元蒼国来は解雇は不当として、幕内力士としての地位保全と給与の仮払いを求めた仮処分を申請していた。その審尋が6月9日、東京地裁で開かれ、協会が元蒼国来に6月から1年間、幕内力士の月給に当たる130万9000円を毎月仮払いすることで和解した。これは、前回の審尋で東京地裁が提示していた和解案を双方が受け入れたもの。
元蒼国来の代理人は「和解案は蒼国来が潔白であることを意味する」と話し、相撲協会側は「訴訟における厳格な手続きの下で、『故意による無気力相撲』の存在を明確にする方が望ましいと判断したため、裁判所の提案を受け入れた」とのコメントを残した。
ただ、あくまでも元蒼国来の目的は土俵への復帰で、来週中にも本提訴する。支払われる仮払金は本訴の結果を受けて精算される。八百長問題はついに、本格的に法廷の場で争われることになる。
元蒼国来は今でも所属していた荒汐部屋で生活しており、復帰に向け意欲を見せ、稽古も再開する予定。元蒼国来は「あくまで相撲に戻ることが目的なので、本訴で八百長をしていないと理解してくれれば土俵に戻りたい」と話した。
(落合一郎)