(52歳・旅行代理店経営)
A:脳卒中は、かつては冬に多かったのですが、今は夏も同じように発症します。ところが、冬と夏で起こしやすい人の体質は違います。
冬に発症しやすいのは冷え体質の人で、冬の寒冷が刺激となります。一方、夏に発症しやすいのは、ご質問の方のように、高血圧の熱体質の人です。元々熱が逃げにくく、こもる傾向がある上に、外気の暑さによってさらに熱がこもり、脳梗塞や脳出血を引き起こしてしまうのです。
このような熱体質の人は、夏に屋外で顔がほてってきて、その度がすぎると要注意です。熱ごもりがピークになっています。
●熱中症予防の漢方ドリンク
去年、ビールを飲んでからコースを回ったところ、急に体がおかしくなったとのこと。どのようになったかは不明ですが、大事になる一歩手前だったのではないでしょうか。
ビールなどのアルコールには利尿作用があるので、脱水時の水分補給にはなりません。暑さによる脱水とビールによる脱水のダブルで襲われると、熱が体内に入ってこもり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすことになります。
炎天下で運動をする前にビールなどのお酒を飲むのは、とんでもないことです。
漢方薬の清暑益気湯をミネラルウオーターのペットボトルに入れると、熱中症予防ドリンクになります。ゴルフはもちろん、夏の昼間、ハイキングなどで長時間出かけるときも、このドリンクを作り、あらかじめ飲んでおくとよいでしょう。
脱水は電解質(ミネラル)が失われ、電解質のバランスが崩れますが、水ばかり飲んでも電解質は失われます。
清暑益気湯には様々な電解質が含まれていて、電解質の補給にも役立ちます。
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岡田研吉氏(研医会診療所漢方科医師)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病等に成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。