アイドルたちを斜め視線でチクリと皮肉るその内容は“なめ子ワールド”全開。読めばたちまち抱腹絶倒のファンならずともたまならい一冊だ。ナンシー関なきあと、各界をバッサリと斬り捨てられるのはこの人しかいないとまで言われる辛酸なめ子。しかし、実際の素顔は作風とは180度違うようだ…。
芸能記者が言う。
「実際にあってみると驚くほど腰が低いことで業界では有名です。蚊の鳴くような声ですまなそうに話す。“すみません”が口癖で、本人に会った人ならいったいこの人のどこからあんな毒舌が出てくるのかと驚くはずですよ。ルックスも本人が言うように薄幸そうな顔。よく言えば謙虚、悪く言えば素人のおばさんのようですね」
普段の横顔は素朴という点では大先輩のナンシー関と被る。だだ、辛酸の場合はあまりに素人っぽすぎて大変な記者泣かせだという。
雑誌編集者が困り顔で語る。
「漫画のように本人が書いてきてくれる場合は良いのですが、たとえば本人に話を聞いて我々が原稿を書く場合。こちらは当然辛酸なめ子らしい毒舌を期待しているのですが、何を問いかけても“そうですね…”“どうでしょう…”ばかりで会話がすぐに途切れてしまう。こっちもこのままでは記事にならないので焦りながら必死にウィットにとんだコメントをお願いしますと頼んでも“うーん、そうですねえ”と考えこまれてしまいましたよ。本人はとても腰が低くていい人なので強くは言えませんでしたが、正直この人ド素人なのかと思いましたよ」
作品は過激でも当の本人はいたっておとなしい人。これがやはり漫画家の常なのか。