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“破れない”“詰まらない”寿命を左右する丈夫な「血管」の作り方(2)

 そこで血管のメカニズムについて触れておきたい。血液は心臓から送り出され、血管を通じて全身を駆け巡る。そして細胞に必要な酸素や栄養素を届ける一方で、炭酸ガスや老廃物を運び出している。
 こうした役割を持つ血管だが、毛細血管と動脈を合わせると、全長はなんと10万キロ。地球2.5周分に相当する長さといわれる。その中は5〜6リットルの血液が超スピードで、世界一周ならぬ体内一周を毎日24時間、脈々と流れている。というよりも、滞りなく流れるように血管が頑張っている。血液を送り出す心臓の圧力を柔らかく受け止め、流しているわけで、動脈の中膜は厚く弾力性のある器官なのだ。
 こうして日夜休むことなく働いているのが、ポンプ役である心臓と、血液の流れを担保する血管というわけである。だが、血管も他の臓器と同じように、さまざまな要因によって機能が低下し、老化もする。
 そうなると前述したように、血管内膜に血液中の悪玉コレステロール(LDL)が蓄積し、次第に血管内腔が狭まって「動脈硬化」が起こってしまう。

 動脈硬化は10歳くらいから初期病変が進むといわれ、30歳で動脈硬化が表われると専門家は言う。
 「血管の老化の原因は、過食や運動不足、喫煙、過度のストレスなどの生活習慣が原因で加速します。放置すれば重大な疾患に繋がりますので、そうならないうちに血管力を鍛えること。それが血管とつながる体の健康を保つ、秘訣と言えるでしょう」(前出・浦上医師)

 では具体的に血管を鍛える方策として、「食」の面から提起しよう。
 新潟大学病院の元管理栄養士で料理研究家・林康子さんは「血管を強くする意味では、体の細胞を作るタンパク質が欠かせません」と、摂取すべきものを次のように挙げた。
(1)乳製品、大豆製品、魚貝類、牛・豚のヒレ、モモ、肩、鶏の刺身と胸肉。
(2)魚も脂肪酸のEPAを多く含むのでお勧め。大豆もポリフェノールを多く含み、体内の悪玉コレストロール量を下げる。
 「こうした食品を毎日バランスよく食べて頂きたい。ただ、塩分とカロリーの調節は必要です。揚げ物や塩気の多い物は減らし、食事は腹八分目を心がけてください」(林さん)

 もう一方の「運動」はどうだろうか。
 血管には3つの層がある。外側を覆っている外膜、血管の構造を支えている中膜、そして直に血液と触れ合っている内膜(内皮細胞)である。専門家は、血管を鍛えるのであれば、この「内膜」を鍛えることが大切だという。

 前出の松原医師は「基本は運動と温めること」を挙げながら、次のように説明する。
 「運動で筋肉が刺激を受けると、それに呼応して血流が促進されて血管が強くなる。ただ毎日のジョギングや、スポーツジムで水泳をとなるときつくて継続不可能。そんな特別なことではなく、通勤や買い物に出かける時に、いつもより少しだけ早歩きする、気付いたとき両手を“グー、パー”させるなど、咀嚼(そしゃく)力を高めるだけでも違います。あとは温めの入浴です」

 また「血液と触れ合う内皮細胞を活性化させるには、1分間の脈拍が120を超えない程度の持続的な有酸素運動が効果的です」と言うのは私大病院診療技術部・理学療法士新井雄司氏だ。
 「酸素を体内に多く取り込みながら運動することで内皮細胞は活発化します」と、腰と後ろももを伸ばすストレッチ。左手で左太ももを抱えるようにして、胸に向かって引き上げ、20秒間キープしたら左右を入れ替えてさらに20秒間。それぞれ1日3セットやれば十分だという。

 さあ、血管力を鍛えるテーマに挑戦しよう。

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