ということで、すっかりカワハギジャンキーと化したワタクシ。今回もキモ醤油を堪能すべく、カワハギ狙いで兵庫県の垂水一文字へとやってまいりました。
明石海峡に面して潮がよく通るこの堤防は、様々な魚が狙える関西でも屈指の人気釣り場。青物やマダイの実績はもちろんのこと、秋以降はカワハギポイントとしても有望なんですな。
この釣り場のよいところは、堤防直下の足下で手軽にカワハギが狙える上にサンバソウ(イシダイの幼魚)やベラの魚影も特濃。ワタクシのようなヘッポコ釣り師でも、アブレる心配はありません。
また、この堤防へと釣り人を渡してくれる船は、垂水駅から近い漁港から乗船でき、しかも、お昼休みの12〜14時を除けばほぼ毎時出航という、釣り人にとっては魅力だらけのフィールドなんですね。
ただ…、これだけ頻繁に船が出ていると、甘えが出ていけませんな。毎度のことながら早起きすることができず、山陽電車を降りて垂水駅に到着したのは、すっかり日も高くなった11時頃のこと。船が発着する垂水漁港まで5分ほど歩きます。この日は休日とあってか、すぐ沖に見える堤防は、多くの釣り人で賑わっているようです。
渡船の受付を済ませたら、ライフジャケットを借り、荷物を積み込んで乗船。釣り場は船着場から眼と鼻の先なので、すぐに到着。船酔いが心配な方でも躊躇なく利用できる近さなのも、この釣り場の魅力です。
晴天の休日とあって、堤防には多くの釣り人が渡っておりましたが、地続きの人気堤防や釣り公園のように竿を出すスペースに事欠くような状況ではありません。ざっと見回して、釣り人が比較的少なかった西側の一角から竿を出すことにしました。
★ガッカリ外道をまとめて食う
まずは、竿とリールがセットになった安物タックルにカワハギ用の仕掛けを結び、エサ(ジャリメ)を付けて足下の堤防直下へ落としていきます。すると、オモリが着底するのと同時に派手に暴れるような感触が伝わりました。
反射的に竿を煽ると、元気な手応えで上がってきたのはホンベラ…。まぁ、この釣りではごく一般的な外道ではありますが…。エサが残っていたこともあり、再び仕掛けを堤防直下に投下。ただ、すぐにアタリが出て再びのホンベラ…。
その後もひたすらホンベラが続く中、随分と力強い手応えを楽しませてくれたのは、青ベラ(♂のキュウセン)程度。その後は再びホンベラのオンパレードとなり、「これを釣りきればカワハギが来るんや!」とマシーンのように投入→ヒット→ハリを外す、という一連を続けるうちに、スッと竿先が入るアタリが出ます。掛かっていたのはカワハギで、ひと安心です。
うるさいほど掛かるホンベラ、そして時折ヒットするカワハギに一喜一憂しながら釣り続けるうち、ふとあることに気がつきました。
「ここのホンベラ、デカくねぇか?」
通常は10センチ前後のメスも混じって釣れるものですが、15センチほどの肥えたオスが入れ食いなのです。
「せっかくの状況だから、コイツを食ってやるか!」
そう決めて、型のよい物を見繕いつつキープします。バケツに泳ぐホンベラ…、しかもその数がみるみるうちに増えていく…。なんだかシュールです。
★キープは正解!味は賞賛モノ
よく「狙わないと釣れるのに、いざ狙ってみると釣れない」なんてコトがあるものですが、こと今回に関しては心配無用。入れ食いはしばし続き、ほどなくして晩のオカズに十分な量を確保できました。今回はコイツを天ぷらで食べてみることにします。
シロギスやガッチョ(メゴチ)、ハゼといった人気の天ぷらダネだって15センチくらいが主ですから、大きさは◎。三枚におろすと、やや青みがかった身色に一抹の不安を感じたものの、揚げたてを一口食べてみると…ウマイ!
まあ、ベラの類いは総じて美味なので、意外ということはないのですが、フワッとした食感の白身は旨味が濃く、ビールにも最高に合います。キープしておいてよかった!?
渡し船を利用しなければならないものの、アクセスも足場も良好の垂水一文字。ホンベラ狙いなら、ファミリーや初心者でも気軽に楽しめるので、マジでオススメです。
まぁ〜、釣れすぎて飽きてしまう可能性は否定できませんけど…。
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三橋雅彦(みつはしまさひこ)子供の頃から釣り好きで“釣り一筋”の青春時代をすごす。当然の如く魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。