浜口さんは地元の出身で、妻と3人の子供がおり、建設関係の仕事をしていて収入的にも不自由はなかったという。子供たちをかわいがる、近所でも子煩悩な父親として知られていた。
一方、岡島も結婚していて、夫と2人で村営住宅に住んでおり、自らは化粧品販売店でパート従業員として働いていた。仕事振りはまじめで明るく、「感じのいい美人の店員さん」として来店客などからも評判だった。
そんな評判のよい2人が、いつしか知り合い、そして不倫の関係となっていく。
2人の住まいは、同じエリアの中で200メートルと離れていない。いわば「近所」の範囲だった。また、2人とも外へ飲みに行く機会が多く、居酒屋かスナックなどで知り合ったのかもしれない。
2人ともいずれも近所や勤務先での評判はよかったが、決して問題がないわけではなかったらしい。
まず浜口さんは、子煩悩ではあるが、奥さんとの関係がぎくしゃくしていたという。その原因は不明だが、浜口さんに嫉妬深い一面があったともいわれている。
また、岡島は外では明るく感じのよい態度だったが、その反面、かなりきつい性格であり、親しい者につらく当たることがあったらしい。さらに酒を飲むと荒れる性質だったともいう。そのため、事件から少し前には、彼女の夫は、妻の暴言や暴力に嫌気がさして、家に寄り付かなくなっていたとの声もある。
そんな2人が付き合い始めて、村内の居酒屋やスナックなどで一緒に飲んでいる姿がしばしば目撃されるようになっていった。一方が飲んでいて携帯電話で呼び出し、店で合流して一緒に飲む。そんなパターンが多かったらしい。
最初の頃こそ普通の飲んでいた2人だったが、次第に平穏ではなくなっていった。酒が深くなると、頻繁に言い争いなどをするようになっていった。最初のうちは、ちょっとした「痴話ゲンカ」のレベルだったが、次第にその度合いは激しくなっていった。(つづく)