全日本野球会議の日本代表編成委員会はこの日、北京五輪野球の日本代表最終候補39選手の中から本番に臨む24選手を発表。日本球界を代表する若きエースのダルビッシュや、プロ野球選手として史上最年少の19歳10カ月での出場となる田中らが選ばれ、メンバー入りが有力視されていた巨人の高橋由伸や小笠原道大が落選した。
会見では全24選手を読み上げた星野仙一監督が「現時点で日本の最強メンバーだと自負しております」と意気込みを語った。さらに「北京ではこのメンバーで、しっかり闘っていきたいと思っております」と自信満々だった。
あくまで最強メンバーであることを強調したが、決して盤石とは言い難い。星野ジャパンといえば、当初6月下旬にメンバーを発表するはずだったが、思いのほか選考が難航。そのため16日のスタッフ会議でも決まらず、最終決定はギリギリまでずれ込んだ。その元凶となったのが「投手を10人にするか、11人にするかという部分があった」(星野監督)という投手陣だ。
特に成績不振ながら代表入りした上原には賛否両論。あくまで星野監督は「代表合宿中になんとかオレと大野(コーチ)で立ち直らせる」と再生に強気だが、その一方で日本代表関係者からは「裏を返せば、それまでに上原を復活させられなければ、ピッチングスタッフの想定はご破算。あとはケガ人が出ないのを祈るばかり」と危惧する声が出てきている。
無理もない。五輪の大会規定でケガ人が出た場合は、8月13日の野球開幕前に開かれる監督会議までなら、最大5選手の入れ替えができる。日程的にまだ余裕はあるが問題は、それ以前に今回選出した陣容に無理があるからだ。前出関係者が続ける。
「予選4戦目の韓国戦までの先発は決まっていますが、それ以降は上原次第ですから、時限爆弾を抱えているも同然。アテネのように、初めからピッチャーを11人にしていれば、上原の出来に関係なく、先発とリリーフの構成上のバランスは問題なかった。もう1枚リリーフを置けなかったことを、後で悔やむことにならなければいいんですが…」
決勝まで9試合。本番で星野ジャパンの欠陥が悲劇を生まなければ良いが…。