大一番を前に魔裟斗に不吉な影が忍び寄った。
世界一決定トーナメント決勝戦に出場するベスト8ファイターが臨んだ直前会見。ここまで決戦に向け「いままでで一番ベスト」と絶好調ぶりをアピールしてきた魔裟斗は、この日も「優勝するっきゃないっしょ」「アイ・ウィル・ビー・チャンピオン!」などと強気な発言に終始した。
強気一辺倒になるのも当然。例年の中でも今年は入念にコンディションを作りあげてきた。その自信の表れなのか、最高潮の状態のカリスマは、自然とリップサービスも“舌好調”。準決勝と決勝の予想について問われても「決勝はサワーでしょ。準決勝のザンビディスとキシェンコはザンビディスなら一度やってるから分かるけど、キシェンコはよく分かんない。つーか、考えてないから困る」とズバリだ。
しかし、この発言が後々カリスマを奇妙な事態に巻き込むことになってしまう。魔裟斗から「キシェンコは考えてない」と眼中にないことを告げられた“美しき死神”の異名を持つアルトゥール・キシェンコが、その後の会見で過敏に反応。魔裟斗からに相手にされていないにもかかわらず、なぜか微笑を浮かべ「魔裟斗は正しいよ…」とポツリ言い放ったのだ。
そればかりではない。死神は恨み節で魔裟斗に不敵なコメントを送る。「魔裟斗はボクについてかなり良い意見を持ってくれているようで…。う、うれしいよぉ」。そうつぶやいた死神は殺気立ったオーラを放ち「呪ってやる!」とばかりに不気味な雰囲気を漂わせた。
「無意識のうちにキシェンコを挑発してしまった魔裟斗選手は死神にとりつかれたかもしれません。だって会見後、なぜか室内にある魔裟斗選手の等身大ポスターが横になって倒れてましたから。あー恨めし、恨めし」とはK-1関係者。本当にカリスマは祟られてしまったのか、いずれにせよ呪縛にかかってしまった可能性のある魔裟斗と不気味な死神キシェンコから目が離せなくなってきた。