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神々の里にこだました木遣りと大歓声 諏訪大社・御柱祭

 諏訪湖の南北に二社ずつ鎮座する諏訪大社。約二か月にわたって繰り広げられる御柱祭の幕が上がり、4月2(金)〜4(日)、上社(本宮・前宮)の御柱を山から里へと降ろす「山出し」が行われた。

 初日の大雨はどこへやら。続く二日間は春らしい晴天に恵まれ、長さ17メートル余り、合計八本のモミの大木は無事御柱屋敷に曳付けられた。
 上社の御柱の特徴はV字型の支柱「メド梃子(でこ)」。この上に氏子が鈴なりに乗り、斜度27度、長さ36メートルの坂を滑り落ちる「木落し」、雪解け水の冷たさがしみる宮川の「川越し」といった難関を越えていく。一人も落下させずきれいに滑り落ちる柱、豪快に川へ突っ込む柱。どちらもハラハラ、ドキドキさせられっぱなしで興奮が絶えない。さすがは天下に名高い奇祭である。

 伊勢の神宮は、20年ごとに隣の敷地へ交互に正殿などを建て替えるが、同じように諏訪大社では七年目ごとの寅・申年に行う。ただし、本殿を持たない諏訪大社で造替されるのは「宝殿」。この宝殿造営とともに、社殿の四隅に建つ御柱が建て替えられるわけだ(御柱では「立てる」ではなく「建てる」と表現する)。
 “神が宿る”とされる御柱。その起源は諸説あり定まっていない。一般的には坂上田村麻呂のエゾ征伐とからめて語られることが多いが、祭場を示す境界説、本殿の代わりとする説、依り代説から四神説までさまざま。ただ一つ言えるのは、屹立する御柱の姿に誰もが、素朴で力強い神の姿を見るということだろう。

 4/9(金)〜11(日)には、約100メートルの急斜面を滑り降りる下社(春宮・秋宮)の「山出し」が、来月5月上旬には「里引き」がそれぞれに行われ、新たな御柱が建てられる。
(写真「上社前宮・一之御柱の川越し」)

神社ライター 宮家美樹

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