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効果的なウォーキングで運動不足解消! インターバル速歩のススメ(1)

 今、世間では『インターバル速歩』と呼ばれる健康法が大流行りだ。「速歩歩き3分間」と、それに続く「普通歩き3分間」が1セット。それを1日5セット以上、週4日以上、そして4カ月継続することが目標だという。中高年の生活習慣病や介護予防を目的に、信州大が中心になって開発された手軽で誰でもできる健康法だ。

 山梨大医学部名誉教授の田村康二氏(医学博士)が説明する。
 「ウオーキングがブームになったのは、たかだかここ20年あまりのこと。西洋人には散歩の習慣があり、食事が終わると皆、三々五々出かけてますからね。また、皇居を1周するようなジョギングも流行っていますが、ジョギングは心筋梗塞で死亡する恐れもある。そんな中、今、アメリカではジョギングが見直され、健康の維持、増進にはウオーキングがいいと愛好者が増えているんです。さらに、ただ漫然とブラブラ歩いているのでは、歩かないよりはいいが運動にはならない。“加速”と“減速”を繰り返し、緩急をつけることが筋力の強化になるとされているのです」

 ちなみに、1日1万歩のウオーキングを1年間続けると、約3分の1の人は体脂肪が低下し、血圧は正常値になる。善玉コレステロールが増加し、悪玉コレステロールや中性脂肪は低下するものの、それ以上の効能はないという。
 速歩3分間がキツければ2分間でもいい。背筋を伸ばし胸を張り、腕を大きく振って歩くのがポイント。では、どの程度の速度で歩けばいいのか。

 田村氏が続ける。
 「アメリカ心臓病学会によると、『鼻歌が歌える速度がいい』とされています。それ以上だと苦しい。つまり、鼻歌が楽に歌える速度と、それよりやや速度を上げるのを交互に繰り返すのがいいと思います」

 これによって、どの程度の効果があるのだろうか。
 たとえば、5カ月間インターバル速歩を続けた中高年と、毎日1万歩のトレーニングを続けた中高年を比べると、明らかにインターバル速歩を行っていた方が優っているという。
 「インターバル速歩では、膝屈伸・屈曲筋力が増加し、最高・最低血圧は5〜10mmHg低下することがわかっているのです」(スポーツ医学が専門の研究者)

 1日1万歩トレーニングでは運動強度が小さく、何もしない中高年とそれほど変わらないという。運動強度が低すぎて、寝たきりの予防に重要な太ももの筋力の増加が期待できないというのである。
 最近の研究で、太腿の筋力が高い人ほど歩行速度が高く持久力も高く、太腿の筋力を強化することで持久力も強化できることがわかってきたという。
 「さらに重要なことは、4カ月間のインターバル速歩の後、持久力が増加すると、高血圧症、高血糖症、肥満症の症状を示す割合が男女とも20〜30%減少する点です」(同)

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