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元川悦子のサッカー魔法陣(3)

 正月恒例の全国高校サッカー選手権。今大会もきょう10日の準決勝と12日の決勝を残すのみだが、超高校級FW大迫勇也(鹿児島城西)の得点記録の行方が気になる。ここまで4試合で通算8得点を挙げ、平山相太(FC東京)の持つ大会最多得点記録(9点)に1と迫っている。

 182センチ、78キロという恵まれた体躯を生かしたポストプレー、非凡な得点感覚を持つ大迫は鹿島入りが決まっている。同クラブの椎本邦一スカウトは「柳沢敦(京都)以来の衝撃」と絶賛する。この大物ぶりに準決勝・前橋育英戦で日本テレビが専用カメラで密着マークするというから驚きだ。
 騒ぎすぎの感も強いが、このスーパー高校生は本当に日本FW陣の救世主となり得るのか。

 確かにFWとしての資質は申し分ない。動き出しの速さ、反転してからドリブルで突進するスピードは13年前の柳沢の方が上だが、何と言っても大迫は点を取る術に長けている。準々決勝・滝川第二戦でも、30メートル近い位置から右足を振り抜いた強烈なシュート、相手GKの位置を見ながらのループシュートの2本を決めている。
 「多彩なパターンで点の取れるFW」として大化けする可能性はありそうだ。
 ただ、今後を左右するのがプロ1〜2年目の過ごし方。北京五輪代表の反町康治監督(現湘南)も「若手を伸ばすには、年間90分ゲームを100回近くやるべきとオシム監督は言っていた。だが、今のJリーグを見ると、18〜22歳の出場機会が少なすぎて、伸び悩むケースが後を絶たない」と現状を問題視していた。

 実際、鹿島には昨季得点王のマルキーニョス、日本代表の興梠慎三、長身の田代有三と優れた選手がそろう。この壁を破ってピッチに立たなければ、大迫も小さくまとりかねないのだ。即戦力として使わないなら、鹿島は速やかに他のクラブへレンタル移籍させるべき。その判断を誤ると大迫の将来を暗くすることになりかねない。

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