A:確かに一昔前、アガリスクでがんが治ると話題になりました。爆発的に売れ、がん治療の基幹病院では、呼吸器内科の肺がん患者のベッドの下に、アガリスクの箱が並べられていたことがあったといいます。
しかし、主治医も治療に有効な手立てがないため黙認していた、というのが実情だったと聞いています。
●ごく少数には劇的効果
アガリスクは医薬品メーカーが一般の健康食品として販売し、米国でも推奨されました。
でも、思ったほどに効果は出ませんでしたが、劇的に効いてがんが消失した人も少数いたそうです。
ただし、その確立はせいぜい1%以下といったところ。なぜ、劇的に効く人がいるのに、大半の人には何も効果が得られなかったのか。
●リンパ球との関係
私は、アガリスクなどのキノコ系のサプリメントが効くメカニズムは、一種のアレルギー反応と考えています。
がんの自然免疫において、白血球の中でリンパ球が関与することは間違いありません。
そのリンパ球からミサイルのようにサイトカイン(インターロイキン12を筆頭に)が放出され、がん細胞を爆発(アポトーシス=自死)させるのです。
ですが、このリンパ球が抗がん作用のあるサイトカインを放出できない場合が多いのです。
そんな時に、アガリスクを使用すると、その成分がリンパ球にアレルギー反応を起こし、一気にインターロイキン12が放出され、がんが消滅する人がいます。
ただし、こうした現象が起きるのはごく稀。大半の人には現れません。
ですから、アガリスクが効く条件として、リンパ球が健全であり、抗がん作用のあるサイトカインを製造してしっかり蓄えている必要があります。
多くのがん患者は、抗がん剤や放射線治療によってがん細胞を縮小させたりします。それによってリンパ球も免疫抑制状態、いわゆる“不健康”となってしまい効かないのでしょう。
リンパ球が元気を取り戻すような健康食品があれば、アガリスクの効く率も高くなると思います。
ちなみに私は現在、宇野克明先生(日本免疫治療学会会長)の開発したD-12というリンパ球栄養剤の治験を期待を込めて行っています。
牧 典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。小山病院(大阪市東住吉区)院長