両国決戦でシングルマッチが決定して以後ミラノから「あのジャガイモ野郎」「ポテトを食べてやる」などと挑発されてきた曙。この日の直前会見でもミラノから「オレの必殺技ボディスラムで投げてやる」とケンカ口調で吹っかけられたが、むしろ白い歯をこぼし薄ら笑みを浮かべつつ応戦してみせた。
「ミラノなんか5分以内でやっつけますよ」。余裕の300秒殺で、すでに曙からは「勝ったも同然」のムードすら漂っている。いくらミラノがジュニア戦士とはいえ、今年のスーパージュニアを制し、G1でも4勝をあげるなど、ヘビー級での実績も申し分ない。油断は大敵といえるが、曙が自信に満ちているのは当然のこと。
実はこの一戦に向け、しっかりジュニア対策を慣行してきたからだ。「ミラノ対策?このマスクド64とみっちりスパーリングしてたから大丈夫…」。小学2年生の愛息子扮するマスクド64をミラノに見立て極秘特訓してきたと自信満々に言い張るのだ。
相手は小学生。いくらミラノがジュニアとはいえ練習にならない気がするが、曙によれば「コイツはクラスで1、2を争う強さがある。チョークスラムが必殺技で同級生をやっつけたりしてる」というガキ大将だという。さらには「ミラノ選手はまずコイツを倒してからオレと闘った方がいいんじゃないのか」と豪快に笑い飛ばすリラックスムードで、両国にはマスクド64をセコンドにつける可能性すら示唆した。
一方のミラノはやや張り詰めた面持ち。本紙に予告していたビルドアッププラン「ポテチ作戦」が順調に遂行されていることを明らかにした上で「体重対策は完璧。オレのいまの体重?888kgだよ」と多くは語らなかった。
決戦を前に緊迫したムードのミラノとは対照的に余裕たっぷりといった印象の曙。ミラノ迎撃に死角は見当たらないが、果たしてどんな試合になるのか、楽しみだ。