魔裟斗は3分5ラウンドのK-1ルールで、“神の子”山本“KID”徳郁と対戦する。両者は、04年大みそかの「Dynamite!!」で、K-1ルールで激突。その際は魔裟斗が判定勝ちを収めており、それ以来、11年ぶりの対決となる。この一戦の瞬間最高視聴率は31.6%(関東地区)をマークし、「紅白」を超えた伝説のカードだ。
K-1中量級のエースとして活躍した魔裟斗は、09年大みそか「Dynamite!!」でのアンディ・サワー戦で引退。その後はタレントとして活動していたが、TBSからのオファーを受け、6年ぶりの復帰を決断。すでに、夏頃から練習を再開している。
対戦相手となるKIDは、レスリング一家に育ち、姉は山本美憂、妹は山本聖子で、ともにレスリング世界女王。現在は米国の総合格闘技団体UFCを主戦場としており、魔裟斗戦に向け、キックの技術を磨くべく、タイで武者修行を敢行中だ。
また、「KYOKUGEN」では、番組がスタートした11年から、ボクシング・井岡一翔の試合を放送してきたが、今年も継続。12月31日、エディオンアリーナ大阪で行われるWBA世界フライ級王者・井岡対同級2位=フアンカルロス・レベコ(アルゼンチン)戦も中継。15年の「KYOKUGEN」は魔裟斗と井岡が強力タッグを組む。
魔裟斗復帰の背景には、フジテレビへの対抗心があるという。「まだ、確定していないようですが、フジは『PRIDE』の後継団体ともいえる『RIZIN』を、『紅白』の裏で中継することが有力視されています。『PRIDE』から撤退後、フジの大みそかは低視聴率が続いています。10年ぶりに格闘技を放送するとなると、ここ数年よりは視聴率アップが見込めそうです。それに危機感を感じたTBSが、魔裟斗復帰という切り札で対抗することになったようです」(スポーツライターA氏)。
フジの「PRIDE」は05年、TBSの「Dynamite!!」は10年を最後に、大みそかのラインナップから消えた。その後、格闘技ブームは下火となったが、「RIZIN」「KYOKUGEN」が、どこまで視聴率を伸ばせるか注目が集まる。
(落合一郎)