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「渋井哲也の気ままに朝帰り」 同伴日のドタキャン。埋め合わせをするものの…

 「くんくん、年末はどうして連絡くれなかったの?」

 年明けにあるK嬢(23)から電話があった。そういえば、年末に電話があった時に、強制同伴日があるので、同伴してほしい、という話があったのをすっかり忘れていた。K嬢が勤める店は、強制同伴日に同伴できないと罰金を支払わなければならない。設定されている数日の間に、最低でも一回は同伴しないと、罰金数万円が消えて行く。

 そんなことをすっかり忘れていた私は、年明けにK嬢から電話があった時、なぜ怒っているのかは分からないでいた。たしかに強制同伴日のことは聞いていたし、営業力があるK嬢のことだから、私が同伴をしなくても、誰か同伴相手を見つけるだろうと思っていたこともある。しかし、結局、昨年末、K嬢は罰金を支払ったのだという。

 そんなことがあったために、K嬢と新たに同伴日を設定することにした。同伴日は年明けすぐではなく、中旬になってしまった。しかし、設定した日、私は仕事で都内に戻ってくるのが遅くなることがわかった。前日のうちに電話しておこうと、外出先から電話した。

 「なに? どうしたの? くんくん」

 「なんだかわかるでしょ?」

 「わかんないよ、何?」

 「(同伴の)前日から電話をするってことは…」

 「ってことは?」

 「(同伴は)キャンセルってことだよ」

 「え? 何それ? どういうこと?」

 なぜキャンセルを申し込んだかを私は理由を話した。すると、仕方がないという雰囲気にはなったが、K嬢は、

 「もう! 許さない! なんでよ」

 とさらに怒りがヒートアップしたのだろうか?

 ただ、それは営業上のフェイクなのか、「じゃあ、いつならいいの?」という話になり、同伴日を再設定することになった。でも、私はK嬢との同伴日が近づくと、頭が痛くなることが多い。偶然風邪をひくのか、それとも、まるで不登校児のように、心理的に拒否をしているのかもしれない。

 再設定したこの日も、朝から頭痛がしている。周囲はインフルエンザが流行しているので、それが感染したのかもしれない。そういえば、キャンセルした時も風邪気味だった。K嬢との待ち合わせ。まだ怒っていた。怒っているということは、こちらに関心があるんだな、と思う。いや、そう思わせる営業に決まっている。

<プロフィール>
渋井哲也(しぶい てつや)フリーライター。ノンフィクション作家。栃木県生まれ。若者の生きづらさ(自殺、自傷、依存など)をテーマに取材するほか、ケータイ・ネット利用、教育、サブカルチャー、性、風俗、キャバクラなどに関心を持つ。近刊に「実録・闇サイト事件簿」(幻冬舎新書)や「解決!学校クレーム “理不尽”保護者の実態と対応実践」(河出書房新社)。他に、「明日、自殺しませんか 男女7人ネット心中」(幻冬舎文庫)、「ウェブ恋愛」(ちくま新書)、「学校裏サイト」(晋遊舎新書)など。

【記事提供】キャフー http://www.kyahoo.jp/

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