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専門医に聞け! Q&A インプラント周囲炎の危険性

 Q:抜けた奥歯の部分をインプラントにしたいと思っています。しかし、インプラントは歯周炎を引き起こすことがあると聞きました。大丈夫でしょうか。(32歳・税理士)

 A:インプラントは、歯を失った部位の骨(歯槽骨)にチタン製の人工歯根(インプラント)を埋め込む治療法です。しかし、歯周炎と同じような状態を引き起こす場合があります。それがインプラント周囲炎です。歯周炎と似ていますが、天然歯とインプラントではそもそも構造が違います。
 天然歯は、歯肉、セメント質、歯根膜と歯槽骨で維持されています。一方、インプラントでは、歯槽骨とインプラントは強固に結合していますが、歯根膜がないため歯肉とインプラントは結合していません。つまり、インプラントは歯根膜の緩衝作用を受けることができません。
 また、免疫の面から考えると、天然歯には自然免疫と獲得免疫が備わっています。一方、インプラントでは自然免疫は備わっていることが条件のため、獲得免疫が発現しにくく、そのため、糖尿病など全身の免疫力が悪くなると歯肉が細菌感染してしまいます。
 インプラント周囲炎になると、結局はインプラントが外れます。そのため、歯肉を治療してから、再手術をすることになります。

●アタッチメント義歯
 免疫の面から、インプラント周囲炎を引き起こすのは仕方がないことと考えられてきました。予防法がなく、そのことは歯科の学会を挙げての問題となっていました。私はこれまで、漢方のうがい薬やマスティック・ジェルを開発し、歯周病の治療に活用してきました。そして、インプラント周囲炎用に、「インプラケアー」を開発しました。
 これは、「鶏血藤」「グレープフルーツシードエッセンス」「ハスの葉の抽出液」「マスティック樹脂」の四つから成り立っていて、それぞれ外用です。
 「鶏血藤」には破骨細胞の抑制作用が、「グレープフルーツシードエッセンス」「ハスの葉抽出液」「マスティック樹脂」には強い抗菌作用があります。
 これらを用いると、インプラント周囲炎のリスクが低下しますが、それは自然免疫を高めるためと考えられます。このようにインプラント周囲炎を予防する方法も開発されてきました。
 とはいえ、最近はアタッチメント義歯が登場し、急速に広まってきました。これは従来からの義歯とインプラントの中間に位置するものと捉えられます。従来からの義歯よりも、はるかによく噛むことができます。私は、インプラントよりもむしろ、アタッチメント義歯の方をお薦めします。

渡辺秀司氏(とつかグリーン歯科医院院長、漢方歯科医学研究所所長)
独自の歯周病治療で名高い。神奈川歯科大学卒。同大学研修医を経て、横浜市でとつかグリーン歯科医院を開設する。歯学博士。歯科領域に漢方を取り入れ、天然素材を配合したうがい薬や歯磨き剤を開発。

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