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ビデオ判定の茶番劇

 31日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で、開幕以来、セ、パ合わせすでに3件もあった本塁打のビデオ判定に関し、審判が改めて検証の場を持った。が、そもそもお金をかけられないビデオ判定など無理があり、こっけいなだけだ。

 公式戦での適用第1号は、27日の巨人対ヤクルト2回戦(東京ドーム)でのヤクルト・ガイエルの中超えの一打。審判はフェンス上部に当たったと判定したが、ビデオ判定の結果、本塁打となった。セでは続いて28日の阪神対横浜3回戦(京セラドーム)で横浜・カスティーヨの右翼への一打に審判は二塁打の判定。ビデオ判定になったが、「映像が1つの角度からだけではハッキリしない。オーバーフェンスしているようには見えなかった」ということで、二塁打に。

 パ初のビデオ判定は、28日のロッテ対日本ハム3回戦。ロッテ・西岡の右翼際への飛球が本塁打とされたが、日本ハム・梨田監督が「ファウルに見える」と抗議。ビデオ判定の結果、本塁打とされた。
 開幕早々、早くも3件もあったビデオ判定に関し、審判が集まり、検証した結果、「球場によって違う映像機材の統一が必要」ということを、4月5日のセ、パ理事会に要求することを決めた。同時に「監督の抗議でビデオ判定をするのではなく、責任審判員が必要だと判断した時にする」という基本方針を再度確認した。

 が、「映像機材の統一」など、大リーグに知られたら、恥ずかしい低レベルの話だ。大リーグは総額4、5億円かけて30球場にビデオ判定のための装置を置き、その結果を1カ所で見られ、専門家が判断するシステムになっており、迅速な判断ができるようになっている。財政難の日本では、映像は主にテレビ局のものに頼り、ビデオレコーダーは各球団が家電量販店で買い、映像を見るテレビは球場によって違う。しかも、各球場の審判室で控え審判が操作して、審判たちが見て判断する。「ビデオコーダーの機種の統一、映像をテレビもブラウン管ではなく、見やすい液晶画面にしてほしい。サイズも審判室で見るので、あまり大きすぎない、適度なものを」という要求なのだから、大リーグと比べたら、赤面してしまう。
 巨人の旗振りで始まったビデオ判定だが、必要な費用が捻出できないのならば、百害あって一利なし。格好だけ大リーグの物まねをしても意味がない。辞めた方が良い。大リーグと日本プロ野球界のスケールの差、懐具合の格差を思い知らされるだけで、スター選手のメジャー流出に拍車をかけるだけだ。

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