WBCの反動? 松坂は本来のピッチングができていない。
1回、侍ジャパンでチームメートだったレイズ・岩村明憲と対戦し、力強いストレートで空振り三振に仕留めるなど、好スタートを切った。
しかし、2回以降は勝負球をことごとくスタンドに放り込まれた。
2回にジョイスのソロ本塁打を浴びたのを皮切りに、3回にはロンゴリアの2ラン。4回にはリンガスにもソロ本塁打を打たれた。4失点すべてを被本塁打で喫した。
この日は5三振を奪う一方で、4四球、1暴投と制球が定まらなかった。結局、6回途中、100球ちょうどで、岩村に二塁打を浴び降板した。チームは3-4で敗れた。
シーズン前にはWBC出場を見据え、例年に比べて早めに始動。調整は万全で、WBCでは大車輪の活躍を見せた。仕上がりに問題はないはずだった。だが、今季初登板では敗戦投手となった。
心配されるのは、WBCの後遺症だ。マリナーズのイチローは、WBC決勝戦の韓国戦で、決勝タイムリー放つなど侍ジャパンで活躍したが、メジャー開幕目前に胃潰瘍(かいよう)が発覚して戦線を離脱している。
松坂もこの日の投球内容を見る限り、WBCの影響が少なからずありそうだ。WBCでの力投がたたって、今後も敗戦を重ねる可能性は否定できない。
今季初先発を前に、松坂は「オフは多めに練習した。そのすべてが貯金になると思った」とWBCでの燃えつき症候群からの立ち直りを強調していたが、本来のピッチングを見せることはできなかった。
日本が誇る最強右腕は、今季初登板で今後に大きな課題を残した。