シンガポールがさきごろ国内カジノを合法化するなど、アジア各国の観光客誘致合戦で日本は後れをとっている。石原氏は1999年の知事就任当初から「お台場カジノ構想」を提唱。夜の都庁展望室で模擬カジノを実施するなどカジノ誘致に熱心な地方自治体などの先頭に立ってアクションを起こしてきたが、2003年以降は“法整備待ち”に姿勢を転じている。
この日の会見でも「国が動かないんだから」と指摘。石原氏の積極的言動に期待する地方の声には「私だけに言わせずに、たとえば全国知事会などで多数決でも何でもいいから意向みたいなものを(まとめないと)」などと段取りを示唆した。
「いろんな種類のカジノが考えられると思うんだけど、いままでの政権は何を考えているのか知らんけど聞く耳持たなかったね。これはねえ、暗黒社会の問題もあるんですよ」と石原氏。背景には、暴力団が新たな資金源として運営に食い込む危険性などが一部で指摘されてきたことがある。
推進派はこうした懸念について、行政による監督で払拭できるなどと主張。最近では大阪府の橋下徹知事が講演会で「ここにカジノを持ってきてどんどんバクチ打ちを集めたらいい」などと発言し、その発信力に期待が高まっている。
都の調査によると、08年に都内を訪れた外国人観光客は推計534万人と過去最高を記録しながら、米国発金融危機の影響もあってか消費額はダウン。金を落とさせる仕掛けが求められている。
果たして石原&橋下コンビで鳩山政権に合法化を迫るシーンはあるか。
石原氏は「ちょっと日本は後れているんじゃないか。インターネットを含めて日本人は100万人近い人がカジノをしている。そういうお金は全部外国に流出するわけで、私はもったいない気持ちだけどね」と締めくくった。