昨年9着に敗れた苦い思い出の舞台で、スズカフェニックスの橋田師は復活Vを誓った。その昨年は馬インフルエンザの影響によるぶっつけでのGI挑戦、そしてレース当日の大雨…不運が重なりすぎた。
しかし、当日の天候は別として今年はデキそのものが大きく違う。前走のセントウルSこそ前残りの展開で8着に敗れたが、前哨戦を使ったことで体調は大幅に上向いてきた。
1週前の坂路追いでは、終いだけ軽く気合をつけ、800メートル54秒0→39秒5→13秒0をマーク。最後まで軽快な脚取りで駆け上がった。
「馬場が重くて時計は掛かったけど、ムキにならずに走っていたし、いい雰囲気だった。叩き良化タイプらしく、体をふっくら見せて減っていた体重も戻ってきている」
昨秋も叩き2戦目となったマイルCSで一変。スプリンターズSでは不発に終わった末脚を爆発させて3着に食い込んだ。ライバルと目されるスリープレスナイトはGI未経験。こちらには胸を張れるキャリア、GI王者としての意地がある。
「実績はもちろん、まともに力を出せればウチのが間違いなく一番だと思う。その下地が整った今回は負けられない気持ち。ここは何としても勝ちたい」
込山助手は意欲をみなぎらせた。昨年の雪辱を胸に、2つ目のタイトル奪取へまっしぐらだ。