トルクメニスタン戦を最後にスタメン落ちが続いていた大迫勇也が、5試合ぶりに復帰を果たした日本。“アジア最強国”と目される強豪イラン相手に、一進一退の攻防を見せつつ、前半をスコアレスドローで折り返した。
お互いに譲らない勝負が動いたのは、エンドが変わった後半11分。柴崎岳のパスを受けた南野拓実が、一度は相手DFに倒されつつも、ゴール前へクロス。これを大迫が頭で流し込み、日本に待望の先制点がもたらされた。
決勝進出を狙う日本の攻勢は、これだけには留まらない。後半22分、南野のパスが相手DFのハンドを招きPKを獲得。これを大迫が確実に決め、そのリードは2点に広がった。さらに、後半終了間際の47分には、原口元気が相手DFを振り切り、ダメ押しの3点目を奪取した。
最後までイラン相手に失点を許さなかった日本は、スコア3−0でこの大一番に勝利。来月1日に行われる決勝への切符を手にし、いよいよ2大会ぶりのアジア王者まであと1つとなった。
対アジア勢39戦無敗だったイランに、3点差をつけての完勝を収めた日本。今回の試合を受けたネット上には、「今日の日本は最高の試合をしたと思う」、「やっぱり大迫って半端ないわ」、「今後を考えても経験値の大きな試合になったはず」、「あと1つなんとか勝ってくれ!優勝するぞ!」といった称賛の声が数多く寄せられている。
準決勝を突破した日本は、決勝でカタール対UAEの勝者と激突する。なお、アジアカップでの対戦成績は、カタールが「1勝1敗2分」、そしてUAEが「1勝2敗1分」と、どちらに対しても白星を先行させてはいない。
李忠成の劇的ボレーでオーストラリアを下し、アジア王者に輝いた大会からはや8年。アジア最強と目されていたイランを撃破した今の日本ならば、必ずや2大会ぶりの栄光を掴み取ってくれることだろう。
文 / 柴田雅人