新日本プロレス2.5北海道立総合体育センター北海きたえーる大会のメインイベントで、鈴木みのるとの大熱戦を制し、IWGPヘビー級王座の防衛に成功したオカダ・カズチカは、次期挑戦者に『NEW JAPAN CUP 2017』(3.11愛知県体育館大会で開幕)の優勝者を逆指名。出場選手に対して「自信があるなら挑戦してこい!」と挑発すると、タイガーマスクWとの対決をブチあげた。このサプライズ発言に場内は騒然となり、客席のざわめきを感じ取ったオカダは「こういうように、お客さんがワクワクするような試合を、どんどんどんどんしてやる!」と叫んだ。
この発言を受けた新日本は、3.6『旗揚げ記念日』大田区総合体育館大会で、“NJPW旗揚げ45周年記念試合”として、オカダ対タイガーマスクWのスペシャルマッチを発表。さらに3.1後楽園ホール大会では、オカダ&外道対タイガーマスクW&タイガーマスクの前哨戦も組まれた。
昨年10月の両国国技館大会で、テレビアニメの世界から飛び出してきたタイガーマスクWは、これまで2試合を行っているが、対戦相手はレッドデスマスク、タイガー・ザ・グレートと、いずれもテレビアニメの世界と連動する選手との対戦だった。オカダもアニメに登場はしているが、現在のところタイガーマスクWとの対戦は描かれていない。
また注目すべき点として、3.1後楽園大会の前哨戦もドリームマッチとなっている。タイガーマスクWの登場により、ファンの間からは新日本に所属している(4代目)タイガーマスクとの関係はどうなるのか? という疑問が生まれていた。しかし、今回の前哨戦では“2匹の虎”がドリームタッグを結成する。タイガーマスクWのデビュー以来、この件に関して一切のコメントを発していないタイガーマスクが、試合後どのようなコメントを出すのかも含めて注目していきたい試合である。
旗揚げした3月6日は2015年から2年連続で『NEW JAPAN CUP』の開幕戦が行われてきた。“記念興行”が行われるのは、2014年のオカダ対飯伏幸太以来、3年振り。新日本にとっては都心では唯一となる平日のビッグマッチ。オカダとタイガーマスクWのドリームマッチ実現が与えるインパクトは強い。
「中身が誰なのかわからないですけど、タイガーマスクをやっている選手は良い選手ばかりなので」
オカダはタイガーマスクWに対する印象について、笑みを浮かべながらこう話している。ファンのリアクションが大きかったのは、タイガーマスクWのファイトスタイルが、1.4東京ドーム大会での、ケニー・オメガ戦で“未知の領域”に踏み込んだオカダと交わることにより、どんな化学反応を起こすのかという「ワクワク感」に他ならない。またこれまでノーコメントを貫いてきているタイガーマスクWの胸に、試合後どのような感情が芽生えるのだろうか。今のオカダなら何かを引き出してくれるんじゃないか? という期待値も大きい。
「夢のカード」が少なくなってしまったマット界において、他団体選手との対戦以外でこのようなカードを実現させてしまうのも、現在の新日本の勢いと強さを感じる。オカダ対タイガーマスクWの試合が、“夢の続き”のような闘いになることを期待したい。
(どら増田)
【新日Times vol.56】