「今季から『個人トレーナー(専属)』の球団施設への立ち入りを遠慮してもらいました」(チーム首脳陣の1人)
『個人トレーナー』とは、選手個人が専属契約を結ぶ整体師、鍼灸師、スポーツ医療の専門家などのことだ。どの球団も何人かの優秀なトレーナーを抱えているが、選手全員を担当するため、1人の選手に施すマッサージ、メディカルケアの時間は短くなってしまう。そのため、高額年俸選手や持病を抱えている者は、『個人トレーナー』と専属契約を交わす。むしろ、『個人トレーナー』を持たない選手の方が少なくなってきたと言っていい。ホークスはその『個人トレーナー』の施設出入りを禁止したのである。
「小久保、松中…。昨季は故障者続出でしたからね。選手の体調を一括管理する必要性が出てきたので、そういうことに決まりました」(前出・同)
一般論として、個人トレーナーと契約する選手は、球団トレーナーよりもそちらの方を信頼している。球団トレーナーのマッサージは受けずに個人トレーナーに全てを任せてしまう選手も多く、その結果、球団は選手全員の体調面を把握できなくなった。そこを改善しようと言うのだ。
「その通告に、いちばん怒ったのは杉内俊哉投手でした」(プロ野球OB)
杉内は昨年12月24日の契約更改に臨む直前、「納得していない!」と吠えるなど、『出入り禁止通告』の撤回を求めるつもりだったという。代理人も同席させ、難しい表情で球団事務所に乗り込んで行ったが、結果は円満終了。『ホークス初の3億円投手』に高評価に満足したのか、「個人トレーナーの件はさほど時間を要さなかった」そうだ。
球団側も開幕投手候補である杉内のメンツに配慮し、何かしらの折り合いを付けたと思われるが、球団トレーナーとの不仲が伝えられる個人トレーナーもいないわけではない。
「ホークスの練習量は物凄く多いんです。お隣の巨人の2倍は練習していると言っても過言ではありません。ベテランが率先して居残り練習をやっているので、当然、若手は帰れません」(前出・OB)
この猛練習が故障、長期離脱の遠因になっているのでは?
練習熱心なのは、良いことだ。しかし、プロである以上、「休む勇気」も必要ではないだろうか。個人トレーナーがマッサージを施す場所は宿泊ホテルに変わったそうだが、体調面の『球団一括管理』が巧く行ったという話は聞こえてこない。