search
とじる
トップ > スポーツ > 篠塚辰樹に工藤政英がキックの洗礼!藤田大和快勝に天心パパ「強いねぇ」【RISE】

篠塚辰樹に工藤政英がキックの洗礼!藤田大和快勝に天心パパ「強いねぇ」【RISE】

pic pic

藤田大和

『RISE123』
▽24日 後楽園ホール 観衆 1,800人(超満員札止め)

▼第7試合 第3代RISEフェザー級(-57.5kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R
○工藤政英(2R 1分34秒 KO)篠塚辰樹●
※3ダウン。工藤が決勝進出

 同い年の盟友で、同じTEPPEN GYMに所属する“神童”那須川天心とこの春から二人暮らしを始めたという篠塚辰樹。先月のデビュー戦に続いてこの日も天心がセコンドに付き、サポートした。

 1R、戦前に放ってきたビッグマウスを有言実行するべく、元プロボクサーの篠原は重く鋭いパンチを繰り出した。これが工藤の顔面とボディを捉え、会場からどよめきが起こる。余裕の表情を見せ、時には蹴りも繰り出しながら工藤との距離をキープしていたようにも見えたが、工藤は1R終盤、ガードしながら三種の神器のひとつ「きもロー」(ローキック)を打ち始めてこれを凌ぐと、2Rは一転して篠塚が工藤のローキックに苦悶の表情を浮かべた。篠原は3回ダウンし、規定により試合終了。デビュー2戦目にしてKO負けを喫した篠塚は天心の肩を借りショックを隠せぬ表情で、控室に戻った。

 戦前、散々挑発してきた篠塚に対して「パリピ感がある」と切り返していた工藤。篠塚にキックで文字通り洗礼を浴びせた形となったが、「今までたくさん試合をしてきたが、あんなパンチを食らったのははじめて。ズバ抜けていた」と篠塚のパンチの強さに驚いた様子。ただ試合に関しては「完全なる作戦勝ちですね」と満足げだった。

 今回はひたすらローを練習していたという。「パンチの練習はしませんでした。『きもロー』があって良かった。でもその代償で今、僕の足は西野カナみたいに震えてます」と最後は足を指さし、報道陣の笑いを取っていた。決勝はライバル森本“狂犬”義久と6.17幕張メッセ大会で対決する。

 KO負けを喫した篠塚は「まだ生の足の免疫がないのでは」と関係者は分析している。さらに関係者は「工藤はくるぶしのあたりに蹴ってくるので、キックがかなり痛い」と試合を分析していた。

 天心のような不敗神話を頭に描いていたであろう篠塚にとっては悔しい敗戦になったが、19歳とは思えぬ色気や、新星の到来を感じさせる独特のオーラ、そしてあの強力なパンチは天心が言う「キックを広めるため」に必要な選手だ。幕張メッセ大会で王座を獲得する目標は流れてしまったが、1年はまだ長い。年内の王座戴冠に向け、今回の敗戦を前向きに捉えてもらいたい。

▼第3試合 (-58kg契約) 3分3R延長1R
○藤田大和(1R 2分18秒 KO)泰良拓也●
※右ストレート

 那須川天心と闘いたいと公言する日本人選手がたくさんいる中、昨年2回も天心と対戦し、両試合とも地上波ゴールデンタイムで放送され注目を浴びた男がいる。藤田大和だ。アマボクシング全日本選手権バンタム級優勝(2011年)の肩書きを持つ藤田は、昨年10月にRIZINマリンメッセ福岡大会で、MMAルールで天心と対戦。最後は判定で敗れたものの、天心が5分3Rで仕留められなかったことや、試合後に天心が「藤田選手は強かった」と発言したことから、注目度、知名度は一気に上がった。入場テーマ曲が、高田延彦統括本部長が現役時代に使用していた『トレーニングモンタージュ』だったことも格闘技ファンから好意的に見られている。

 2度目の対戦は昨年の大晦日にさいたまスーパーアリーナで行われたRIZINキックトーナメントの決勝戦。1回戦で砂辺光久をKOし、再び天心の前に立ったが、「何もさせてもらえぬまま」1RでKO負け。完敗だった。この悔しさを胸に、天心の主戦場であるRISEへの参戦を決めた藤田。対戦相手はRISEフェザー級7位の泰良拓也だ。

 藤田は序盤からパンチで試合の主導権を握り、右フックで最初のダウンを奪うと、続けて繰り出した右ストレートが泰良を捉えてダウンを奪った。キック団体のデビュー戦で見事なKO勝ちを収めた。完勝である。

 「今年はしっかりキックをやって天心君に追いついて、追い越すまで頑張りたいと思います」

 リング上でこう叫ぶと客席からは大きな拍手と歓声が上がっていた。藤田は退場する際、すれ違った「天心パパ」ことTEPPEN GYMの那須川弘幸会長から「強いなぁ」と声をかけられた。コメントブースに現れた藤田は「もう少し軽い感じでパンチを打ちたかった」と反省しながらも「ジャブが当たった時点で『いけるな』と思いました。被弾したけれど、効いてなかった。自分の持ち味のパワーと強さは出せたと思う。(天心に関しては)もうあんな悔しい思いはしたくないので、やり返したいと思います」とリベンジ宣言。初のRISEマットに関しては「後楽園ホールは最高でした。お客さんの顔が近かった。ここから1個ずつ勝ち上がっていきます」と笑顔で前を向いた。

 天心との対戦が地上波のゴールデンタイムで放送されたこともあり、藤田はRISEにとって大きな新戦力と言ってもいいだろう。幕張メッセ大会に出場するかはまだ未定だが、天心と三たび遭遇するのか?篠塚も含めて、天心とゆかりのある2選手を長い目で見守りたい。

取材・文・写真 / どら増田

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ