。試合は松本が完全に押していただけに、2回戦敗退という結果になったのは残念だ。しかし、WWE関係者に与えたインパクトは大きかったはず。今後の参戦にも期待したい。
一方、日本の“レジェンド”と紹介された里村明衣子は、アメリカ出身のメルセデス・マルチネスと対戦。試合に向けて「技術で上回りたい」と語った里村はその言葉通りメルセデスの腕をねじり上げると、キック3発を放ち足払いを決めるなど、日本で培った技術でメルセデスを圧倒。メルセデスの激しい打撃に苦しむ場面も見られたが、里村には日本のマットで見ているかのような安心感があった。
終盤、メルセデスが渾身のフィッシャーマン・バスターを決めたが、里村はカウント2で返すと、スピニングキックからメルセデスの膝に飛び乗って必殺のスコーピオライジングをズバリと決め、カウント3を奪った。里村は安定した戦いぶりを見せ、トーナメント準々決勝に駒を進めた。次戦ではタイナラ・コンティを破ったレイシー・レーンと激突する。
里村明衣子はどこまで勝ち進むことができるのだろうか?WWE初の女子スーパースターだけが集まるPPV『エボリューション』で開催される決勝まで駒を進めるようなことがあればビッグニュースになる。注目していきたい。
文 / どら増田
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