誤解を解いた。ドリームジャーニー本来の強さを実戦で証明することができた。その思いが、吉村助手の明るい笑みににじみ出ていた。
「朝日杯FSを勝ってから早熟タイプじゃないかと思われていたけど、あの勝利でそうじゃないことが分かってもらえたと思う」
あの勝利とは前走の小倉記念だ。道中は後方に構え、3角から一気のマクリ。そのまま2着ダイシングロウを3馬身突き放した。相手に恵まれたとはいえ、小回りではそうお目にかかれない派手な勝ちっぷり。それもトップハンデを背負い、走破時計も芝2000m1分57秒9と優秀なのだから、文句のつけようがない。昨秋の神戸新聞杯を制してから長らく低迷が続いたが、完全復活といっていいだろう。
「前走は強いのひと言。ラスト1Fの末脚は本当にすごかった。菊花賞を走った疲れがなかなか取れず苦労したけど、もう心配ない」とうなずいた。
中間も順調だ。短期放牧に出されたが、緩めることなく乗り込まれ、3日の1週前は栗東DWコースで6F84秒6→68秒4→52秒4→38秒6→12秒8を馬なりでマークした。「この馬にしたら軽いところだけど、動きはすごく良かった。あと1本やればきっちり仕上がる」と秋初戦から力を出せる態勢が整った。
血統を考えても早熟なわけがない。父はステイゴールド、母の父はメジロマックイーン。どちらも晩成の典型、本当の充実期はこれからだ。
ジャーニーが朝日CCを制すればその先に見えるのは当然、秋の天皇賞だろう。父は2着惜敗。母の父は1着降着の憂き目を見た因縁の舞台だけに力が入る。「マイルより二千の方が合う。再び好勝負を期待している」。ここは通過点。“秋天”まで、立ち止まるわけにはいかない。